ギャラリー・シュタイネ(Galerie Steine)でコーヒーブレーク
穂高有明の別荘地の奥深く、針葉樹の林に囲まれた一角に「ギャラリー・シュタイネ(Galerie Steine)」があります。
ここは月替わりでアート作品を展示・販売するギャラリー。シックな中にも贅を凝らした建物のたたずまいと静かな環境が気に入って、時々、吸い込まれるように足を運んでいます。
展示の中身が充実しているのは言うまでもありませんが、ここへ立ち寄ると、ついギャラリーの奥へ奥へと足が向かってしまいます。
じつは建物の奥に常設されているカフェが“お目当て”だったりするんですね。
カフェといっても、メニューはコーヒー1種類、紅茶1種類の計2品目だけ。ケーキも軽食もありません。
しかもです。その唯一無二、じゃなかった唯二無二のコーヒーと紅茶は、いずれもその月の展示内容に合わせて中身が変わるという凝りよう。ホームページにも、
「カフェ的演出空間:展示をご覧いただき、もう少しゆっくり過ごされたい方のために企画展示に合わせて珈琲、紅茶をセレクトしています」
と書いてあります。オーナーさんのこだわりに満ち満ちたカフェなんですね。
コーヒー(500円)を注文しました。するとオーナーさんが、「お好きなカップを選んでください」と、カウンターの奥の壁に一列に並んだコーヒーカップを指さします。
どれも過去にこのギャラリーで展示会を開いたことのある作家の“作品”とのことです。
好みのカップを選び、美しい安曇野の林を一望できるサンルームに腰かけて待っていると、カウンターの方からおいしそうなコーヒーの香りが漂ってきます。
やがて、お盆にコーヒーカップがふたつ、お盆に載ってゆっくりと運ばれてきました。
今回は女性の作家3名による展示会だったので、コーヒーも「それにちなんで、ニューギニアにブラジル、グアテマラの豆にギニアの豆をブレンドしました」…とメニューに書いてあります。
なぜ、この豆の取り合わせなのかは不明ですが、きっと作家の顔ぶれとコーヒーの品種のイメージがマッチするのでしょう。
うれしいことに、ソーサーに小さなお菓子がふたつ載っています。
名古屋で評判の洋菓子店「ミルグレイ」の手作りクッキーだそうです。
何から何まで、こだわり抜いています。コーヒーも展示の一部というわけなんですね。
少々、緊張してカップを口に運びました。
う~む、なるほど。言われてみれば、たしかに女性的なやさしい味のような気がします。クッキーも大変美味です。
贅沢な空間でリッチなコーヒーブレイクを楽しむことができる異色のカフェ。
ややスノッブな気がしないでもありませんが、500円というお値段は、お得感があると思いました。