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我が家の“秋の珍味”ポポーとアケビ

 信州の秋の果物といえば、一も二もなくリンゴで決まり...ですが、あいにく私たちの家にはリンゴの木がないので、近所の直売所でシナノゴールドやらシナノピッコロ、シナノドルチェなどを買ってきて、毎日、頬張っています。

 自宅で採れる果物は柿と梨、キウイぐらいですが、珍味といいましょうか、直売所ではあまり見かけないヘンな果実が秘かに旬を迎えています。

 まず、アケビ。山に入ればあっちこっちに蔓を伸ばして自生していますが、我が家では食用に数本を育てて?います。

 熟すと紫色の鮮やかな実がパカッとふたつに割れて、中身の果実が顔を出します。

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 ちょうどこれぐらいが食べ頃です。

 果実はそのまま口に放り込んでおやつ代わりに。ねっとりとした食感で、意外にも上品な甘味がします。

 ただ、が多くて実際にはあまり食べられるところがありません。野良仕事をしながら黒い種をペッペッと吐き吐き味わうのが楽しみです。

 アケビは皮も食べられます。このように(左)細切りにして味噌炒めなどにするとおいしいんですね。

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 食感はナスに似ていますが、舌に少し苦みが残るところがゴーヤーっぽくてクセになりそうです。

 一方、こちらはポポー。北米原産の果物で、実が柔らかくて日持ちしないため、店頭には流通していません。

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 実の表面が黄色から少し黒ずんできて、まわりに何とも言えない甘いニオイが漂い出したら収穫期です。

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 完熟したポポーの実は、カスタードプリンマンゴープリンをミックスしたような味。とろみと清涼感が絶妙に同居した、他に類を見ない風味です。
 
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 ポポーもまた、甘みの後にかすかに苦みが残るのが特徴で、大人向きの秋のフルーツです。




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焼き場が満杯でドライアイスを買いに走る

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 我が家の愛犬チワワが死んだと動物病院から連絡があったのは、朝一番のことでした。

 昼までに迎えに伺います、とお伝えして、亡骸の受け入れ準備に取り掛かりました。

 ネットで焼き場を調べると、安曇野市営の火葬場がペットにも対応していることが判明。

 さっそく問い合わせると、驚いたことに、

「今、スケジュールがいっぱいで最短でも3日後までお待ちいただきますが、よろしいですか?」

 何と!安曇野の火葬場には順番を待つペットの長い行列ができていたのです。

 取り急ぎ予約したものの、さて困りました。

 火葬当日まで、遺体をどのように保存したらいいのでしょう?

 チワワは小さいので、冷凍庫に入るサイズではあります。

 ですが普段、食品を保存しているスペースに犬の死体を安置するのは、いくら何でも憚られます。

 思案の末にたどり着いたのが、ドライアイスというオーソドックスな手段。

 再度ネットで調べてみたら、安曇野でドライアイスを販売している業者がごくわずかながら存在することがわかりました。

 そのうちのひとつ「安曇野グループ」という会社に電話してみました。

電話口に出たのは穏やかな物腰の年配のおじさん。

「ドライアイス、ありますよ。ご用向きは? ああ、ワンちゃんが亡くなったのね。それは残念でしたね。で、亡くなった子の大きさだけども…あ、2キロのチワワね。ならばドライアイス2キロちょっとで十分かな。お待ちしていますよ」

 こちらの気持ちを慮って、非常にていねいに聞いてくださいます。これから伺いますと告げて、クールボックス持参で店を訪ねました。

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 なんだか古めかしい門構えです。以前は氷屋さんだったのでしょうか。呼び鈴がなく、玄関前でうろうろしていると、ガラス戸をガタピシいわせてマスク姿のおじさんが出てきました。

「さきほどの方ね。こっちへどうぞ。今から作りますから」

 おじさんに案内されて、母屋の反対側に建つ作業小屋風の建物の軒下に移動しました。

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 木造の小屋の壁際に2本の緑色のガスボンベが並んでいます。表面には「液化炭酸ガス」の文字。

