古民家の食事処「松倉」で松茸御飯定食をいただきました
安曇野北部・池田町の目抜き通りに、築200年はあろうかという立派な町屋が建っています。
手入れの行き届きた美しい古民家で、老夫婦が民宿兼食事処「安曇の館 松倉」を営んでいらっしゃいます。
先日、遅い昼食に立ち寄ると、玄関脇に「本日のおすすめ」を認(したた)めた黒板がちょこんと置いてありました。
本日のおすすめ
地物、松本城献上松茸
松茸御飯定食 980円
内税・コーヒー付
なに?地物の松茸ご飯?これはもう食べるっきゃないでしょ!--思わず舌なめずりして、鼻息も荒く、暖簾を潜ったのでした。
夕方近かったせいか、店内には客の姿がありません。店の人も見当たらず、目の前には呼び鈴がひとつ。「ご用の方は鳴らしてください」と書いたメモが貼ってあります。
土間に立って、何度かチ~ンと鳴らしましたが、誰も現れません。
「ごめんくださ~い!」
大声で訪(おとな)いを告げると、痩せたおじさんと豊満なおばさんが「はいはいはい」と、奥から姿を現しました。
北アルプスを一望する特等席に座って、お目当ての松茸御飯定食を注文しました。
他に客がいないためファストフード並みの速さで出てきたのが、こちら。
リンゴ以外は、ご飯も味噌汁も、香の物も煮物も全部、おばさんの手作りです。
松茸は松本郊外の“某所”でおばさんが採取したという、ホンモノの地物。お米は安曇野産の新米です。
さっそく頂きました。
ふわっと軽く炊いたご飯に、松茸の香りが染み渡っています。味付けが上品で、大変美味です。
味噌汁、漬け物、煮物のいずれも味のバランスが良く、繊細な料理人の腕を感じました。
一見すると田舎風のおふくろ料理ですが、意外にも洗練された手練(てだ)れの味わい。すっかりファンになってしまいました。
無口なおじさんと、おしゃべり好きなおばさん。好対照のご夫婦の、おいしいおもてなしが好印象でした。
近いうちにまたお昼を頂きに行こうと思います。