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縦繁障子(たてしげしょうじ)で陰翳礼讃

 古民家に住んでみて、改めて感心したのが「障子」の威力?です。

 我が家には大小さまざまな障子があって、窓の明かり取りや部屋の間仕切りとして重宝しています。

 新築の家とは違い、取り付けてある場所ごとにデザインや素材はバラバラ。たぶん、元々、ここに暮らしていた人たちが、長い年月をかけて少しずつ建具を入れ替えていったせいでしょう。

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 2階の窓には障子が1枚、はまっているだけでした。ガラス戸はなく、外気がほぼ素通しでした。

 あまりに寒いので、引っ越した翌年の冬、居たたまれなくなって2階の障子の外側にサッシ戸を造作しました。

 するとガラスと障子の間に空気の層ができて、思わぬ保温力が生まれたのです。今では真冬もかなりポカポカしています。ガラス戸+障子の組み合わせは、断熱効果が抜群だということを実感した次第です。

 一方、間仕切りとしての障子の利点は、とにかく軽いこと。片手でスルスルと開け閉てできるのが何より助かります。

 ですが障子の本当の魅力は、そのような実用性とは少し違うところに潜んでいるような気がします。

 それは、桟と障子紙が生み出す“陰影”です。障子紙が光を弱め、桟の縁に影が宿ります。日本家屋のほの暗さの源は、この障子の演出する陰影にあるのだと思います。

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 私たちのお気に入りは、リビングと土間の間仕切りになっている5枚1組の「縦繁障子(たてしげしょうじ)」です。

 縦繁障子というのは、縦に細かく格子(組子-くみこ-とも言います)が入った障子のことで、関西地方に多いそうです。

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 通常は全面を組子で作ってあるようですが、我が家の縦繁障子は下5分の2ほどが板で、上3段が組子になっています。

 組子のこげ茶色と障子紙の白のコントラストが美しく、夜、囲炉裏に火を熾すとそのオレンジ色の光が幻のように揺らめきます。

 古民家の美しさをしみじみと感じる瞬間です。

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テーマ : 信州
ジャンル : 地域情報

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プロフィール

あづみ

Author:あづみ


都会から安曇野の古民家に親子3人で移住しました。夏涼しく、冬は想像を絶する寒さですが、ハラを括って暮らせば何とかなるものです。

その後、縁あって畑付きの田舎家をゲット。現在は山中の古民家と里の家とを行き来する日々です。

安曇野に興味のある方、また古民家に暮らしたいと思っていらっしゃる方、よろしかったらお立ち寄りください。

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