食べても食べても減らない渋柿。最後の手段で「熟し柿」に。
十数本ある我が家の柿の木に、今年も獲りきれないほどたくさんの実がなっています。
残念ながらたった1本を除いてみんな渋柿なんですね。そのままでは生食できません。
そこでせっせと皮を剥き、紐に吊るして干し柿にしたり、焼酎に浸してビニール袋に密封し、渋抜きをしたりと手間暇かけて食用に加工しています。
面倒な作業ではありますが、出来上がった“元・渋柿”は正直なところ甘柿より糖度が高く、旨味というんでしょうか、味に深みが増してとてもおいしくなります。
ただ、樹上には手付かずの実がまだ山のように残っています。
放っておくと、ご覧のように野鳥に食べ尽くされてしまいます。
せっかくの果実、もっとお手軽に渋抜きして食べられないものか…と頭を悩ましていたら、ふと、古民家のお隣のおじいさん(享年90歳)が、渋柿を枝ごと刈って軒下に吊るしていたのを思い出しました。
「こうして放っておくのさ。冬になって中の実がぷよぷよしてきたら、食べ頃だよ。とろ~りジャムみたいで、そりゃうまい」
おじいさんはそう教えてくれました。
そうです、熟し柿です。皮を剥いて、とろとろにとろけた実をスプーンで掬(すく)って食べるんですね。
一見、腐っちゃったみたいにグズグズになりますが、その甘味なこと干し柿の比ではありません。
思い出してよかった! さっそく、まだ野鳥についばまれていない実を選んで小枝ごと収穫。薪置き場の屋根の下に紐で吊るしました。
鳥たちは上から見下ろして柿の実を探すので、屋根の下なら安全なんですね。
これで長い冬のおやつができました。