建具がだんだんズレてくる…古民家のユル~い事情
納戸とリビングを仕切る中障子板戸(なかしょうじ いたど)が、突然、音もなく部屋の内側に倒れてきました。
杉の板でできた年代物の引き戸で、かなりの重さがあります。
幸い、手前に置いてある長持ち(ながもち)に寄りかかるようにして止まってくれたので、大事には至りませんでした。
じつはこの板戸、3年半前に建具屋さんにお願いして天地を少し削ってもらったんです。
寄る年波で滑りが悪くなり、開け閉てがとても困難な状態でした。
調べてもらったら、家の重みで長押(なげし=板戸を上から支える水平方向の材木)が少しずつ垂れ下がり、その下の鴨居(かもい)に戸の上框(うえがまち=上部の木枠)が食い込んでいたんですね。
その時は板戸の天地を削ってもらうことで、滑りが元に戻りました。
ところが2年もしないうちに、今度は鴨居と敷居の間隔が逆に開き始めたらしいのです。その結果、以前とはあべこべに板戸が外れやすくなってしまいました。
参ったなぁ、また建具屋さんを呼ばなくちゃ…と思っていた矢先、まるで催促でもするかのように板戸のほうから倒れてきた、というわけです。
優に築150年以上も経つ古民家ですから、建て付けが狂うのはむしろ当たり前。最近では、生き物みたいに伸び縮みする老獪なヤツ、と思って受け入れることにしています。