ジャコウアゲハが羽化しました
家族が愛蝶家の友人から頂いてきたジャコウアゲハの幼虫です。プラスチックの小さな飼育ケースに入れて、餌になるウマノスズクサをたっぷり与えました。
ウマノスズクサというのはスペードのエースの形をした葉が特徴の多年草で、半日陰の道端に生えています。
以前は生薬として用いられていたようですが、毒があるため無用の雑草扱いされてしまい、今では長野県のレッドデータブックで絶滅危惧Ⅱ類に分類されるほど数を減らしています。
ジャコウアゲハの幼虫は、この絶滅危惧草をひたすら食べ続けます。ウマノスズクサしか食べないそうです。そして着々と体内に毒を貯め込んでいきます。
万一、天敵に食べられてしまうとその毒が相手の体に回り、中毒を起こします。天敵はそれに懲りて、以後、ジャコウアゲハに手を出さなくなる...という良くできた防衛システムを持っているんですね。
我が家にやってきたジャコウアゲハの幼虫も、驚くほどたくさんのウマノスズクサをもりもり食べ続け、何回か脱皮を繰り返しました。
1ヶ月ほど経つと、小さな巻き貝のような蛹になって飼育ケースの側面にペタリ。
数日後の朝、黒い体に薄黄色の斑点の蝶に羽化していました。
ジャコウアゲハという名称は、オスの腹にある腺から麝香(じゃこう)のようなニオイが放出されることに由来するそうですが、残念ながらこちらはメス。良い香りはしません。
パタパタと羽ばたき始めたので庭に放してやることにしました。
頂いたウマノスズクサの苗をバラの陰に植えて放蝶の準備を整え、ケースの上蓋を開けると、バラの枝にひらりと舞って止まりました。
卵を産みにここへ戻ってきてくれると嬉しいんですが。