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漆(うるし)に金箔!安曇野高橋節郎記念美術館で沈金体験!!

 美術館が目白押しの安曇野ですが、恥ずかしながら私たちは野良仕事に追われていて、あまり訪れたことがありません。

 先日、初めて地元の安曇野高橋節郎記念美術館というところに行ってみました。

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 高橋節郎(たかはし せつろう)は、安曇野が生んだ著名な漆芸家(ウルシを素材にした絵画やオブジェなどを創作するアーティスト)。

 こちらは2003年にオープンした、彼の代表作を常設展示する本格的な美術館です。

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 節郎の生家のあった場所に、ガラス面を多く取った現代建築の展示室(本館)が建っています。

 敷地奥の庭には、古民家再生された母屋や蔵などが本館と一体になるように配置されていて、なかなか居心地の良い庭園美術館です。

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 じつは私たちのお目当ては、同館で随時開催している「かんたん沈金体験」講座でした。

 沈金(ちんきん)というのは輪島塗などでよく使われる技法で、漆の塗り物の表面に刃物で文様を彫り、できた溝に金粉を押し込む工芸のことです。

 1~2時間ほどでお手軽に体験できるというので、参加費・大人1100円(美術館への入場料込み)を払って本館の別室で受講させていただきました。

 ビニールカバーを張り巡らしたデスクの上に用意されていたのが、こちらの黒い漆を均一に塗ったプレート(15×12センチ)と、同寸のカーボン紙。

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 プレート表面にカーボン紙を当てて、その上に下絵を描いた紙を1枚載せ、テープで固定します。

 下絵は白い紙に一から自作してもいいのですが、図案集が用意されていたので私たちは「シクラメン」「アルマジロ」選びました。

 下絵の線をボールペンでなぞり、プレートにカーボンを転写します。

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 転写したら小刀でプレート表面の漆をカリカリ削っていきます。あまり力を込めなくても、わりにすんなり刃が通りました。

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 ひと通り削ったところで、表面の溝に綿棒に浸した“工業用漆溶液”を塗っていきます。この溶液は、肌に付いてもかぶれないものだそうです。

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 溝の中に溶液が行き渡ったら、プレート表面に金粉を満遍なく振りかけ、ティッシュで伸ばしていきます。漆の溶液が接着剤の役割を果たして金粉を溝の断面に固定してくれるんですね。

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 残った金粉をティッシュでこすり取ったら完成です。ざっと小一時間で、こんな“沈金プレート”ができあがりました。完成品は紙袋に包んで持ち帰れます。

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 文字どおりの「かんたん沈金体験」でしたが、美術館のコンセプトに合った良質の講座というのが感想です。

 安曇野観光というと、わさび田を見学したりサイクリングしたりといったアウトドア系のアクティビティに目が行きがちですが、エアコンの良く効いた美術館の一室で心静かに沈金に打ち込む--というのも、なかなか悪くない過ごし方だな、と思いました。


安曇野高橋節郎記念美術館




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テーマ : 信州
ジャンル : 地域情報

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プロフィール

あづみ

Author:あづみ


都会から安曇野の古民家に親子3人で移住しました。夏涼しく、冬は想像を絶する寒さですが、ハラを括って暮らせば何とかなるものです。

その後、縁あって畑付きの田舎家をゲット。現在は山中の古民家と里の家とを行き来する日々です。

安曇野に興味のある方、また古民家に暮らしたいと思っていらっしゃる方、よろしかったらお立ち寄りください。

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