曼珠沙華の球根を手に入れました
この秋、近所の墓地に真っ赤に並んだ彼岸花の花を眺めているうちに、ふと我が家の庭にも曼珠沙華があったらな、と思うようになりました。
近隣の園芸農家やホームセンター、ガーデニングの店を見て回りましたが、曼珠沙華の球根は置いていません。
そこでネットで探してみると、あるある…全国各地で彼岸花を専門に生産する農家があるんですね。
しかも花の色が白や黄色だったり、形もいろいろ。世の中にはこんなに多種多様な彼岸花があるんだということを初めて知りました。
ですが、やっぱり曼珠沙華は古式ゆかしく真っ赤じゃなくちゃ。改良種ではない、いちばん素朴な曼珠沙華の球根を販売している農家を数軒リストアップして、値段や納期を比べました。
当たり前ですが、彼岸花の球根は花が終わった10月以降に地面から掘り起こして出荷されます。
サイトの写真に付いている説明文を読みながら、なるべく野趣に富んだ丈夫そうなヤツを探し求めた結果、徳島県のとある生産農家がよさげな球根を売り出し中と知り、電話をしてみました。
「昔ながらの赤い彼岸花が欲しいって?それならいっぱいあるよ。いくつ欲しいの?50球?今日、400球の注文が入っているから、それを送ってから掘るよ。ただ、明日は雨になりそうだからな。雨が降ったら掘れないよ。そのときは明後日、送るから」
気の長そうなおじさんが、のんびりした声で約束してくれました。
1球50円。50球で2500円。それに送料がプラスされましたが、楽天やアマゾンで調べたかぎりでは、結構、お安いようです。
3日後、宅配便で届いた段ボール箱を開くと、芽と根が出た状態の、活きの良さそうな球根がゴソッと入っていました。
さっそく、庭の崖っぷちを縁取るように、一列に植えてみました。
私たちの住んでいるあたりでは、曼珠沙華は墓地に咲く花として、あまり宅地に植えないようです。「死人花(しびとばな)」なんて別名もあるぐらいですから、不吉なイメージを嫌ってのことかもしれません。
ですが、私たちはあえて庭に植えてみました。
来年の秋、曼珠沙華の赤い花が崖を「赤い布きれのように」(新美南吉)縁取ってくれる姿が今から楽しみです。