意識高い系だけど本格的においしい「そば処 上條(かみじょう)」
安曇野・穂高に「そば処 上條(かみじょう)」という店があります。
「洋館風のレストランみたいな構えだけど、じつはおいしい蕎麦屋さんだよ」
知り合いからそんな噂を聞いて、週末の昼下がりに寄ってみました。
なるほど。蕎麦屋というよりはフレンチな雰囲気が漂っています。
テーブル1脚おきに客を入れ、ソーシャルディスタンスにも万全の配慮です。
私たちは回りから少し離れた大きなテーブルに通されました。
さっそくメニューを拝見。もり800円、ざる830円。くるみそば900円。
専門店らしい標準的なお値段かな、と思いその先をたどっていくと、モノクロのイラスト付きでスペシャルメニューが紹介されていました。
イラストの吹き出しによると「10種類の具」は、
ネギ、青野菜、温泉卵、ごま、そば焼きみそ、のり、エビ、揚げたそば殻、大根おろしわさび、鴨のくんせい
だそうです。お得感満載ではありませんか。家族全員、右へならえで「天恵そば」を注文しました。
ややあってお盆に載って出てきたのが、こちら。
左下に写っているのは「地元の地下水に浸した水そば」とのことです。
「何もつけずにそのままお召し上がりください」
と言われました。
お店のすすめるまま、箸でつまんでツルツルと食してみると…「う~む、おいしい!」と言いたいところですが、如何せんそばつゆが無いので口寂しさを禁じ得ません。
お店としては、そばの茹で加減とコシ、風味、かすかな香りを味わってから、メインディッシュである「天恵そば」へ箸を進めてほしいという意図なのでしょうが、無粋な私たちには過分なサービス?だったかもしれません。
「ちょっと意識高い系だね」「いや、これはお店のフィロソフィーなんだからさ」
などと顔を寄せ合ってヒソヒソ話をする私たち。ですが、天恵そばをいただいてみると、
「う、うまい!」
一転、思わず口々にそう叫ばざるを得ないインパクトなのでした。
コシのある信州蕎麦の食感はもちろん、バラエティに富んだ具の味付けが巧みです。
特にプリプリした「鴨のくんせい」と、味噌にそば粉を練り込んで軽く炙った?らしい「そば焼きみそ」が美味。
「そば焼きみそ」はこれ単体でお土産に持ち帰り、日本酒の肴にできたらね、と家族でヒソヒソ褒め合うほどの逸品でした。
正直、これだけ楽しめて1200円はお安いと思います。みなさんもぜひ、お試しください。