古民家は夏涼しく、冬寒過ぎる

午前6時、室温マイナス2度! とほほ…
古民家は夏涼しく、冬寒い……という話は安曇野の家に住む以前から、ものの本などで知ってはいました。
古民家といえば、四方が障子張りで風が縦横無尽に吹き抜けるイメージです。夏はさぞや涼しいだろうなと予想していました。
事実、この家に暮らし始めて、「本当に涼しいんだ!」と実感した次第です。
戸外が直射日光でジリジリと焼けるような日でも、一歩土間に足を踏み入れると、スッと涼気に包まれるから不思議です。
靴を脱ぎ、家に上がって家屋の中心部に進むにつれて、外光が徐々に減衰していきます。コントラストが弱まり、昼間でも柱や壁の輪郭がうっすらとぼやけてきます。そしてそれに連れて、どんどん汗が引いていくのです。
記録的な猛暑だった今年(2010年)の夏も、家の奥はひんやりしていました。窓を開け放って風を通してさえおけば、さながらエアコンの効いた室内のようです。外気が38度を超えた日でも、部屋の柱に掛けた寒暖計は28度を上回ることはありませんでした。まさに感動モンの涼しさなのです。
ところが、その反動といいましょうか、冬になると家中が恐ろしいほどの寒気に包まれます。
“冷気が深々と身にこたえる”なんていう生やさしいレベルではなく、“冷気がジンジンと身に浸透する”といった感じです。
家の内外で、大体5度ぐらいの気温差があります。もちろん、外のほうが暖かいんですが。
今頃の季節だと、気温は明け方、零度前後まで下がりますが、その時、室内はマイナス5度ぐらいになっています。
せっせとストーブを焚いても、暖気は吹き抜けの天井に上り、無情にも屋根の煙抜きから出ていってしまいます。

暖気は吹き抜けの天井に上り、
屋根の煙抜きから出ていってしまいます
風の強い日には、煙抜きから落ち葉が舞い込んできて囲炉裏端に積もることだってあります。

煙抜きから落ち葉が舞い込んできて
囲炉裏端に積もることも…
我が家の土間の横には「木造48畳まで対応」という大型の業務用ストーブが置いてありますが、真冬ともなると全開で運転しても周囲1メートルぐらいがうっすらと暖まる程度です。ほとんど“おまじない”並みの効果しか期待できません。
昔の人って、本当に辛抱強かったんですね。

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