福寿草の群生地で春を見つけました
安曇野に春の到来を告げる福寿草。その群生地が近所にあると聞いて出かけてみました。
向かった先は安曇野のお隣、松本市郊外の四賀(しが)地区。平成の大合併以前は四賀村と呼ばれていた山間の里です。
安曇野からクルマで30分ほど走ると、丘と丘の間を削るようにして川が流れる独特の地形が見えてきます。
じつはこの川、流域に古代の化石が多数見つかっている“発掘のメッカ”で、保福寺川と言います。
川の両側には河岸段丘が発達していて、その崖の一部を利用して作られたのが「赤怒田福寿草公園(あかぬたふくじゅそうこうえん)」です。
崖の下の駐車場にクルマを乗り捨て、縄を張った公園の入口に向かいました。
崖の下からてっぺんを巡って戻る一周2500歩ほどの遊歩道が付いています。ウッドチップが敷かれた遊歩道を少し歩いて崖を振り仰ぐと、法面のあちこちに福寿草が花開いていました。
その数、50万株…と書くと、いかにも崖全体が黄色い花で埋め尽くされているかのようですが、さにあらず。福寿草は茶色の枯れ葉に覆われた斜面に、数輪ずつ、ほどよい間隔を置いて、かなり控えめに咲いているのでした。
疎でもなければ密でもない、微妙な距離感で群れを形成しているんですね。いかにも山野草らしい地味な姿が印象的でした。
河岸段丘を上ると、崖の縁に沿って福寿草が点々と生え広がっていました。花々の向こうには、木立を通して北アルプスの稜線が見え隠れします。
空気が冷たく、本格的な春の訪れはまだ先ですが、あと一息でストーブともお別れかと思うと何だかウキウキしてきました。
<赤怒田福寿草公園(あかぬたふくじゅそうこうえん)>