公園で出会ったインスタ猫おじさん
先日、近所の公園にチワワを連れて散歩に出かけた時のこと。
よく晴れて日差しの強い日でした。
歩き出すとすぐに犬が水を欲しがったので、「ドッグ専用」と書いてある水飲み場へ立ち寄りました。
コップに水を汲み、与えていると、
「あの、ちょっといいですか…」
背後から声を掛けられました。
振り返ると、中年のおじさんが肩に猫を載せてこちらに寄ってきます。
珍しい散歩客だなぁと感心して眺めていたら、おじさんは片手で猫を掴んで、コップから顔を上げたばかりのチワワの鼻先へポンと置いたんですね。
猫好きな我が家のチワワは小さく尻尾を振って歓迎の仕草です。
意外だったのは猫ちゃんのリアクションです。見ず知らずの犬の前に放り出されたら軽くパニック状態に陥りそうなものですが、まったく表情を変えずにご主人のほうを振り返るじゃないですか。
「じゃあ、そこに脚掛けてみようか」
そう言うと、おじさんは猫の前脚を水飲み場の縁にちょこんと載せるようにして、数歩下がって一眼カメラを構えました。
「いいねぇ、そこでじっとして」
そしてパシャパシャと連写。
「はい、よくできました」
じっとポーズを決めている猫ちゃんににっこりほほえみかけると、ふたたび肩にひょいと載せて立ち去っていったのです。
その間、わずか3分足らず。まったくムダがないロケ現場?でした。
たぶん、インスタ映えする写真を撮るために、わざわざ「ドッグ専用」の水場を求めてやってきたんでしょう。
恐るべし、インスタ猫おじさん。