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大麻集落?限界集落は怪しい?--冗談じゃない!

 いやはや、大変な騒動です。

 私たちの住む山里で、時ならぬ大麻事件が勃発しました。

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2016年11月25日付 朝日新聞夕刊(左)/2016年11月26日付 朝日新聞朝刊(左)より

長野の限界集落で大麻=所持容疑で22人逮捕―麻薬取締部
時事通信 11/25(金) 11:07配信


 関東信越厚生局麻薬取締部などは25日までに、神奈川、長野両県警と合同で、長野県大町市と同県池田町の限界集落に住んでいた27~64歳の男女22人が大麻を隠し持っていたなどとして、いずれも大麻取締法違反容疑で逮捕した。
 
 麻薬取締部などは、それぞれの自宅などから乾燥大麻計8キロと大麻草7本などを押収した。

 逮捕されたのは長野県池田町の自営業A(48)、妻H(36)両容疑者ら。A容疑者は容疑を認めた上で共謀を否定し、H容疑者は容疑を否認している。22人のうち16人がおおむね容疑を認めているという。

 同部によると、逮捕された男女はいずれも長野県内外からの移住者で、うち2人は静岡県湖西市に転居していた。限界集落の周辺で音楽イベントを主催するなどしながら大麻を栽培し、乱用していたとみられる。

 以上は時事通信の第一報ですが、私たちは25日昼の全国ニュースで知りました。

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2016年11月25日放送 NHK「ニュースウォッチ9」より

 その後、午後~夜にかけて断続的に続報が流れ、日テレ系の「NEWS ZERO」ではヘッドラインで大々的に取り上げていました。

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2016年11月25日放送 日本テレビ系「NEWS ZERO」より

 報道によると、捕まったのは長野県大町市美麻、平、八坂地区、長野県池田町池田、広津、陸郷地区の20人と、同エリアから静岡県に転居した2人の計22人の男女ということです。

 テレビ報道の直後から、私たちの地区では上を下への大騒ぎに。容疑者数名がこの地区在住の“移住者”だったからです。

 私たちが引っ越してきた7年前には、一部の容疑者はすでに空き家を借りて暮らし始めていたようです。

 その後、自然回帰志向若者たち(※高齢化が進む当地では、40代、50代も立派な“若者”です)が、徐々に山里へ集まってくるようになりました。

 当初、地元のオジサンたちは「ヒッピーが入ってきたよ」とかなり警戒したようですが、年寄りがつぎつぎに世を去って空き家ばかりが目立つこのあたりでは、若者の存在は貴重です。

 初めこそしきたりに従わない“よそ者”を煙たがっていたオジサンたちも、

 「付き合ってみると、意外に素直でまじめな良い子たちなんだよね」

 と、それなりに認める存在になっていたんです。

 それが、「音楽イベントなどを通じてできた“緩やかな大麻のコミュニティー”」とやらに属し、大麻所持容疑で逮捕されたんですから、地元の衝撃たるやハンパじゃありません。

 来年度から移住者のための専門部署を設置するという池田町の役場では「出ばなをくじかれた」(朝日新聞)と、幹部がショックを受けているようです。

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2016年11月25日放送 日本テレビ系「NEWS ZERO」より

 なにより愕然としているのが、若くて新しい“血の流入”に地域の存続と活性化を期待していた、地域のお年寄りたちです。

 「やっぱり…」「しかし残念だ」

 そんな声が渦巻いています。

 じつは毎年、秋になると私たちの古民家の向かいの山の頂で、奇妙な音楽イベントが開かれていました。

 キャンプ場にネイティブ・アメリカンの住まいであるティピを幾張りも建てて、PAを置き、ワールド・ミュージックを大音量で流すんですね。

 夜9時には全員が消灯してしまう山里で、数日間にわたって夜明け近くまでガンガンやるもんですから、例年、この時期には町役場に苦情が寄せられていました。

 これは6年前の2010年に、木立の間からおっかなびっくり撮影した“音楽イベント”の様子です。部外者を寄せ付けない空気バリアみたいなものを感じて、早々に退散しました。

