こんなところに昭和の食堂が!入笠山(にゅうかさやま)の山彦荘がスゴイ
秋の高山植物を愛でに出かけた富士見町の入笠湿原(にゅうかさしつげん)で、昼下がり、お腹がグウと鳴り出しました。
標高1700メートル超の山中です。レストランなんてありゃしません。
コンビニでおにぎりを買ってくるんだった、と今さら後悔しましたが後の祭り。あたりを見回すと、お、木立の向こうに店らしき建物が。
湿原の淵にポツンと一軒建っています。山彦荘という年季の入った山小屋でした。
入笠山(にゅうかさやま)に登る人のための宿のようですが、ありがたいことに食堂の前に「営業中」の立て看板が。
選択の余地なしで、まっしぐらに入店しました。
入ってびっくり。そこは昭和40年代のニオイがプンプンする、とんでもなくレトロな空間だったのです。
ペナッペナの合板テーブルの脚はスチール製です。椅子も大昔のそば屋かラーメン屋にあったようなチープなやつ。
箸入れやつま楊枝入れまで古風です。
壁に貼ったお品書きの短冊が手書きじゃないのと、テーブルの真中にコロナ対策のアクリル板が立っている点を除けば、50年前の大衆食堂の風情が濃厚に漂っています。
「いらっしゃいませ。お好きな席にどうぞ」
主人らしきおじいさんが調理場から出てきて、ていねいにお辞儀をします。
メニューを見ると、
観光地にしては安めの設定かな、と思っていたら、
「割引券使えますよ。300円引きになります」
こちらの心を読んだかのように、おじいさんが合いの手を入れました。
割引券というのは、ゴンドラのチケット売り場で渡された富士見町発行の周遊割引券のこと。ならば、とチケットを渡して,
「山菜ラーメンください」
「はい、山菜ラーメン500円ね」
値上げに喘ぐ世間から完全に隔絶した“昭和のお値段”になりました。
客は私たちだけ。待たずに出てきたのが、こちらのどんぶりです。
聞けば山菜は、どれもご主人が近くで採ってきたものだとか。名前はわかりませんが、ツルツル、ヌルヌルした食感がたまらないキノコが何種類も入っています。
2枚重ねのチャーシューも自家製で、和風だしの典型的な東京ラーメンでした。昭和的なうまさと言いましょうか、いたずらに主張しないバランスの取れた味です。
値段といい、店の雰囲気といい、ほぼ完璧に50年前にタイムスリップして食べる山頂の東京ラーメン。
ちょっと頭がクラクラするような体験でした。
家に帰って「山彦荘」をググってみたら、手作り感溢れるホームページが見つかりました。
トップページからしてアクセスカウンター!付き。いやぁ何ともWEB1.0なサイトですが、定期的にきちんと更新されているのはご立派。
スクロールするうちに、山菜ラーメンの味と香りがページから漂って来るようでした。
ディープな昭和の東京ラーメンを食べたくなったら、ぜひ山彦荘の食堂へ。ちょっと遠いですけど。
標高1700メートル超の山中です。レストランなんてありゃしません。
コンビニでおにぎりを買ってくるんだった、と今さら後悔しましたが後の祭り。あたりを見回すと、お、木立の向こうに店らしき建物が。
湿原の淵にポツンと一軒建っています。山彦荘という年季の入った山小屋でした。
入笠山(にゅうかさやま)に登る人のための宿のようですが、ありがたいことに食堂の前に「営業中」の立て看板が。
選択の余地なしで、まっしぐらに入店しました。
入ってびっくり。そこは昭和40年代のニオイがプンプンする、とんでもなくレトロな空間だったのです。
ペナッペナの合板テーブルの脚はスチール製です。椅子も大昔のそば屋かラーメン屋にあったようなチープなやつ。
箸入れやつま楊枝入れまで古風です。
壁に貼ったお品書きの短冊が手書きじゃないのと、テーブルの真中にコロナ対策のアクリル板が立っている点を除けば、50年前の大衆食堂の風情が濃厚に漂っています。
「いらっしゃいませ。お好きな席にどうぞ」
主人らしきおじいさんが調理場から出てきて、ていねいにお辞儀をします。
メニューを見ると、
もりそば(冷) 700
山菜そば 800
山菜うどん 800
山菜ラーメン 800
観光地にしては安めの設定かな、と思っていたら、
「割引券使えますよ。300円引きになります」
こちらの心を読んだかのように、おじいさんが合いの手を入れました。
割引券というのは、ゴンドラのチケット売り場で渡された富士見町発行の周遊割引券のこと。ならば、とチケットを渡して,
「山菜ラーメンください」
「はい、山菜ラーメン500円ね」
値上げに喘ぐ世間から完全に隔絶した“昭和のお値段”になりました。
客は私たちだけ。待たずに出てきたのが、こちらのどんぶりです。
聞けば山菜は、どれもご主人が近くで採ってきたものだとか。名前はわかりませんが、ツルツル、ヌルヌルした食感がたまらないキノコが何種類も入っています。
2枚重ねのチャーシューも自家製で、和風だしの典型的な東京ラーメンでした。昭和的なうまさと言いましょうか、いたずらに主張しないバランスの取れた味です。
値段といい、店の雰囲気といい、ほぼ完璧に50年前にタイムスリップして食べる山頂の東京ラーメン。
ちょっと頭がクラクラするような体験でした。
家に帰って「山彦荘」をググってみたら、手作り感溢れるホームページが見つかりました。
トップページからしてアクセスカウンター!付き。いやぁ何ともWEB1.0なサイトですが、定期的にきちんと更新されているのはご立派。
スクロールするうちに、山菜ラーメンの味と香りがページから漂って来るようでした。
ディープな昭和の東京ラーメンを食べたくなったら、ぜひ山彦荘の食堂へ。ちょっと遠いですけど。