安いワインもこだわって販売。山辺ワイナリー
安曇野からクルマで南東に40分あまり走った山間に「山辺ワイナリー」という小ぢんまりしたワインの醸造所があります。
一帯はちょうど美ヶ原高原の麓にあたる場所で、標高600~850メートル。安曇野同様、昼夜の寒暖差が大きく、また日照時間が長いためブドウの生育に絶好の条件を満たしています。
明治時代初期からブドウ栽培が始まり、ナイヤガラ、デラウェア、巨峰などの産地として知られています。
そんなブドウの里で地元産だけを使い、輸入したバルクワインやマスト(濃縮果汁)を一切、混ぜずにワインを醸造しているのが、こちらの「山辺ワイナリー」です。
先日、たまたま前を通りかかったので、お邪魔してみました。
店内に陳列されているのは1000円台~3000円台の商品が中心。どちらかといえば大衆的な価格帯にフォーカスしているようです。
ショップからガラス窓越しに、天井まで樽を積み上げた樽室を覗けるようになっています。
整然とボトルの並んだ店内はブドウの甘い香りがうっすらと漂い、ワイン好きにはこたえらえない空気感を醸し出しています。
目の前のラックにずらり並んでいるのは、白ワインのナイヤガラ。税込み1350円の廉価ワインですが、甘口、辛口それぞれ醸造年ごとに分けてあり、パネルでていねいに味と香りを説明しています。
辛口だけでも、2015年~2019年まで年ごとに詳細な解説が付いています。たとえばこんな具合です--
2015 ナイヤガラ 辛口
清涼感ある優しいナイヤガラの果実香に、ほのかに採れたてのメロンを思わせる香りが感じられます。
\1,350(税込み)
スッキリとした酸味とみずみずしい味わいをお楽しみください。
華やかさ:2.0点
酸味 :5.0点
熟成度 :2.0点
甘み :1.5点
おすすめワインのお供
・山賊焼き
・円揚げ
・お漬物
・鶏ムネ、皮の塩焼き鳥
2016 ナイヤガラ 辛口
\1,350(税込み)
メロンや洋ナシ、熟したリンゴ、バナナなど食べごろの果実の甘い香りと、そこに炭酸水を入れたような爽やかな香りが感じられます。
心地よい酸味とほろ苦さがじんわりと口の中に広がるワインです。
華やかさ:1.5点
酸味 :4.0点
熟成度 :4.0点
甘み :1.5点
おすすめワインのお供
・クラムチャウダー
・焼きカキ
・シチュー
・ホワイトソースを使ったお料理
1年違いで随分性質が違うんですね。安いワインだからといって商品説明に手を抜かないワイナリーの心意気を感じました。
飲み比べも面白そうかな、と思って2015、2016年のナイヤガラを1本ずつ購入。自宅に戻って早速、テイスティングしてみました。
結果は...山辺ワイナリーさん、ごめんなさい。私たちの鈍重な味覚・嗅覚ではそこまでの違いがわかりませんでした。
山辺ワイナリー