 ボンベの左側に、同じ緑色の長方形の箱というか機械らしきものがあって、ボンベから延びた管が裏側に繋がっています。

 おじさんがボンベのコックを開き、機械の電源を入れました。

 ガラガラガラと騒々しい金属音とともに、機械の内部で何かがガツンガツンとぶつかり合うような気配がします。

 2分ほど待つうちに、機械の下の開口部に差し込んである発泡スチロールの箱に、10センチ角、厚さ5センチほどの真っ白いドライアイスが煙とともに落ちてきました。

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「こうやって1つ1つ作るからね、少し時間がかかるよ」

 へぇ?ドライアイスってこんなふうに製造するんだ…関心しながら見ていると、また1つ、白い塊がボトンと姿を現します。

 1つ落ちてくるたびに、軍手をはめた手でできたてのドライアイスをつまみ上げ、で目方を計るおじさん。

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 そして待つこと20分。少し多めに2.5キロのドライアイスを製造してもらいました。

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「遺体の上に直接載せるとカチカチになっちゃうから、薄い布をかけてその上に満遍なく置くのがおすすめだね」
「2晩持ちますかね?」
「丸1日ぐらいは持つだろうね。そのうちに遺体全体が凍ってしまうから、次の1日もたぶん大丈夫だと思うよ。心配だったら、ドライアイスが溶けた後に氷か保冷剤を差し替えて置いてみたらどうかな」

 一塊ずつ茶封筒に入れてゴムバンドで留めてくれました。お値段は、2200円。

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 おじさんの的確なアドバイスのおかげで、結局それからの2日間、我が愛犬の亡骸はフリーズ状態を保つことができ、とてもきれいな状態で火葬場に向かいました。

 こんなことでもなければドライアイスの製造現場に立ち会うことなんてなかったでしょう。思いがけず、社会勉強になりました。

 それにしても、愛犬を亡くした私たちの心を思いやって言葉少なに、ささやくようにアドバイスしてくださった「安曇野グループ」のおじさん。大変、お世話になりました。ありがとうございます。

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我が家の末っ子チワワが天寿を全うしました

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 我が家の末っ子チワワが、先月、天寿を全うしました。

 享年16歳9ヶ月。超小型犬の平均寿命が15.20歳といわれていますので、十分長生きしてくれたと思います。

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 半年ぐらい前から認知症のような症状が現れて、家のなかを意味もなく時計回りにぐるぐる回るのが日課になっていました。

 さすがに最晩年は歩くのもやっとという感じで、1日の大半をフローリングにべったり寝そべって過ごし、もつれるように立ち上がっては餌台との間を往復していました。

 でも食欲だけは旺盛で、亡くなる2日前まで自力でご飯を食べていました。

 それが突然、痙攣に襲われて意識を失い、動物病院に緊急入院した2日後の明け方、とうとう寿命が尽きました。

 死因ははっきりしませんが、獣医さんの見立てではおそらく脳腫瘍か脳炎だろうとのことです。

 なるほど、それならこの半年間の急激な知能の後退も説明が付きます。

 痛みもなく、眠るような最期でした。

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 我が家の末っ子チワワにとって、安曇野は6歳から10年あまりを過ごした第二の故郷。

 大自然の中で天真爛漫に過ごして命を全うしてくれました。

 まさに安曇野は、小さな命にとって天国にいちばん近い場所でした。

 R.I.P.

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ヤギもサルも草を食べる秋

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 先日、キバナコスモスが満開だと聞いて国営アルプスあづみの公園に行ってきました。
 春、菜の花畑だったところが、今はオレンジ一色に染まっています。なかなかの壮観です。

 別の場所には3色の百日草が咲き乱れていました。

 そんな秋の花畑を堪能して駐車場に戻ったところ、敷地の外れにある囲いの向こうでヤギがもぐもぐ口を動かしているのが目に入りました。公園で飼っているヤギでしょう。

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 ヤギは後ろ足でむんずと立ち上がると、垂れ下がっている木の枝に付いた葉っぱをやおらムシャムシャやり始めました。すごい食欲です。

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 そのとき、柵の手前の草むらに何かが動く気配を感じました。見れば野生のサルが数頭、緑地に散らばってこちらに向かっています。

 そのうちの1頭が、ヤギの旺盛な咀嚼(そしゃく)音に気づいて立ち止まりました。不思議そうな表情を浮かべて、立ち上がったヤギの様子を観察しています。

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 人間とサルが同じほうを向いてヤギを眺めるという、少々おかしな時間が流れた後に、今度はサルがスックと立ち上がり、むしった草の根っこを囓り始めたではありませんか。

