ただただ密で騒々しかった白馬の新名所「LAND STATION HAKUBA」
国内きってのアウトドアブランド「Snow Peak(スノーピーク)」が、今年(2020年)7月、白馬にショップとカフェとレストラン、キャンプエリアを合体した複合施設「LAND STATION HAKUBA(スノーピークランドステーション白馬店)」をオープンしました。
オープン当初から、地元テレビや新聞が「隈研吾さん設計の森をイメージした建物」とさかんに取り上げたせいで、このコロナ下にあっても客足が順調に伸びている、という話は聞いていました。
先日、白馬へ行ったついでにちょっと覗いてみようかな、とクルマを走らせたのですが、な、なんと駐車場はすでに満杯。警備のオジサンが「満車」と書いたプラカードを掲げて、押し寄せる車両を堰き止めていました。
それもそのはずで、この日はちょうどシルバーウイークのど真ん中。Go To トラベルの影響もあって、全国各地から「あの隈さんの話題の新作」を見物に人が集まってきたのでしょう。
諦めて帰ろうとしたら、たまたま車道に溢れていた車列が途切れ、ラッキーにもするりと駐車場に入ることができました。
こちらが正面玄関。非定型の屋根がおしゃれです。
入口に消毒用アルコールのボトルが置いてあります。お作法どおりシュッシュッとやって、さて店内を見回してびっくり。
な、なんだこのイモ洗いは!?
アウトドアグッズを展示したショップコーナーからカフェ(定番スタバ)、レストランまで、ぐじゃぐじゃに人が入り乱れています。
たしかスノーピークのホームページには、もれなく検温・マスク着用を謳っていたはずですが、スタッフの姿は見当たりません。
検温を求められることもなく、押し込まれるように店内に足を踏み入れましたが、さすがにこの密な状態はまずいと感じて、すぐガーデンに脱出。
キャンプサイト風に造作された芝生の庭は、周囲に点々とターフが張ってあり、手作り風の雑貨やら食べ物などを売っています。
振り返って母屋を眺めると、あ、これが噂の隈研吾さんの作品なのね、とわかるたたずまい。とくに無垢の角材を櫓状に組んだルーフ下のオブジェ?は、いかにも隈さんらしい温かさを感じさせる造作でした。
でも、ターフの中のテナントは、どこも開店休業。売り子のみなさんは手持ち無沙汰でぼんやり空を見上げたりしています。
室内は超密、戸外は閑散…このバランスの悪さがなぜ生じているのかは謎でしたが、でも、大自然豊かな白馬までやって来て、わざわざ人混みに揉まれなければいけない理由がわかりません。
長居は無用とばかり、早々に駐車場に戻って逃げ出しました。
建物とコンセプトは素晴らしいけど、仕切りの悪さが目立ったLAND STATION HAKUBA。仏作って魂入れず、にならなきゃいいんですけど…。