雨樋が折れてしまいました

大風が吹き荒れた翌朝、表に出ると屋根から垂直に伸びていた雨樋(たて樋)がポッキリふたつに折れて地面に転がっていました。
茅葺きの家屋ですから、もともとこの家には雨樋なんか付いていませんでした。雨が降れば軒先から家の四方八方に直接、雨が流れ落ちるようになっていました。一部は茅に滲み込み、太陽が顔を出すと自然に蒸発していたのでしょう。
以前のオーナーさんが茅をトタン屋根で覆って以来、屋根を滑り落ちる雨の量がぐんと増えました。地面に玉砂利を敷く程度のことでは、とても雨の飛散を抑えることができず、樋を設けて雨水を排水溝へ誘導してやる必要が生じたのだと思います。
ところが、昔ながらのお百姓家ですから庇(ひさし)がとても深く、樋で集めた雨を地上へ流す“たて樋”をうまく固定する方法がありません。やむを得ず、庇の先端から無理矢理、塩ビの雨樋を垂直に垂らして4~5メートル下の地面まで引っ張ったようです。
“たて樋”は南側の庇に2箇所付いていましたが、そのうちのひとつが今回、強風で折れてしまったのでした。
支えもなく屋根から地面までヒョロヒョロと伸びている塩ビ管ですから、今まで折れなかったのが不思議なくらいです。

残った“たて樋”。
支えがないので、今にも折れそうです
ハシゴを掛けて直そうかなとも思いましたが、ひっくり返ると怪我をしそうなので断念。大工さんを呼んで修理してもらうことにしました。
古民家というのは、新しいもの(たとえば雨樋)をひとつ加えただけでバランスが崩れてしまう厄介な存在です。



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