fc2ブログ

天井近くの覗き穴と落武者のこと

 引っ越して間もない頃、和室の天井付近の壁に20×15センチほどの長方形の穴が開いているのに気づきました。

2012022001.jpg

 明らかに人の手で造作したようですが、穴の位置といい大きさといい中途半端で、一体何のために開けられたのか見当がつきません。

2012022002.jpg

 穴の向こうは屋根裏につながっています。

 「換気口なんじゃない?」というのが家族の意見でした。

2012022003.jpg

 そんなある日のこと、この家の前々オーナーさんが前触れもなく訪ねてきました。前々オーナーである元・地主さんは、和室の天井近くを見上げて、

 「あの四角い覗き穴のようなの、何だかわかりますか? あそこはね、その裏側にを番(つが)えた人が潜んで、客人が主人に斬りつけるようなことがあった時に、すぐに仕留められるようにするための穴だったんだそうですよ」

 と、意外な話を教えてくれました。

2012022004.jpg

 以前、この家は現在の場所から沢伝いにさらに山の奥深くへ入った場所に建っていたのだそうです。

 「落ち武者の家だったんだとか。それを私の何代も何代も前のご先祖様が買い取って、ここへ移したんだと聞いてます。壁の覗き穴は落ち武者屋敷の名残りで、余所者が初めて訪ねてきたときには、まずこの穴の反対側の席に座らせて屋根裏から密かに監視をしたそうです」

 なんと! この家は元々、落ち武者屋敷だったというのです!

 以前、読んだ本には戦国時代から江戸時代初期にかけて、戦に敗れた多くの武士が山間部に逃げ込み、土着して百姓になったとありましたが、我が家もそんな元・敗残兵の住まいだったのかもしれません。

 う~む、古民家に歴史あり、ですね。

人気ブログランキングへ  にほんブログ村 ライフスタイルブログ 古民家暮らしへ  にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 安曇野情報へ
ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします。


テーマ : スローライフ
ジャンル : ライフ

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

落ち武者

おはようございます。
日光にある湯西川温泉に何度か行きましたが、伝説では平家の落ち武者の里だとか。
むかしは鯉のぼりをあげない、煙をださない、犬や鶏を飼わないなど
ひたすら目立たぬよう暮らしていたという伝説が残っているそうです。
今でも川沿いのウネウネ道は相当の悪路ですが、けものみちしかない時代は
山の奥のまた奥にある安全な隠れ家だったのだろうと思います。
移築前に建っていた場所も、そうしたけものみちのずーっと奥だったのかもしれません。
古いお宅で昔に想いを馳せながら夢路につくのもいいですね。

おじゃまします

カッコイイ!
忍者屋敷じゃなくて
武家屋敷ですか!?

ロマンがありますね^^

Re: 落ち武者

> むかしは鯉のぼりをあげない、煙をださない、犬や鶏を飼わないなど
> ひたすら目立たぬよう暮らしていたという伝説が残っているそうです。


おっしゃるとおり、私たちの家がかつて建っていた山奥では、
そのような暮らしぶりだったのだと思います。


> 移築前に建っていた場所も、そうしたけものみちのずーっと奥だったのかもしれません。

まさにそんな行き止まりに建っていたのだろうなぁ…と思います。

Re: おじゃまします

ありがとうございます。

ちょっとロマンがあり過ぎて、
夜分、ひとりでこの和室に座っていると、
上から狙われているんじゃないか?…なんて妄想まで沸き起こります。
ときどき、ブキミな感じもします。
プロフィール

あづみ

Author:あづみ


都会から安曇野の古民家に親子3人で移住しました。夏涼しく、冬は想像を絶する寒さですが、ハラを括って暮らせば何とかなるものです。

その後、縁あって畑付きの田舎家をゲット。現在は山中の古民家と里の家とを行き来する日々です。

安曇野に興味のある方、また古民家に暮らしたいと思っていらっしゃる方、よろしかったらお立ち寄りください。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
ブログランキング
ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします。
人気ブログランキングへ

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 古民家暮らしへ

にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 安曇野情報へ
本文検索キーワード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR