古民家は買った途端に資産価値がゼロになる!?

古民家に資産価値を求めるのは、土台、無理な話だと私たちは考えています。
バブル経済全盛期には、古民家が投機の対象になったこともあるようですが、それも瞬間的な椿事に終わりました。
今、古民家を買おうなんて人は“もの好き”、酔狂以外の何ものでもありません。
よく新築マンションは買った瞬間に中古物件となり、直後に売ろうとしても2割は値が下がると言われますが、古民家は買った途端に値段がゼロまで急降下すると思ったほうが無難です。
そもそも、売ろうにもおいそれとは買い手が付きません。我が家の前オーナーは、この家の売却(買い手は私たち)に何と10年もかかりました。
運良く買い手が見つかったとしても、購入時の半値で売れれば大ラッキー。数分の一か、下手すりゃ数十分の一の値段で手放すのがあたりまえの世界です。
古民家を買うという行為は、悪く言えば「金をドブに投げ捨てる」、麗しく言い換えるならば「先祖伝来の日本人の心を預かり、守る権利を手に入れる」ことだと思うのです。
私たちは、ご縁があって手に入れた我が家を“要介護のおじいちゃん”のような存在だと感じています。
寄る年波で家全体が傾いていますが、それはおじいちゃんが生きてきた証(あかし)。今後、さらに傾いたり、柱が脆くなったりしたら、骨粗鬆症だと思って骨を丈夫にする治療をします。
万一、シロアリに食われたら、新型インフルエンザに罹ったと思って投薬に踏み切ります。
でも、新建材やハイテクで甘やかすと寝たきりになってしまう恐れがあります。できるかぎり昔のまま、自然のままの状態で面倒を見て、基礎体力を維持してもらいます。
そうやって、おじいちゃんの“老いらく”とじっくり付き合っていきたいと思っている今日この頃です。



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