長野県は
博物館・美術館の数が
日本一多いと言います。
たしかに信州を旅すると、こんなところにゃおサルやタヌキしかやって来ないだろうな、と思える辺鄙な場所にも、立派なミュージアムが建っていたりします。
気になって総務省統計局が出している社会教育調査をひもといてみました。
この表は、美術館を含む博物館と博物館類似施設の数を都道府県別にまとめたものです。
ご覧ください。本当に長野県が日本一だったんですね。
ちなみに、上表は2015(平成27)年度の調査結果ですが、総施設数を2011年度の同じ調査と比較すると、さらに驚くべき事実が判明します。
2011年度 2015年度 全国 5,747 5,690
長野 359 362
全国的には予算削減などで4年間に57施設も減っているのに、なんと長野県では3施設分が
純増していたんです!
文化事業に熱心な土地柄なんでしょうが、それにしても首都・東京を上回っているんだからハンパじゃありません。正直、少し
ハリキリ過ぎなんじゃないの?って気がしなくもありませんが。
そんなミュージアム大好き県・長野にあって、恐らくここ安曇野は軽井沢と並ぶ博物館・美術館の過密地帯じゃないかと思います。
安曇野市から白馬村にかけての約50キロ圏内に、わかっているだけでも美術館が19も点在しているんです。地元ではこの19施設を結ぶルートを
「安曇野アートライン」と呼んで観光促進に力を入れています。
安曇野に暮らし始めて早9年が経とうという私たちですが、じつは田舎暮らしにかまけて、あまり美術館めぐりらしいことをした記憶がありません。
先日、たまたまNHKのローカルニュースで
「安曇野山岳美術館」の企画展の紹介を見たので、訪ねてみました。
針葉樹に囲まれた林の一角に建つシックな美術館です。
ホームページによると、「北アルプスの麓で山岳絵画のみ展示する」ことを創立の精神として、日本で唯一の山岳画専門美術館として1983年に開館したそうです。
“山岳画専門”と謳うあたり、コンセプチュアルではありますが客層を最初から絞り込んだ、かなり
マニアックな美術館です。
平日の昼間ということもあって、入館者は私たちだけ。2つある展示室は山小屋風の梁と漆喰壁を生かした造りでした。
ちょうど開館35周年を記念した展覧会が開かれていました。題して「~山への想い~ 足立源一郎展・畦地梅太郎展」。
足立源一郎は、北アルプスに画材一式を担いで登頂し、現場で油絵を描き続けたという山岳絵画の先駆者。険しい山の尾根にスキーをイーゼル代わりに突き立てて描く、足立画伯の鬼気迫る制作風景の写真が印象的でした。
少し小さいほうの展示室には、山の木版画家として知られる
畦地 梅太郎(あぜち うめたろう)の代表作が並んでいました。ヒゲ面だけど素敵に可愛い山男たちのポートレイトが、目を引いてやみません。
館内には喫茶スペースもあって、ゆっくり過ごすにはもってこいの小さな美術館でした。
山好きの人にはおすすめかな。
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テーマ : 信州
ジャンル : 地域情報