コスプレイヤーは廃線系がお好き?
先週末、安曇野市の明科(あかしな)にある「旧国鉄篠ノ井線廃線敷遊歩道」へ紅葉狩りに出かけました。
廃線になった旧国鉄篠ノ井線の明科-西条間9.7キロの一部を、遊歩道として整備した遊歩道です。
ウォーキングコースとして開放されているのは、このうち明科駅から旧第二白坂トンネルまでの約6キロ。
明科駅から1000メートル進んで25メートル登る急勾配で(これを25パーミルと言うそうです)、蒸気機関車にとってはかなりきつい登坂線だったようですが、ウォーキングにはちょうどいいくらいの緩い上り坂です。
私たちは、明科駅側のスタート地点から登坂道を上り、Uターンして帰ってくるコースを歩きました。
あいにく今年はバカに気温が高い日が続いたせいか、まだ紅葉がそれほど進んでいません。来週、再来週あたりが見頃じゃないでしょうか。
それはともかく、このコース、週末の行楽日和でもそれほど混みません。というか、年がら年中ガラガラな感じです。
元々、鉄道が走っていた路面ですから、直線が基本でアップダウンもありません。そういう意味では、あまり面白みがないのかもしれません。
…などと考えながら一本道をしばらく行くと、おやおや?見慣れない格好の男女がトンネルの前後にたむろっているではないの!
3~8人ぐらいがあっちこっちに固まって、何やらヒソヒソ語り合っています。
なんと!コスプレイヤーのパーティでした。
近づくにつれ、アニメのキャラに扮した女の子やお公家さん風の格好の男の子が、カメラに向かって思い思いにポーズを取ったりしています。
「すみませんねぇ。コスプレのイベントやってるんです。全国から集まってきてるんですよ。どうぞ、こちらをお通りください」
カメラを抱えた小太りのオジサン(この方はコスプレイヤーではなく、フォトグラファーらしい)が、私たちに気づいて道を空けてくれました。
なかなか礼儀正しい人たちみたいです。
漆久保(うるしくぼ)トンネルという、明治時代に煉瓦を積み上げて造られた馬蹄形のトンネルの中で撮影していたグループに、
「あのぉ、撮らせていただいてもいいですかぁ?」
とお願いすると、
「あ、どうぞ、どうぞ」
すぐにポーズを決めてくれました。なかなか気さくなコスプレイヤーさんです。
ちなみに、この方が扮しているのは人気マンガ&アニメ「鬼滅の刃(きめつのやいば)」の登場人物…なんだそうです(家族が申しておりました)。
気が付けば、周りはすべてコスプレイヤーと、コスプレイヤーに影のように付きまとう黒づくめのフォトグラファー。優に100人以上はいるでしょうか。
<自分たち以外全部コスプレ>という滅多にない状況です。
行けども行けども、すれ違うのはことごとくコスプレイヤー。なんだかウォーキングシューズを履いてウィンドウブレーカーを着用している私たちのほうが<普通じゃないんじゃないか>というミョ~な感覚に襲われました。
でも、よくよく考えてみれば、これだけ自然に恵まれながら行楽客のほとんど来ない場所というのは、そうそうありません。
異形のコスプレイヤーたちが伸び伸びと撮ったり撮られたりするのには絶好の条件が揃っています。
しかもこの遊歩道は旧篠ノ井線の廃線跡に造られていますから、国鉄時代の踏み切りやら見張り台など、ちょっと風変わりな遺構が点在しているんです。
インスタ映えという点でも最高のスポットなんですね。
さすが廃線系コスプレイヤー、目の付け所が違いますね!
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