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 明らかにヤギの仕草に誘発されたとしか思えない、絶妙のタイミング。思わず人間の私たちも、ポケットをまさぐって何か食べるものがないか探しちゃいました(残念ながらありませんでしたが)。

 ヤギもおサルさんも、食欲の秋なんですね。


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室堂でライチョウに遭遇しました

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 先日、立山黒部アルペンルートを日帰りバスツアーで横断した時のことです。

 標高2450mの室堂を現地ガイドさんに連れられて散策中、近くで景色を見ていた男性の二人連れが、

「あ、ライチョウだ」

 小声で指差し、教えてくれました。
 
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 地獄谷と言われる硫黄の吹き出す谷を背に、尾根の反対側に目を転じると、ハイマツの茂みの中からゴロンと丸っこいものが出てきて、こちらに向かってヨチヨチ歩き始めました。

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 ライチョウです。

 まだ冬毛に生え替わる前のツートーンの羽毛で、何やらゆかしげにあたりを眺めています。

 そのうち、ちょこん…というよりはドスンといった感じで下生えの上に座り、動かなくなりました。

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 一見すると卵を温めているようですが、単に座って小休止しているだけ。

 10分ぐらい観察していましたが、やがて胴に首を埋めて昼寝を始めてしまいました。

 ライチョウは人を恐れないとは聞いていましたが、遊歩道のすぐ近くでウツラウツラ。警戒心はあるのでしょうか?

 見るからに押っ取り刀です。手厚く護ってあげなければいけませんね。

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立山黒部アルペンルートの紅葉は、今が見頃です!

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 10月6日、黒部立山アルペンルートを大町側から富山側へ横断しました。

 地元紙が主催する日帰り旅行の募集があり、GoToトラベルキャンペーンの対象というので参加した次第です。

 安曇野を2台の貸し切りバスで出発して大町の扇沢で電気バスに乗り換え、富山側の立山駅でケーブルカーを下車すると、再び貸し切りバスが迎えに来てくれるという、至れり尽くせりの日帰りツアーでした。

 行きのバスの中で、1人3000円のGoToトラベル・クーポン券が配られました。富山県、石川県、岐阜県、新潟県、長野県で当日のみ有効と書いてあります。

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 どこで使えるのかがわからず、おまけにその日のうちに釣り銭なしで使い切らなければいけないというヘンな商品券です。

 景気浮揚のため、無理にでも消費を喚起しようという政府の焦りが感じられます。

 とは言え、お小遣いを貰ったようで嬉しくて、立ち寄る先々の土産物店であっという間に使っちゃいました。

 それはともかく、今回の旅の目的は紅葉狩りでしたので、以下、「2020立山黒部アルペンルートの紅葉情報」をお伝えしたいと思います。

①黒部ダム(1470m)

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まだ大部分が青葉。黒部湖に近い裾野のほうから、少しずつ紅葉が始まっている印象です。

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②タンボ平(1828~2316m)

黒部湖からケーブルカーで400mほど上ったところに、ロープウェイへの乗り継ぎ場所・黒部平(1828m)があります。

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黒部平からロープウェイの終着点・大観峰(2316m)までの山肌--タンボ平と言います--は、ご覧のとおり、今まさに紅葉の見頃。圧巻の錦模様でした。

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黒部平庭園ではナナカマドが燃えるように色づいています。

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こちらは、黒部平から大観峰へ向かうロープウェイの中から、振り返って黒部湖を見下ろしたところ。青々とした緑が橙、黄色に変わっていく様子がわかります。

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③室堂平(2450m)

紅葉が進んで晩秋の気配が漂っていました。それでも例年よりは遅いペースで季節が進んでいるようです。

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写真はミクリガ池。池のほとりの赤茶げて見えるのはチングルマの紅葉です。


