古民家って、何なの?

古民家って、なんとも言えずいいイメージの単語ですよね。字面がこぢんまりしていて『まんが日本昔ばなし』っぽいですし、「こみんか」という言葉の響きにもなんだか懐かしさが漂います。私も言葉の魅力にコロリと参ってしまったひとりです。
ところが古民家の定義となると、これが曖昧模糊としています。
一般的には戦前に建てられた古い日本建築のことを「古民家」と呼ぶようです。釘を1本も使わずに材木を組み合わせて建てることを、建築用語で「伝統的軸組(じくぐみ)工法」というそうですが、古民家はこの「伝統的軸組工法」で造られています。
では、釘を1本も使わずに材木を組み合わせて最近、建てた建物も古民家なのか、といえば無論そうではなく、やはりそれなりに古くなければいけません。
どの程度、古ければただの民家じゃなくて古民家になるのかははっきりしませんが、伝統工法が守られていた昭和20年ぐらいまでの建造物を、世間では「古民家」と呼んでいるようです。
ところが不動産業界の場合、この定義はさらに曖昧で、見た目が古かったり、築20年ぐらいだけど太い柱と漆喰を使っていて、いかにも古民家っぽく見える建物までひっくるめて古民家と言ってしまうこともあるようです。
私の知っている不動産屋さんは、築50年以上の民家を「古民家」、それより新しい和風の建物を「田舎家(いなかや)」と呼んで、なんとなく区別しているといいます。
「いつ建ったかわからないけど木造で、ひたすらボロい家ってのもありますよねぇ?」
と水を向けると、その不動産屋さんは、
「ありますよねぇ。そういう物件は、お客様にあんまり過大な期待を持たれても困るんで、私らは『あばら屋』って紹介してます」
とのことでした。なるほど!

土間の大黒柱です。

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