「平日しかやっていないカフェが安曇野にあるよ」
地元のオバサンからそんな耳寄り?な情報を仕入れました。
はて? 土日を休んでウイークデーだけ開けているカフェ?
ヘンです。
安曇野はオフィス街ではありません。というより一応、
観光地ですから、夏季のみ営業とか、週末のみ営業とかいう店は珍しくなくても、わざわざ客の少ない平日だけ選んで営業するってのは、かなり変わっています。
ヘンなものが大好きな私たちは、さっそく探訪に出かけました。
教わった場所は、畑の外れにぽつぽつと住宅が建っている一角。歩いて探しましたが、カフェらしき建物は一向に見当たりません。
あっちを振り返り、こっちをのぞき込んでうろうろするうちに、ふと大きな民家の玄関先の壁に目が留まりました。
珈琲と音楽のお店
ソリスト
ここだ! 思わず叫んで玄関のガラス戸を開きました。
エントランスを潜ると、いきなりフローリングの普通の住宅です。靴を脱がずに上がってはまずい雰囲気でしたが、靴脱ぎはなく、
土足のままでいいようです。
短い廊下を抜けて室内に入りました。
がらんとした広い空間に、椅子とテーブルが並んでいます。カフェというよりは
ペンションの食堂といった風情です。
ところが反対側の壁に目を転じると、木製の棚が天井まで作り付けられ、そこに
コーヒーカップが整然と並んでいます。
壁の手前に長い
カウンターが切ってあり、カウンターの内側でご主人が黙々とコーヒーを淹れていました。
見れば本格的な
エスプレッソ・マシンも完備しています。
たしかにカフェ...間違いありません。でも、何となく食堂っぽさが漂う、ビミョ~な空間です。
小腹が空いていたので、軽食と珈琲を頼むことにしました。
自家製ホワイトソースの
シーフードドリア ¥850
ケニア ¥400
目配せすると、物静かなご主人がそっと寄ってきて注文を取り、音もなくスッとカウンターの奥へ入っていきます。
客は私たちだけ。柱に下がっている小さなスピーカーからピアノのBGMが流れてきます。
ジブリの名曲集でした。「珈琲と音楽のお店」と言うわりには選曲にこだわりがない気もします。
ややあってサラダが出てきました。続いてドリアです。Lサイズの皿に具だくさんの
チーズドリアがこんもり盛られていました。
うわぁ、こりゃ多いなと面食らったものの、一口食べて納得。味のバランスが良く食が進みます。
意外にあっさり完食してしまいました。
食後に頂いたのが、こちらのケニア。本格的なドリップコーヒーで、なかなか美味です。
香り豊かな
ケニアコーヒーを頂くうちに、やっとわかってきました。そう、ここはカフェと言うより「珈琲とドリアのおいしいお店」なんですね。
後で店を紹介してくれたオバサンに聞いた話では、物静かな店の主人が毎週末、実家に戻ってそちらでもお店を切り盛りするため、月~金しか開けていないんだそうです。
商売っ気はまるでないけど(そして見た目も店というよりは誰かの家に上がりこんで食事をするような感じだけど)、ゆっくりおいしい軽食を楽しむにはもってこいのスポットです。
観光地のど真ん中にある超ディープな
<非観光スポット>。好事家にお勧めします。
珈琲と音楽のお店 ソリスト
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テーマ : 信州
ジャンル : 地域情報