飛騨の古民家が減っているらしい…

日本民家再生協会サイト
さる10月16~17日、岐阜県飛騨市で「民家フォーラム 2010 in 飛騨市」という催しが開かれたそうです。日本民家再生協会(JMRA)というNPO法人が毎年、各地で主催しており、今回(2010年)は13回目にあたります。
最終日の17日、同市の宮川町老人福祉センターでシンポジウムがあり、地元の民間コンサルティング会社「美(ちゅ)ら地球(ぼし)」代表の山田 拓さんという方が、「ひだ民家の今とこれから」と題する興味深い報告を行ないました。
以下は、同フォーラムを後援する中日新聞の記事の要約です。
「美ら地球」では、2009年10月から半年間かけて飛騨市内にある約820戸の古民家を調査したところ、すでに誰も住んでいない家が4分の1を占め、後継者がいない家も3分の1に上りました。
山田さんは「居住エリアだけでなく里山や自然(の保全)なども総合的に見ていかないといけない」と強調。清掃や里山ツーリズムなど古民家の保存・再生への取り組みを紹介されたそうです。
岐阜といえば、ここ長野県のお隣。古民家がまだまだ残っている一帯と思われていますが、その実状はやはり惨憺たるもののようです。
日本民家再生協会の公式サイトによれば、今回、シンポジウムが開かれた宮川町は、
「自然景観に恵まれた農山村地帯です。かつては養蚕が盛んで、そのための二階建ての大型民家が今でも数多く見られます。また、宮川地区の種蔵集落には棚田一帯に雪国特有の板倉が散在し、美しい景観を作っています。しかし、時代の変化とともに、これらの民家にも空き家が増え、失われかねない状況が出てきています。」
二階建ての大型養蚕農家のいえば、まさに私たちの家と同じ。近くに棚田が広がっているところまでそっくりです。

板倉の残る種蔵集落と棚田・飛騨市宮川町 (日本民家再生協会の公式サイトより)
私たちが暮らす安曇野の山あいでも、同じような調査をすればよく似た結果が出てくるに違いありません。「空き家が4分の1、後継者がいない家が3分の1」というのは、私たちの実感値にかなり近い印象です。
里山同様、古民家の保全・保護は火急の課題です。