元祖キウイフルーツ=サルナシは、やっぱりうまかった
11年前、安曇野のJA直売所にサルナシの実が透明パックに入って並んでいました。
長さ2~3センチほどの青々とした実です。一盛り250円。
試しに買って帰り、よく水洗いして1つ、食べてみると超おいしいではないの!
ブドウとキウイフルーツを足して二で割ったような芳醇な甘み・酸っぱみがします。種はなく(というか、後でわかったのですが種は極小で)、口の中にとろけるように広がります。
写真は、実をナイフで2つに切った断面。
ご覧のとおり、これってキウイフルーツそのものですよね。
調べてみたら、サルナシとは「猿梨」のことで、本州中部以南の標高600メートル以上に自生する蔓性の植物でした。きっとおサルさんがモグモグと好んで食べるのを見て、この名が付けられたのでしょう。
驚いたことには、中国南部に産する近隣種の「シナサルナシ」が流れ流れてニュージランドに到達し、キウイフルーツになったというのです。なるほど、味も実の断面もそっくりなわけです。
さるなしの蔓は吊り橋の材料になるぐらい丈夫だそうで、挿し木してどんどん増えるのだとか。
これはぜひ我が家にも…と苗を買い求め、翌年、古民家のイチイの生け垣の足元に1本、植えました。
それから10年。イチイのてっぺん近くまで伸びた蔓のあちこちに、今、小さな青い実が鈴なりになっています。
熟しているものをいくつか摘み取り、薄皮を剝いて口に含むとやっぱりうまい! 極甘の“キウイ/グレープ味”です。
近所を徘徊するおサルたちに食べられちゃう前に残らず収穫して、元祖キウイフルーツの味を堪能しようと思います。