安曇野しだれ桜ツアー
山桜が咲き始めました。そろそろ桜が見頃のシーズンです。
ソメイヨシノより少し早く開花するのが、しだれ桜です。安曇野の観光ガイドには、桜の名所としてしだれ桜の大樹の在処(ありか)がいくつか紹介さています。
花曇りの天気が散歩にうってつけだったので、近隣のしだれ桜めぐりとしゃれ込みました。
最初に行ってみたのが、国営アルプスあづみの公園・堀金地区の駐車場脇にある「大しだれ桜」です。
樹齢不明の老木で、草原の真ん中にポツンと1本だけ屹立しています。
近くで見上げると七分咲きぐらいでしょうか。花の数がまだまばらで、枝の隙間から遠く雪を被った北アルプスの峰峰が見渡せます。
続いて、田多井(たたい)集落の墓地に植えられた2本のしだれ桜を見に行きました。
安曇野周辺を散歩していて気づくのは、見事なしだれ桜が植わっているところが、ほぼ墓地なんです。
それもそのはず、安曇野ではお盆や彼岸に土葬された故人が地下からしだれ桜の枝を伝って天上に登り、お盆が終わるとしだれ桜を目印にそれぞれの墓に帰っていく、と考えられていたのだそうです。
要は幽霊の通り道だったんですね。
道理で墓石を覆わんばかりに垂れているしだれ桜が、お化けっぽく見えるわけです。
こちらの墓所のしだれ桜も、見頃はこれから。お盆には青葉が茂って亡き人々も迷うことなく天界と寝床を往来できることでしょう。
最後に穂高の道祖神をピンク色に彩るしだれ桜を眺めに立ち寄りました。
先の2本の大木に比べると少し開花が進んでいるようで、間もなく花の盛りを迎える感じです。
観光スポットではありませんが、桜と道祖神がこぢんまりと調和を保っているのが可愛いらしく、私たちのお気に入りの場所です。
男神さまと女神さまも手に手を取り合って、にこやかに花を愛でているようでした。