栗のイガを着火剤にしてみた
この時期、朝一番にすることと言ったら、冷え切った薪ストーブに火を付ける作業です。その際、必要になるのが点火剤。我が家ではこれまでずっと市販のバーベキュー用着火剤を使ってきました。
チューブからジェル状の透明な中身を木っ端の表面に3センチほど絞り出し、ライターで火を点けます。
青白い炎がボワッと立つので乾いた栗の小枝をその上にパラパラと撒くと、火が移ってじきに薪に点火できるほどの火勢になります。
1日最低1回は火を熾すので、着火剤もそれなりに消費します。ムダとは言いませんが、ストーブを使うたびにチューブの中身が減っていくのは何だかもったいない気がしていました。
しかもです。よく考えてみれば着火剤の原材料は石油由来。地球環境にやさしいはずの薪ストーブが、使うたびに化石燃料に頼るというのはちょっといかがなものか、と思うようになりました。
タダで手に入って環境に悪くない燃料は無いものかな?...と庭を探し回るうちに、ふと栗の木の下に散らばっているイガが目に止まりました。
そういえば松ボックリは天然の点火剤として有名です。栗のイガも細い針に火が燃え移れば、それなりに火力が出るんじゃないでしょうか。
ものは試し。軍手をしてバケツに一杯、乾いたイガを拾い集めました。
薪ストーブの炉内に2個並べ、ライターで点火すると...おお!いきなりメラメラと炎が上がるじゃありませんか!
数秒もしないうちに2個のイガは真っ赤な火の玉に。チクチク痛いあの針の先端から付け根に向かって、小さな炎の塊がねずみ花火のように高速に走り下ります。
およそ5分に渡って激しく燃焼し、あっという間に黒い炭の塊と化しました。火力も十分です。
いやぁ、灯台下暗しでした。この冬からは石油製品からイガイガ着火剤に転換することにします。