撮影して1週間が経ちましたが、立山黒部アルペンルートのオフィシャルサイトで最新情報を調べたところ、紅葉の進み具合は1週間前とさほど変わっていない様子です。

今週末、来週末あたりが紅葉狩りのラストチャンスかもしれません。


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恐るべしスズメバチ!わずか2日で巣の再建を始める

 兼業農家?のスズメバチ・バスター兄妹が、バーベキューハウスの屋根の内側にできたスズメバチの巣を駆除してくれて2日が経ちました。

 「今後、数日間は残党のハチが戻ってくることがあるので現場に立ち寄らないように」

 と言われていたのですが、直後からやけにブンブン羽音が聞こえてきます。

 遠巻きに眺めると、相変わらずキイロスズメバチが頻繁に出入りしている様子です。

 まさかとは思いながら、念のため全身を分厚い服で覆い、防虫ネット付きの野良帽子を被って東屋の下にそっと潜り込みました。

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 すると、おお!

 一昨日、兼業バスターが根こそぎ切り落としたばかりの巣跡に、キイロスズメバチがびっしり取り付いているじゃありませんか!!

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 しかも目を凝らして観察すると、先端には新しいのようなものさえ...。

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 これはやばい。すぐに物置にとって返し、“ハチ撃退スプレー”を探して現場に戻ると、斜め下から一気に噴霧。

 今回もハチたちが爆発的な重低音とともに散り散りに飛んでいきました。

 殺虫剤を滴るほどたっぷりかけてから、改めて巣のあったところを見ると、やっぱり!

 大小2個の蜂の巣がすでに造営されていたのです。

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 火かき棒で根元からこそぎ落としました。

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 こちらが大きい方の蜂の巣。早くも13室の産室ができています。

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 よく見ると、中にはひとつひとつに白いが産み付けられています。

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 いやぁ、危なかった。このまま放置して呑気に経過観察していたら、あっという間に巣が巨大化するところでした。

 恐るべし、キイロスズメバチ!


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バーベキューハウスにスズメバチの巣が!兼業バスターに来てもらう

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 我が家のバーベキューハウスの屋根の内側に、直径30センチ以上もあろうかというスズメバチの巣ができていました。

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 最近、やけにスズメバチがブンブン飛び交うな、と思い、あたりをキョロキョロ見回してみたら、あったんです。こんなに近くに。

 灯台もと暗し。夏の間、さんざんステーキやらとうもろこしやらを焼いていたのに、まったく気づきませんでした。

 ほんの少し視線を上げるだけで、間違いなく視界に入ったはずです。何しろほとんど頭上と言っていい位置にあったんですから。

 つくづく人間は食欲に駆られると何も見えなくなるんだな、と思い知りました。

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 しかし、困りました。今回の宿主は超攻撃的な性格で知られるキイロスズメバチ。そばを歩いただけで刺されるほどの危険な存在です。

 とてもじゃありませんが、素人には太刀打ちできません。

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 地元紙に「スズメバチ駆除」の三行広告が出ていたのを思い出して電話すると、とある個人名の広告主から「日暮れまでには行けます」と頼もしい返事が返ってきました。

 待つこと3時間。中年の男女二人がクルマで到着しました。

 二人は兄妹で、兄が駆除担当、妹は運転と会計を担当しているそうです。

 揃って現場を遠巻きに観察するうち、

「うわ、キイロスズメバチだ。私、イヤだ。クルマで待ってます」

 そう言って妹さんは早々と車内に閉じこもってしまいました。

 聞けば7年前に兄と向かった現場でキイロスズメバチに一刺しされた跡がなかなか癒えず、ケロイド状に残ってしまったんだそうです。

 顔をしかめて見せてくれたのが、この傷跡。う~む、恐るべし、キイロスズメバチ。

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 私たちがそんな話をしている間にも、兄はバーベキューハウスの下にそっと脚立を立てて巣の寸法を測り、見積書を書き上げていました。

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「直径30センチ以下で地上2メートル以下にできた巣の場合ですと、2万円が標準料金なんですが、この巣はすでに40センチを超えています。高さも2メートル以上あるので、作業代金は3万5200円になります。よろしいですか?」

 よろしいも何も選択の余地はありません。危険手当込みと考えれば、妥当な額でしょう。すぐに退治してくださいとお願いしました。

 兄は分厚い革製の手袋をはめ、自家製だという防虫ネットを被ってスタンバイ。脚立に登り、市販のハチ用殺虫剤を巣の真下に向けると、出入り口の穴めがけて一気に噴射しました。

