安曇野市の南、
三郷(みさと)地区に
「室山」という名の小山があります。
“安曇野唯一の独立峰”と書くとカッコイイですけど、実際はこんもりした丘で、丘全体が市営の公園
「室山アグリパーク」になっています。
アグリパークというと、これまたなんだかオサレなリゾート風公園を連想しがちですが、いわゆるひとつの
田舎の市民公園に他なりません。
ただ、敷地内には立派な
日帰り温泉施設があり、松本市の中心部からもほど近いので、週末は結構な賑わいを見せています。
そんな「室山」の頂上に立っているのが、
伝説の巨人「でいらぼっちゃ」像。
鉄製の骨組の上にコンクリートで巨人をかたどった、全長10メートルあまりの立像です。
どれぐらい大きいかというと、ほら、このとおり。比較するものがチワワなのであまり参考にならないかもしれませんが、かなりのデカさであることはおわかりいただけるかと思います。
「でいらぼっちゃ」とは、日本各地に伝承されている巨人で、一般には
「ダイダラボッチ」の名前で知られています。
信州では
「でいらぼっちゃ」と呼んでいるようです。
「でいらぼっちゃ」伝説は安曇野各地に伝わっていて、有名なところでは大町市の仁科三湖(青木湖、中綱湖、木崎湖)は、でいらぼっちゃの足跡に雨水が溜まってできたと言われています。
改めて「室山アグリパーク」に屹立する「でいらぼっちゃ」を、少し離れたところから眺めてみます。
ほぼ三頭身。アニメっぽいと言いましょうか、昨今はやりの“ご当地ゆるキャラ”に通じるキャラ設定です。
江戸時代の図版などには、黒入道のようなグロテスクな姿で描かれていますが、こちらの「でいらぼっちゃ」は、なんだか人の良い
縄文人のようです(…と言っても縄文人を見たことがあるわけではありませんが)。
子供たちの遊び場に立つ像として、皆に愛される姿じゃなければダメだったんでしょうね。
足下から頭のてっぺんまで上がる階段が取り付けられています。
頭上に立って松本方面を眺めたのが、こちらの写真。安曇野から松本盆地を一望できる絶景です。
残念ながらこの写真には写っていませんが、八ヶ岳のさらに先に富士山の頭の部分までがチョコッと見えたりします。
ちなみに、「でいらぼっちゃ」像の前には、次のようなでいらぼっちゃ伝説を書いた看板が立っていました。
でいらぼっちゃ伝説
昔、昔のそのまた昔、でいらぼっちゃという雲をもしのぐ大男がいたそうな。
この大男は安曇野にもやって来て住み良い平らを造っていたそうな。
仕事の途中、もっこふんどしの紐をほどいた時、ばらばらと土が落ちたとな。
このわずかな土が盛り上がってできた山、これが「室山」だそうな。
-三郷村に伝わる民話より-
なんだか呑気なお話ですね。
【室山アグリパーク】
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テーマ : 信州
ジャンル : 地域情報