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煙で燻(いぶ)される前の茅葺き屋根はこんな色だった

 茅葺きの古民家の土間に立って天井を見上げると、大小の梁が組み合わさり、そのさらに上方に“下地”と呼ばれる格子状の木組みがあることがわかります。

 茅はこの下地に紐で固定され、雨風をしのぐ分厚い層を築いています。

2012053004.jpg
我が家の屋根裏。露出を開放気味にして撮ったら、
木組みの構造がなんとか写りました



 ただし、茅葺き屋根の構造は、よく晴れた日に目を凝らして見て、ようやくわかるかどうかです。なにしろ長年、囲炉裏の煙で燻(いぶ)されているので、茅も下地も梁も真っ黒け。どういう構造になっているのか、すぐには見分けがつかないのです。

 少し昔なら、30~40年に一度、かならず茅の葺き替えをしました。古くなった茅をすべて取り除き、新品の茅(ススキやヨシ、チガヤなどイネ科の草が原料です)を葺いていきました。

 葺き替えた直後の屋根裏は、それはきれいな“ススキ色”というか藁の色で、部屋の中は見違えるように明るくなったといいます。

 残念ながら現在、茅葺き屋根の葺き替え工事はなかなかお目にかかることができません。

 我が家の屋根裏も一面、漆黒の世界です。一体全体、煙で燻される以前の茅葺き屋根って、どんな色なのでしょうか? 一度は観察したいものだと思っていたら、安曇野の山里で偶然、実物を見ることができました。

 といっても、屋根の葺き替え工事にめぐり合ったというわけではありません。

 とある古びた神社の神楽殿の屋根裏に“ススキ色”の茅がそっくり残っていたのです。

2012053001.jpg

2012053002.jpg

2012053003.jpg


 神社ですから囲炉裏はなく、したがって煙で燻されてもいないんですね。葺き替えた時のまま、そこに佇んでいました。

 これを見ると、茅をどんなふうに重ねているのか、どんな具合に縄で縛って下地に結びつけているのかがよくわかります。

 茅葺屋根の“タネ明かし”をしてもらったみたいで、ちょっと得した気分でした。


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 茅葺きの古民家の土間に立って天井を見上げると、大小の梁が組み合わさり、そのさらに上方に“下地”と呼ばれる格子状の木組みがあることがわかります。 茅はこの下地に紐で固定され、雨風をしのぐ分厚い層を築いています。我が家の屋根裏。露出を開放気味にして撮った...

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あづみ

Author:あづみ


都会から安曇野の古民家に親子3人で移住しました。夏涼しく、冬は想像を絶する寒さですが、ハラを括って暮らせば何とかなるものです。

その後、縁あって畑付きの田舎家をゲット。現在は山中の古民家と里の家とを行き来する日々です。

安曇野に興味のある方、また古民家に暮らしたいと思っていらっしゃる方、よろしかったらお立ち寄りください。

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