ウクライナで活躍中のアレが、安曇野の畑で農薬と肥料を撒いていた!
犬を連れて畑の真ん中の一本道を歩いていたら、空の低いところに小さな黒いものが浮かんでいました。
風が無い穏やかな晴天です。ちょうど逆光になってしまって黒いシルエットにしか見えませんが、鳥にしては動きが遅い気がしました。
何だろうかなぁ?...目を細めて眺めていたら、地上3メートルぐらいの高さをツツツと横移動したかと見る間に、やおら霧のような白いガスを畑に向かって撒き始めました。
ドローンでした。
じつは私たちもオモチャのドローンは持っていて、時々、畑の上を飛ばしたりして遊んでいますが、農業用のプロ仕様のドローンを見るのはこれが初めて。
ほとんど無音で空中を横滑りしていきます。
気がつくと、かたわらを30代の男性がコントローラーを持ってゆっくり歩いていきました。
ドローンは平行四辺形のややイレギュラーな形をした畑の上を行きつ戻りつして満遍なく霧を撒き、やがて路肩に静かに着地しました。
「カッコいいですね!写真撮ってもいいですか?」
思わず犬のリードを家族に預けて男性に走り寄ると、
「どうぞどうぞ」
コントローラーを本体の脇に並べてくれました。
「何を撒いていたんですか?」
「殺虫剤と、葉っぱから吸収される肥料を混ぜた液ですよ」
「一遍に撒けちゃうんですか?」
「そうなんです。手間が省けて助かります」
見ればこのドローン、4本のステイが外に向かってYの字に枝分かれしていて、それぞれの先にプロペラが1つずつ付いています。合計8個のプロペラで飛ぶんですね。
全長は1.5メートルぐらい。高さは60センチあまり。ボディのお腹の下にタンクが付いていて、そこに入れた薬剤や肥料を地面に向かって吹き出す仕組みになっています。
コントローラーの画面には(光が当たって写真ではわかりませんが)、航跡というんでしょうか、今まで飛行したコースが一筆書きの線で残っていました。
「失礼ですけど、レンタルですか?」
「いえ、買いました」
「高いんでしょうねぇ」
「新品で買った当時は240万円ぐらいしましたけど、後継機種が出たんで今は随分安くなって140万円ぐらいですよ」
「うわっ!軽自動車が買えちゃいますね!」
「ええ、ちょうどそんなもんですかね」
う~む、果たして元が取れるのか老婆心ながら心配になりますが、最先端のハイテク農具を見せていただき感激しきりでした。
家に帰って調べてみたら、どうやらDJIという中国メーカーの「AGRAS MG-1」という農業用ドローンらしく、同社のサイトには、
と紹介されていました。
じつはこのDJI社製の民生用ドローン、全世界のシェアのじつに7割を占める業界のデファクト・スタンダードだそうです。
2015年にホワイトハウスに侵入したのも、同じ年、日本の首相官邸に墜落したのもDJI社製のドローン。
そして現在、ウクライナ軍が市民所有の民生用ドローンを活用してロシア軍の動きを偵察し防御に役立てていますが、その大半もDJI社製と言われています(最近になってウクライナ政府は、防衛上の懸念からDJI製ドローンの利用中止勧告を出しましたが)。
地球の反対側では市民の抵抗のツール。同じものがここ安曇野では畑の農薬・肥料の散布マシーンです。
もちろん、こっちのほうが本来の使い方なんですが…
ウクライナの肥沃な小麦畑に、このドローンが肥料を撒く日が一刻も早く訪れますように。そう願わずにいられません。
風が無い穏やかな晴天です。ちょうど逆光になってしまって黒いシルエットにしか見えませんが、鳥にしては動きが遅い気がしました。
何だろうかなぁ?...目を細めて眺めていたら、地上3メートルぐらいの高さをツツツと横移動したかと見る間に、やおら霧のような白いガスを畑に向かって撒き始めました。
ドローンでした。
じつは私たちもオモチャのドローンは持っていて、時々、畑の上を飛ばしたりして遊んでいますが、農業用のプロ仕様のドローンを見るのはこれが初めて。
ほとんど無音で空中を横滑りしていきます。
気がつくと、かたわらを30代の男性がコントローラーを持ってゆっくり歩いていきました。
ドローンは平行四辺形のややイレギュラーな形をした畑の上を行きつ戻りつして満遍なく霧を撒き、やがて路肩に静かに着地しました。
「カッコいいですね!写真撮ってもいいですか?」
思わず犬のリードを家族に預けて男性に走り寄ると、
「どうぞどうぞ」
コントローラーを本体の脇に並べてくれました。
「何を撒いていたんですか?」
「殺虫剤と、葉っぱから吸収される肥料を混ぜた液ですよ」
「一遍に撒けちゃうんですか?」
「そうなんです。手間が省けて助かります」
見ればこのドローン、4本のステイが外に向かってYの字に枝分かれしていて、それぞれの先にプロペラが1つずつ付いています。合計8個のプロペラで飛ぶんですね。
全長は1.5メートルぐらい。高さは60センチあまり。ボディのお腹の下にタンクが付いていて、そこに入れた薬剤や肥料を地面に向かって吹き出す仕組みになっています。
コントローラーの画面には(光が当たって写真ではわかりませんが)、航跡というんでしょうか、今まで飛行したコースが一筆書きの線で残っていました。
「失礼ですけど、レンタルですか?」
「いえ、買いました」
「高いんでしょうねぇ」
「新品で買った当時は240万円ぐらいしましたけど、後継機種が出たんで今は随分安くなって140万円ぐらいですよ」
「うわっ!軽自動車が買えちゃいますね!」
「ええ、ちょうどそんなもんですかね」
う~む、果たして元が取れるのか老婆心ながら心配になりますが、最先端のハイテク農具を見せていただき感激しきりでした。
家に帰って調べてみたら、どうやらDJIという中国メーカーの「AGRAS MG-1」という農業用ドローンらしく、同社のサイトには、
液体の農薬、肥料および除草剤の様々な散布を高精度に適正な割合で
おこなうために設計されたオクトコプター
と紹介されていました。
じつはこのDJI社製の民生用ドローン、全世界のシェアのじつに7割を占める業界のデファクト・スタンダードだそうです。
2015年にホワイトハウスに侵入したのも、同じ年、日本の首相官邸に墜落したのもDJI社製のドローン。
そして現在、ウクライナ軍が市民所有の民生用ドローンを活用してロシア軍の動きを偵察し防御に役立てていますが、その大半もDJI社製と言われています(最近になってウクライナ政府は、防衛上の懸念からDJI製ドローンの利用中止勧告を出しましたが)。
地球の反対側では市民の抵抗のツール。同じものがここ安曇野では畑の農薬・肥料の散布マシーンです。
もちろん、こっちのほうが本来の使い方なんですが…
ウクライナの肥沃な小麦畑に、このドローンが肥料を撒く日が一刻も早く訪れますように。そう願わずにいられません。