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モグラが三和土(たたき)に穴を開けちゃいました

 数日家を留守にして帰ってみると、土間の隅っこのほうに穴が開いていました。直径10センチほどの丸い穴で、周囲に掘り出したような土が散らかっています。

 ご近所の農家のおじさんに見てもらうと、

 「こりゃモグラだね。悪さされるといかんから、今のうちに塞いでおいたほうがいいよ」

 と言われました。

20110524-01.jpg
コイツです

 改めて我が家の土間の「三和土(たたき)」を眺めると、薄い黄色を帯びた粘土質の土を固めてあることがわかりました。こんな土、家のまわりには見当たりません。開いた穴を何で埋めればいいのか、ハタと困ってしまいました。

 で、調べてみました。

 そもそも「三和土(たたき)」とは、土と石灰とニガリの三種類の材料をブレンドして敷き詰め、棒で叩いて仕上げたところから名づけられたのだそうです。

 「三和土」という漢字は材質の由来を表わす当て字で、「たたき」という読みが製法を表わしています。

20110524-02.jpg
土と石灰とニガリを混ぜて叩いて固めるそうです

 福島県福島市で伝統的な日本家屋造りに取り組んでいらっしゃる三浦工匠店代表の三浦藤夫棟梁によれば、本来の“たたき仕上げ”はコンクリートを敷き詰めるよりも優れていて、何百年も長持ちするのだそうです。

 粘土に砂利、砂を加え、水を混ぜずに石灰と岩塩を入れてブレンド。その土を約30センチの厚さにして細い棒で丹念に突き固めるという作業が、本来の「三和土」なのだそうです。

 ところが、この伝統工法は忘れられてしまいました。材料の「本当の調合」が、最早わからないのだそうです。三和土造りの技(わざ)が大工の間で継承されることなく、廃れてしまったというのです。


 ■わずか数十年で、昔からの本物が出来なくなってきたことを考えると、古民家とは何と価値のある建物であるかが分かります。(三浦藤夫「私が考える古民家再生とは」

 モグラの穴ひとつ塞ぐのも大ごとです。


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プロフィール

あづみ

Author:あづみ


都会から安曇野の古民家に親子3人で移住しました。夏涼しく、冬は想像を絶する寒さですが、ハラを括って暮らせば何とかなるものです。

その後、縁あって畑付きの田舎家をゲット。現在は山中の古民家と里の家とを行き来する日々です。

安曇野に興味のある方、また古民家に暮らしたいと思っていらっしゃる方、よろしかったらお立ち寄りください。

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