庭に怪しいキノコがニョキニョキ。もしや高級食材?
毎年5月になると、庭の半日陰になっている地面にヘンテコなキノコが生えてきます。
全体にシメジ色をしていて頭でっかち。脳ミソかトリッパ(ハチノス)のような傘が結構グロテスクです。
我が家では「脳ミソ毒キノコ」と呼んで、見つけると踏み潰していたのですが、ある日、家族が「アミガサタケという高級食材のキノコに似ている気がする」と言い出しました。
えっ、高級食材? いやいや、まさかね。おいしいキノコには必ずそっくりな毒キノコがあるって言うじゃないの。ニセモノだよ、ニセモノ...
そんな議論を交わしていましたが一向に埒が明かないので、写真に撮って山野草に詳しい地元の知り合いに送ってみると...
「アミガサタケよ、これは! 中が中空になっているでしょ」
たしかに空洞です。傘の内部が空洞なのがホンモノの証拠なんだそうです。
少しマジになって調べてみたら、アミガサタケはヨーロッパでは美味で香り高い高級食材として珍重されているんだとか。
フランス語ではモレル、イタリア語でモルケッタ、英語ではモリーユ。フレンチやイタリアンに欠かせない食材だそうです。
ちなみに楽天でチェックすると、乾燥したアミガサダケが500グラム3万2400円!で販売されていました。
たった500グラムで3万円超とは!「脳ミソ毒キノコ」どころか脳ミソ爆発モンの高級品じゃないの!!
翌朝、知人二人がやってきて針葉樹の足元に生えたアミガサダケ?をウキウキと摘んでいきました。
私たちも少し採取しましたが、やっぱり中毒が怖くてザルに盛ったまましばらく台所に放置。
昼過ぎに知人の一人から「お昼に食べた!」と連絡が入り、毒見完了ということでようやく食指が動いた次第です。
ただこのアミガサダケ、やはり多少の毒があるようで生食は禁物。レシピ本には「10分間しっかり茹でるように」と書いてあります。
そこでグラグラ煮え立った熱湯で10分強、茹でてからクリーム仕立てのパスタの具にしてみました。
おっかなびっくり口に運ぶと...ふうむ、しっかり噛みごたえがあってキノコっぽくありません。非常に柔らかな牛肉のような食感です。
香りについては、じつはあまり感じませんでした。おいしいと言えばおいしいかな、という感じ。珍味の部類でしょうか。