苦節4年。消えたと思ったシロヤマブキが花を付けました
先日、庭の手入れをしていたら、裏山の斜面の草むらに小さな小さな白い花が数輪、咲いているの気づきました。
山野草かな?と思って雑草を掻き分け、観察すると…ややっ、こ、これは!
シロヤマブキ(白山吹)ではありませんか。
ヤマブキというと、普通は“山吹色”つまり黄色の花を連想しますが、それとは別属の白い花を付けるバラ科の落葉低木です。
ちなみに、よくあるヤマブキは花弁が5枚、シロヤマブキは4枚なんですね。
4年前の春、JA直売所で1苗150円で売っていた苗を26個、まとめて購入して裏の斜面に植えました。
苗といっても、大きいのから小さいのまでいろいろですが、この時、買ったものはほとんど“朝顔の双葉”同然の極小苗でした。
150円という安さに目が眩んでつい大人買いしたものの、さて、荒れ地同然の我が家の庭で無事、育つ保証はありません。
まぁ、崩れかけた法面の土留めにでもなってくれればいいや、というぐらいの気持ちで、地肌が剥き出しになった裏の斜面に思いつくまま植えてみました。
やがて冬が来て、雪の下に埋もれたシロヤマブキは、雪解けとともに消えてなくなりました。
目を皿にして探しても、葉っぱの痕跡すら見つかりません。
やっぱり根付かなかったんだな、と思い、それっきり忘れてしまったのでした。
ところがその翌年、ふたたび地中から茎を伸ばし、哀れなぐらい小さな葉っぱを控えめに生やし始めたではありませんか。
でも、どうせ雑草に負けて消える運命さ、ぐらいに思っていたので、ほとんど目にも留めずに放置していました。
それがどうしたことでしょう。26苗のうちの1苗が、今年、ついに花を付けたのです。ご本家のヤマブキに比べると、いかにも華奢で控えめな(というか地味な)花ではありますが。
ネットで調べたところ、本来の生息地は本州の中国地方一帯なんだそうです。信州の、それも標高850メートルの我が家の裏庭は、シロヤマブキにとってさぞや過酷な生育環境だったに違いありません。
にも関わらず、人知れずサバイバルに成功したばかりか、見事、花まで咲かせてくれるとは…。
いやはや、山野草の芯の強さに、改めて感動した次第です。