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2010年10月に撮影しました

 今から思えば、いわゆるラリパッパな人たちの“大麻レイヴ”の会場だったんでしょう。

 報道が本当ならば、好きな音楽を大自然の中で心ゆくまで楽しんで、ついでにラリラリになっていた容疑者たちの逮捕は、いわば身から出た錆。

 司直の手に委ねられて当然ですが、問題はこんなことで世間から「大麻集落」だの「限界集落は怪し過ぎる」だの決めつけられてしまった、わが山里の行く末です。

 都会からやってきた若者たちを、胸襟を開いて迎え入れた地元の人たちの心中を思うと、悔しくてなりません。

 それにここには、東京や神奈川から移住して、まじめにコツコツ働いている人たちも少なからずいるんです。

 地元の人たちの良き隣人として、行事や自治会にも参加し、地域に貢献している移住者だっているんですよね。

 そんな人たちまで十把一絡げに「大麻集落」の「怪しい人々」扱いされたんでは、まったくもって間尺(まじゃく)に合いません。

 あえて言いましょう。

 都会からのエクソダス(脱出)を計画中の方は、ぜひ、私たちの山里を見に来てください。本当のスローライフを心ゆくまで堪能できますよ。

 冬の寒ささえ我慢できれば、こんなに豊かな住環境に恵まれたところはありません。

 Uターン、Iターン大歓迎です。

 ただしハッパ(大麻)は抜きで、ね。

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テーマ : 信州
ジャンル : 地域情報

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良く存じてます

はい、入ってきたときから「ヒッピーハッピー」という俗称で呼ばれており、
役場の幹部及び関係者もマークはしていました。

 確定的だったのは連中がある共通点があったことでして
あづみさんも気がついていたのではないでしょうか?

 もちろんあづみさんはリストにはありませんでしたが、
他にもリスト漏れ{失礼、都合上の表現」の
健全な移住者もおり、山奥=悪人の住み処ということはありません。

 まぁ初犯ですから執行猶予がつくのでしょうけど、今後の動向が
気になることです、
高照山の中腹に件のメンバーが建てている山小屋もどうなるのか
心配です。

 また、子供も児童相談所に一時預かりとなりましたが、

行政にとってはそのケアもあるでしょうし大変なことです。


Re: 良く存じてます

>  また、子供も児童相談所に一時預かりとなりましたが、
>
> 行政にとってはそのケアもあるでしょうし大変なことです。

おっしゃるとおりです。
子供たちのことが本当に気がかりです。

No title

私も町民としてショックでなりません。以前、広津地区を探索した時に、玄関にヒッピー風の飾りがあるお宅を見つけました。住んでるのか住んでいないのかわからない感じでしたが、もしかしたら…。Iターンも大歓迎だったのですが、子育て世帯の集まる土地に県外から来た方が、子供の声がうるさいとか外で遊ぶなとかいう人の話も聞きます。役場の方で、何らかの面接、チェック体制を構築してほしい…なんて思っています。田舎暮らしは、ただ自分の都合の良いようにできるとは考えて欲しくありません。地域の方々とのお付き合いが、最重要になって来るのではと思います。あづみさんのような方が来てくれると本当にありがたいのです(^-^)

Re: No title

おっしゃるとおり、地域の方々とのお付き合いの大切さを私も実感しています。ありがとうございます。
プロフィール

あづみ

Author:あづみ


都会から安曇野の古民家に親子3人で移住しました。夏涼しく、冬は想像を絶する寒さですが、ハラを括って暮らせば何とかなるものです。

その後、縁あって畑付きの田舎家をゲット。現在は山中の古民家と里の家とを行き来する日々です。

安曇野に興味のある方、また古民家に暮らしたいと思っていらっしゃる方、よろしかったらお立ち寄りください。

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