運搬用クローラを買っちゃいました
畑仕事や薪運びに欠かせないのが小型の手押し車。我が家ではネコと呼ばれる一輪車や、それより大型の二輪車を使ってきました。
ただ、畑は土がふかふかな上に意外に凸凹があって、少し荷物を積んだだけで前輪が地面に埋まって立ち往生することが、ままあるんですね。
しかも安曇野は扇状地。我が家の場合、少し畑を掘ると石が出てきます。定期的にそれを手押し車に積んで畑の外へ運び出すんですが、途中、必ずといっていいほどスタックしてしまいます。
柔らかい地面にタイヤが取られるのは仕方がないとして、では何か別の手立てはないものかな?…と考えているうちに思い出したのが戦車です。
戦車はキャタピラーを回転させて、どんな悪路というか道なき道でもズンズン前進します。
そうだ、究極の解決策はキャタピラーなんだ!…そう気づいてググッているうちに、見つけました。「運搬用クローラ」なる農機具を。
じつはキャタピラーというのは米国キャタピラー社の商標で、あのベルト状の帯の普通名称は「クローラ」なんだそうです。クローラ、または音引きしてクローラー。
最近、ITの世界ではGoogleなんかがネット上の情報を根こそぎ集めてきてデータ化することを「クローラ」と呼びますが(そして語源はともに英語の「crawler」ですが)、私たちが必要としているのは泥臭いほうのクローラです。
手押しの耕運機にキャタピラーを取り付けたような、ちょっとマヌケなスタイル。荷台に歩けなくなった老犬を載せたら、そのままイヌ用の電動車椅子になりそうな格好です。
動力は小さな空冷エンジンで、耐荷重は200キロ~と書いてありました。
欲しい!と思ったのですが、お値段が20万円前後もするので新品は諦め、中古を探すことにしました。
でも、近所の農具屋さん数軒に聞いて回ってびっくり。この手の商品は人気が高くて、仕入れたそばから売れていくんだそうです。
「だって農家は年寄りばっかりでしょ。これがあると助かるんだよ」
なるほどねぇ。どの店にも在庫はなく、入荷も未定だと言われてしまいました。
仕方ない。かくなる上は新品を買うか。そう腹を括って向かった先は、地元のヤンマー販売店。
そう、「♪ぼくの名前はヤン坊/ぼくの名前はマー坊/二人あわせてヤンマーだ/きみとぼくとでヤンマーだ」の懐かしい歌でおなじみ?のヤンマーです。
まさかこの歳になって「農家の機械はみなヤンマー」のヤンマーさんのお世話になるとは思いませんでした。
ヤンマーの販売店は、スズキやダイハツのディーラー並みの立派なショールームです。
ただスズキやダイハツと違うのは、置いてあるのが大型トラクターや、妙なブラシみたいなものがいっぱい付いた得体の知れない農機具だという点。
いかにも農機具のディーラーにいそうな皺だらけのオジサンに案内されてショールームの椅子に腰掛け、運搬用クローラのカタログを見せてもらいました。
ちなみに実車の展示はありません。オジサンに尋ねると、
「いや、需要はそれなりにあるんだけどね、今ここには置いてなくて(もごもご…)」
要は1台数百万円もするトラクターなんかに比べると単価が安過ぎて、展示する意味がないってことなんでしょう。
話を聞き、納得して下から二番目のモデル「ミニクローラ運搬車MC85」を注文しました。耐荷重250キロのスタンダート・モデルです。それなりにお値引きしてくれました。
1週間後、軽トラに積まれて届いたのがこちら。
思っていたより小さく、小回りが利きそうです。試乗?インプレッションは、いずれまた。