旧国鉄篠ノ井線廃線敷遊歩道で“鉄ちゃん紅葉狩り”!
先週末、安曇野市の明科(あかしな)に紅葉狩りに行ってきました。
JR明科駅から国道19号線→403号線に沿って「旧国鉄篠ノ井線廃線敷遊歩道」という素敵なウォーキングコースがあります。
廃線になった旧国鉄篠ノ井線の明科-西条間9.7キロの一部を、遊歩道として整備したものです。
ウォーキングコースとして開放されているのは、このうち明科駅から旧第二白坂トンネルまでの約6キロ。
明科駅から1000メートル進んで25メートル登る急勾配で(これを25パーミルと言うそうです)、蒸気機関車にとってはかなりきつい登坂線だったようですが、ウォーキングにはちょうどいいくらいの緩い上り坂です。
私たちは旧第二白坂トンネル前の無料駐車場にクルマを乗り捨て、明科方面に向かって逆方向に歩きました。
駐車場には名古屋から観光客を運んできたという大きなバスが1台、停まっているだけ。週末なのに訪れる人はあまりいません。
緩い下り坂を歩き始めると、周辺は深い広葉樹の森。そして今が紅葉の最盛期です。
安曇野一帯の紅葉は黄色が主体です。
明るい黄色から橙色の模様が山肌を幾筋にも織り上げ、陽光を浴びてきらきら輝いています。
時折そこに、赤いカエデが滲みるようにアクセントをつけています。
まさに絶景なんですが、なぜかこのコースは毎年それほど混みません。というか、かなりガラガラな感じです。
紅葉のパノラマを独り占めできる“穴場”じゃないでしょうか。
元々、鉄道が走っていた路面ですから、直線が基本でアップダウンもありません。そういう意味では、あまり面白みのないコースですが、足下を気にせず紅葉を愛でるにはかえって好都合だと思います。
線路や枕木は撤去されていますが、等間隔に並んだ電柱や信号機など、当時の施設の名残があちこちに見られるのも、このコースの特徴です。
鉄ちゃんには堪(こた)えられない至福の遊歩道ではないでしょうか。
途中、漆久保(うるしくぼ)トンネルと三五山(さごやま)トンネルという、古いトンネルをくぐります。
どちらも明治時代に煉瓦を積み上げて造られたもので、馬蹄形をしたユニークなトンネルの形状が印象的です。
苔蒸した煉瓦の天井付近には蒸気機関車の煤がこびりついていて、歴史を感じさせます。
漆久保(うるしくぼ)トンネル。明治30年に開通した全長53メートルの総レンガ造りの鉄道用隧道です。
私たちは三五山トンネルを抜けたところでお弁当を広げ、そこから出発点に向かって引き返しました。
途中、鉄道林のケヤキ並木が残る「けやきの森自然公園」でコーヒーブレイク。
チワワ連れのため、ゆっくり歩きましたが所要時間はトータルで約4時間、1万5000歩のお散歩でした。