
『
古民家って異様に天井が低いんです。』の項に書いたように、日本の昔の建物は“超”が付くぐらい天井が低いんですね。
床から天井までが、180センチあるかないか。現代の若者なら、部屋を移動するたびにオデコを梁にぶつけ、脳天を天井板に擦ってしまいます。
それにしても、なぜ、古民家はこれほどまでに天井が低いのでしょうか?
以前、『
階段が急勾配なのは昔の人の足が小さかったから?』の項でも触れましたが、江戸時代の日本人は歴史上、もっとも身長が低かったそうです。
男性の平均身長が155センチ、女性に至っては143センチだったと言います。
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日本人の身長の変化(女性)
●縄文~弥生時代は、各地域の平均推定身長
●古墳~江戸時代は、関東出土の人骨より算出
●明治33年以降は、文部科学省(旧文部省)の生体計測資料より
------------------------------------------------------- そのスケールからすれば、天井高180センチはまずまず許容できる寸法だったのかもしれません。少なくとも、現代の私たちほど息苦しさを感じなかったことは確かです。
ところがもうひとつ、我が家のような元「
養蚕農家」には、二階に「
お蚕(かいこ)さま」を飼うという特殊な事情から、1階の天井を下げざるを得なかったという別の理由があったのでした。
外観は十分な高さをもつ総二階建てですが、蚕棚を並べるために二階を大空間にし、その分、一階の天井を極限まで低く設計したのです。
このような蚕棚(かいこだな)を二階に並べる必要がありました じつは、ご近所を歩くと、どの家も面白いようにみんな同じ作りをしています。
ここら辺では、人よりも現金収入になる蚕のほうがエラかったんですね。
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