ビア缶チキンをご存じですか?
中を抜いた丸鶏肉のお尻に、中身を半分開けたビール缶を差し込んで立て、フタ付きのグリルで
丸焼きにする料理です。
去年、バーベキューパーティーに招かれて初めて体験しました。
炭火の上にチキンが腰掛けたような状態で焼き上がるという、ちょっと可哀想なビジュアルに最初は二の足を踏んだのですが、切り分けてもらった肉を一口頬張った瞬間、あまりのうまさにのけぞりました。
以来、機会があれば自分でも調理してみたいと思っていたところ、近所のスーパーに
ブラジル産の冷凍の丸鶏(税抜597円)が並んでいました。
蔘鶏湯(サンゲタン)にするのにちょうどよいぐらいの小ぶりな肉です。早速、買って帰り、BBQ愛好家のサイトを見ながらその日の夕食にしようと下準備に取り掛かりました。
まずは解凍から。「冷凍肉の場合は自然解凍で」と書いてありますが、悠長に待っていたら晩御飯に間に合いません。電子レンジの解凍モードで肉の天地左右を変えながら少しずつ解かしていくと、およそ20分でほぼ生に近い状態に戻りました。
レシピには、表面の水分をキッチンペーパーで拭きとり、フォークや竹串で肉に穴を開けたら市販の
ハーブソルトを内外にたっぷり擦り込みなさい、とあります。そして数時間から一晩置いて焼き始めるのだそうです。
以前、業務スーパーで「ハーブソルト イタリアンミックス」を買ってあったのを思い出し、ミルをガリガリ回して振りかけました。
慌てて始めたせいで肉にフォークを刺すのを忘れてしまい、ひととおり塩した後でブツブツと穴開け作業をする不手際でしたが、再度ていねいにハーブソルトを擦り込み、一応下拵えが完了しました。
ただ表裏、そして
肛門の奥までたっぷり塩しているうちに、ホントにこれだけでいいのかな?と不安になってきました。
別のBBQサイトをチェックすると「レモン汁やオリーブオイルを全体にかけるとなおよし」みたいなことが書いてあります。
ならばと、冷蔵庫に残っていた
レモン半個を手で絞りかけてみました。
オリーブオイルも上から垂らして指でまんべんなく塗り込みます。
お、手をかけた分、おいしくなりそうな雰囲気が漂ってきたかも。
5時間後--
日がとっぷりと暮れ、バーベキューハウスに炭火が熾きました。
向かって左が野菜や魚を焼くための火、右がビア缶チキン用の火です。
木炭を円形に配置してビア缶に直火があたらないようにするのがコツなんだそうです。こうしておくと、炭火で肉の下側が焦げる心配がないんだとか。なるほどね。
そしていよいよ、ビア缶チキンの登場です。
半分飲んだ缶ビールの口をチキンのお尻に突っ込み、このように直立させます。
この状態で炭火に渡した網の上に置いて、前後を
レンガで挟みました。こうしておけば調理中に転倒する恐れはなさそうです。
燻製作りに使う
一斗缶をスッポリ被せました。隙間からいい感じに白い煙が漏れてきます。
そして待つこと1時間15分。こんがりキツネ色に焼き上がりました。
火から下ろしてビア缶を抜いた途端、モモのところで真っ二つに割れて、得も言われぬ香りが立ち上ります。
半身を皿に取り分け、隣の火で焼いたズッキーニとパプリカを添えたのが、こちら。
早速、試食してみました...パリッと焼けた皮と、ビールで柔らかみの増した肉が絶品です。
予想外だったのは、燻製用の一斗缶を被せたせいで、ほのかな燻製の香りが肉に移ったこと。おかげで一層複雑な風味になりました。
仕込みが簡単なわりに極上の旨さを堪能できる野外料理「ビア缶チキン」。
バーベキュー党の方は、ぜひお試しください!
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テーマ : 信州
ジャンル : 地域情報