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 次の瞬間、今まで聞いたことがないような重低音の羽音がゴウゴウと周囲に響き、おびただしい数のハチが巣から飛び出してきました。

 兄は一心不乱に穴の中めがけて殺虫剤を噴霧し続けます。

 1本目の缶を使い切ると2本目に持ち替え、今度は球形の巣全体に届くよう、入念に吹き付けました。

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「逃げた奴らが戻って来るから、しばらくその場で頭を低くしていてください」

 巣をのぞき込もうと立ち上がった私を兄はそう押しとどめて、周囲を飛び回るハチに正確に殺虫剤を吹きかけていきます。

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 30分ほど待ってから、厚手のビニール袋を広げ、脚立に乗って巣にすっぽり被せた兄。カッターで巣を付け根から素早く切り離し、ビニール袋にスポンと受け止めました。

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 口を押さえて、中に殺虫剤を吹き込みます。念のためその上からもう1枚、ビニール袋を被せて作業完了。

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 ムダのない作業手順に感心して尋ねると、本業は農家なのだと教えてくれました。

ニホンミツバチを飼っていたんですけど、スズメバチのヤツに食われる食われる。腹が立ってスズメバチ狩りを始めたのが発端なんです」

 今では立派な副業になっているそうで、1シーズン数十件の依頼があるんだとか。この日も我が家が3軒目でした。

 大きな袋をクルマに積み込んで、颯爽と引き上げる兼業スズメバチ・バスター。本当に助かりました。


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Go To トラベルでもディープだった葛温泉・高瀬館

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 Go To トラベルキャンペーンが始まって、安曇野周辺にも観光客が少しずつ戻ってきました。

 シルバーウイークに近隣の日帰り温泉を回ってみたんですが、駐車場はどこも満車。他県ナンバーのクルマもちらほら混じっています。

 温泉場に活気があるのは良いとしても、やっぱりこのご時世、人混みは避けたいところ。

 ガラガラと言わないまでも、そこそこ空いている温泉はないかなぁ、と思案するうちに、ハタと思い出しました。

 大町の山奥にある葛温泉。そのさらにどん詰まりでひっそりと湯煙を上げている高瀬館があるじゃない!

 本ブログでも何度かご紹介した、源泉掛け流しの温泉宿です。

 善は急げとばかり、さっそくクルマを飛ばして家族で出かけました。

 到着すると、おやおや? 普段はがらんとした駐車場にそれなりにクルマが停まっています。

 玄関で入浴料700円を払い、浴場をめざして長い廊下を歩いて行きました。

 いいなぁ、この湯治場っぽい古びた雰囲気。

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 廊下を突き当たりまで進むと、「ゆ」文字の暖簾が。

 年季の入った脱衣所で服を脱ぎ、内風呂の引き戸を開けましたが、やっぱり客は数えるほど。

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 くたびれきった洗い場の混合栓カランといい、壁際に積まれたケロリン桶といい、いつ訪れてもここは時間が止まったようです。

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 露天風呂に向かいました。

 髙瀨館の露天風呂は、とにかく特大サイズ。広々した湯船の真ん中で、源泉が噴水状に湧き出しています。

 湯量が豊富で、しかも源泉は90度と超高温。そのままでは茹で上がってしまうため、加水しています。

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 4~5人の明らかに地元っぽい方々が、少々、熱過ぎる湯を持て余し気味にヘソの辺りまで浸かっては上がり、浸かっては上がり…みなさん思い思いにくつろいでいらっしゃいます。

 じゃぶじゃぶ流れる湯の音と野鳥のさえずり、虫の音。それしか聞こえません。

 いやぁ、安全安心を絵に描いたような行楽地ですね。

 マイクロツーリズムのお手本とも言うべき日帰り温泉の穴場でした。


葛温泉 髙瀨館




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プロフィール

あづみ

Author:あづみ


都会から安曇野の古民家に親子3人で移住しました。夏涼しく、冬は想像を絶する寒さですが、ハラを括って暮らせば何とかなるものです。

その後、縁あって畑付きの田舎家をゲット。現在は山中の古民家と里の家とを行き来する日々です。

安曇野に興味のある方、また古民家に暮らしたいと思っていらっしゃる方、よろしかったらお立ち寄りください。

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