見た目がコワくて中身も危ない。山野草界の究極のヒールか?
庭の外れの木陰に、赤いツブツブ状の実をつけた植物が2本、すっくと屹立しています。
大粒のトウモロコシのようにも見えますが、異様につややかで毒々しさが際立っています。
これ、マムシグサの実です。春にはこんな姿をしていました。
蛇が鎌首をもたげたような恐ろしげな形の花が終わると、そこに粒状の実ができます。
見るからにアブなさそうな雰囲気が漂っていますが、実際マムシグサの実には猛毒があり、うっかり口にすると口腔内が焼けただれたように炎症を起こし、唇がパンパンに腫れ上がるというから大変です。
さらに恐ろしいのが球根で、汁に触れただけで皮膚炎が生じ、誤って食べると下痢や嘔吐、心臓麻痺を起こして急死の恐れもあるそうです。
見た目がコワくて中身も危ない--申し分のない悪役ぶりで、私たちも一目置かざるを得ない山野草です。