伝統を煮染めたたたずまい。「丸山味噌醤油醸造所」
ここに家を持つようになる以前、「安曇野においしい味噌・醤油の店がある」という噂を人づてに聞いて、ネットで探したことがありました。
8~9年前のことです。
いろいろなキーワードで検索して、やっと行き着いたのが「丸山味噌醤油醸造所」というお店。
楽天やヤフーショッピングのような日の当たるモールに出店しているわけではなく、自前の、手作り感溢れるホームページでした。
当初はたしか支払い方法が銀行振込か郵便振替ぐらいしかなくて、ちょっと買いづらいなぁと思いつつ、試しに濃い口醤油を1本、注文しました。
ところが、これがうまい。昔ながらのオーソドックスな醤油の味がしたんですね。
そこで今度は味噌を頼みました。
値段もそれなりするのですが、これまたうまい。
感心してホームページをよくよく見ると、
明治三十三年創業
全国味噌品評会
会長賞受賞
長野県醤油品評会
県知事賞受賞
当店の味噌醤油は品評会で優秀な成績を毎年収めております。
これからも決して量産することなく、当店の味を守っていける範囲で、
気に入って食べていただける方々のために、 誠意をもって造っていく所存です。
と書いてあります。遅まきながら老舗のこだわりの味噌醤油醸造所なんだということを知りました。
以来、定期的にネットで購入していたのですが、先日、店の前を通る機会があり、初めてリアルショップに立ち寄ってみました。
クルマの往来の多い幹線道路に面した建物は、なるほど老舗にふさわしい古民家です。
正面の壁に「味噌醤油」と書いてあるだけで、丸山味噌醤油醸造所の名前はどこにも見当たりません。
わざわざ名乗らなくても近隣では十分知られた存在なのでしょう。
ガラス戸を開けると、土間の壁一面に味噌樽がずらりと並んでいます。
味噌と醤油のいい匂いが漂っています。木樽のひとつひとつに、酵母や無数の微生物が棲息しているに違いありません。
まさに店全体が“醤油で煮染めたような色”に染まった感じです。
親切なオバサンが味噌樽からしゃもじで味噌を掬って、量り売りしてくれました。
昭和の昔にタイムスリップしたような感覚です。
店先と奥の醸造所の境には、藍色の暖簾が架かっています。そこには大きな楷書で、
誠実
という二文字が白く染め抜いてありました。
なるほど、誠実を画で描いたようなお店という印象です。
無添加・天然醸造の味噌・醤油をお探しの方は、ぜひ一度、「丸山味噌醤油醸造所」をお試しになってはいかがでしょうか?
今はクレジットカードやコンビニ後払いなどにも対応しているので、大分、買いやすくなりましたよ。