マニアック!あづみ野菊花品評会に仰天です
先日、安曇野の穂高神社を訪ねると、お祭りでもないのに境内の外縁に沿ってテントがずらりと並んでいました。
なんだろうなぁ?と思ってテントのひとつを覗いたら、菊の鉢植えの展示会でした。
「第三十七回 あづみ野菊花品評会 主催 あづみ野秋香会」
立て看板にそう書いてあります。
どうやら地元の愛好家が丹精込めて栽培した菊のコンクールです。
観客が一人もいないのが気になりましたが、37回も続いているということは、きっと由緒正しいイベントなのでしょう。
ぐるり一周してみました。
さまざまな色と形の菊の花が整然とディスプレイされています。
無粋な私たちにはどれも端正に見えるだけで、違いというものがわかりません。
でも、そこには明確な優劣があるらしく、選ばれた優秀作には協賛企業名の付いた冠賞や長野県知事賞などの短冊が恭しく下がっています。
なかにはドラえもんやドラミちゃんを模した菊人形風の作品など、わかりやすいものもありましたが、後は失礼ながらどれもこれも同じに見えてしまいます。
本殿に近いテントに、一等賞の作品が次のような説明書き付きで展示されていました。
特作花壇
信濃富士と
安曇野の秋
小菊の懸崖仕立てにて信濃富士(有明山)をイメージし、
大菊の三本仕立て盆養、ダルマ、福助、千輪、大杉、小杉、玉作り等、
多種多様な仕立てを以て安曇野の秋、菊花の総合美を表現いたしました。
明科 関尚義
つまりはこれ、菊花で造った安曇野のジオラマなんですね。なるほど、見事です。
すごいなぁ、と普通に関心して通り過ぎかけた時、ふとパネルの最後に小さな字で書いてある一文が目に留まりました。
懸崖、千輪をはじめ全て一本苗にて仕立てております。
一本苗?ってことは、もしやこの菊たち、寄せ植えじゃなくて1本の茎から分かれているの?
まさかと思ってしゃがみ込み、手前においてあるおよそ100輪からなる大きな鉢植えの付け根を覗き込んでびっくり!
なんとたった1本の茎が枝分かれして、ものすごいボリュームの菊の花束を形作っていたのです!
一体全体、どうやったらこんな形に整えることができるのでしょうか?
好事家の底知れぬ忍耐力と凄腕ぶりを目の当たりにした瞬間でした。