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サクラの枝を燃やして家を“燻蒸”しました

サクラの枝を燃やしました
サクラの枝を燃やしました

 家の中が冷え切ってしまったので、朝から囲炉裏に火を熾しました。囲炉裏は暖房器具としてはあまり期待できませんが、それでも火が赤々と燃え上がると、周囲2メートルぐらいの空気がほんのりと温(ぬく)んできます。

 我が家では週に一二度、こんなふうに用もないのに囲炉裏に火を熾して、半日から丸一日、火種を絶やさないようにしています。

 その理由は、おもに“燻蒸(くんじょう)”です。薪を燃やすと白い煙がもうもうと立ち上がり、タールの成分が茅葺屋根や柱に沁み込んで、防虫、防水の役割を果たします。古民家の天井や柱が漆黒なのは、そのせいなんですね。いわば囲炉裏を使って家全体を燻製にしているわけです。

 古民家にとって囲炉裏の煙は、養命酒ならぬ“養命煙”なのです。

 今日は去年、裏山から切り出したサクラの枝を燃やしました。白煙がモクモクと立ち上り、あっという間に土間から屋根のてっぺん付近にまで達しました。

白煙がモクモクと立ち上ります
白煙がモクモクと立ち上ります

土間に煙が充満
土間に煙が充満して…

屋根のてっぺん付近にまで達しました
屋根のてっぺん付近にまで達しました

 目を開けていられないほどの濃い煙です。燻蒸しているのを知らずに居室側から襖を開けて囲炉裏部屋に足を踏み入れた娘は、ゴホゴホ咳き込み、涙を流して驚いていました。

 煙が一段落すると、灰の真ん中にオレンジ色の美しい火種ができあがります。薪を少しずつ足して燃やし続け、火種を守ります。

 そうやって無心に囲炉裏に薪をくべていると、遠い昔にタイムスリップしたような、遥かな気持ちがしてきます。

 こんな時間が囲炉裏の醍醐味なのかもしれません。

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テーマ : スローライフ
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No title

あづみさん、こんばんはv-222
うっひゃぁ~~っ、あづみさんの古民家素敵ですねっ。

 囲炉裏の火棚・自在鉤ともに、惚れ惚れしてしまいますv-237

 ”勲蒸”ですかぁ・・・古民家にとっては、大切な意味がある事なんですねぇ。本当に古民家って、奥が深いですよね。

ぶっちゃんさま

お誉めくださってありがとうございます。

見た目には広々していていいんですが、
今の季節はどうにもこうにも寒くてかないません。

ぶっちゃんさんのお宅は寒くないですか?

桜?

立て替え前、拙宅の屋敷は茅葺きでしたが、
桜を焚くというのが理解できません。

 確かに趣旨はあっていますが、桜では煙の成分に
油が少なく効果は激減します。
 ここでは松を燃やします、松は油がとても多く
煙自体に松ヤニの成分を含んでおり、茅にしみこんだ際、
耐水効果は桜の比ではありません。
 また、桜の木のような場合、油分が少なく、綺麗な煤で、
吸着力に劣るため、煤が床に落ちてくる事があります。

  最近暖炉を持つ家庭が多くなり、薪を良くもらいに来ますが、
連中も最近は勉強して、松は油が多く、煙突の煤掃除が
大変と言う事が解り、松の木を出しても持って行かなくなりました。

田舎者さま!ありがとうございます!

なるほど!
松ですか。そうですよね。
松脂があるし、いちばん家の養生になりますね。

ありがとうございます。とても勉強になりました。

なにしろ、見よう見まねで田舎生活を始めてしまったので、
わからないことだらけです。

教えていただいて助かりました。
次回からは松で勝負してみます!!
プロフィール

あづみ

Author:あづみ


都会から安曇野の古民家に親子3人で移住しました。夏涼しく、冬は想像を絶する寒さですが、ハラを括って暮らせば何とかなるものです。

その後、縁あって畑付きの田舎家をゲット。現在は山中の古民家と里の家とを行き来する日々です。

安曇野に興味のある方、また古民家に暮らしたいと思っていらっしゃる方、よろしかったらお立ち寄りください。

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