雑草と呼ぶなかれ。クサノオウは危険な立ち姿
ゴールデンウイークの後半、柿の木の足元に黄色の鮮やかな花が群生して咲き始めました。
スッと直立した茎のてっぺんに、ピンと張った山吹色の花弁が4枚、水平近くまで開いています。
地面から50~80センチぐらいの位置に揃って咲くので、遠くからでも目に付きます。
黄緑色をした雌しべの軸がニョロリと曲がって突き出しているのが、少し変わった感じです。
雑草にしては印象が強いのでスマホで撮影して画像検索してみたら、クサノオウという野草でした。
開花期が5~7月と長く、その間、咲き続けるそうです。入梅した現在も、黄色い花を絶やしません。
葉や茎を傷つけると黄色の乳液が滲み出してきます。
じつはこの汁の中に有毒なアルカイド成分が含まれていて、触ると皮膚炎を起こしたり、誤って口にすると呼吸が麻痺して昏睡状態に陥ったりするんだとか。
立派な毒草ですが、古くから漢方の材料として水虫薬、外傷薬、消炎剤、鎮痛剤に用いられてきたようです。
名前の由来は、傷つけると黄色の乳汁を出すので「草の黃(くさのおう)」とも、薬草の王様だから「草の王(くさのおう)」だとも。
古来、強烈な成分をもつ野草として知られていたのでしょう。
クサノオウはケシ科の仲間で、毒成分のケリドニンにはケシから採取されるモルヒネに似た中枢神経抑制作用があるんだとか。
ちょっと物騒な植物ではありますが、きれいに咲いているので刈払機の歯が当たらないように守ってやろうと思います。