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古民家って異様に天井が低いんです。

 信州をあちこち旅して古民家探しを楽しんでいた頃、どの家を見ても「こりゃ住むのに不便だな」と感じたことがあります。

 天井の低さです。

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以前、内覧した信州某所の古民家。
天井の低さがわかります?


 内覧させていただいたすべての古民家で、現代の常識からすると“超”が付くぐらい天井が低かったのには、正直、面食らいました。

 床から天井までが、180センチあるかないか。うっかりすると頭が梁にぶつかってしまいます。

 家の中に立っているだけで、じわじわと圧迫感を覚えます。

 薄暗いうえに頭上からギュウギュウと押しつけられるような重苦しさに襲われるのです。

 「古民家って、キツイかも…」

 正直、そう思った時期もありました。

 その後、ご縁があって手に入れた今の家も、元はといえば1階の天井高が180センチという“圧迫民家”でした。

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我が家の1階天井。頭上に迫ってくる感じがします

 前のオーナーが(恐らくはあまりの圧迫感に耐えかねて)「踏み天井」と言われる2階の床板(=1階の天井板)を引っ剥がし、吹き抜け状態に改造済みであったため、辛うじて呼吸の楽な広々とした居住空間が確保できたのでした。

 要は2階の部屋の大部分を潰してしまったわけですね。もったいないと言えばもったいないのですが、私たちは大家族ではないので、これで十二分。おかげで、今は快適に過ごしています。

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天井板を引っ剥がし、吹き抜けにしてちょうど良い感じです

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おや?長持(ながもち)にネズミの歯形が…こりゃ一体?

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 「ムダの極み『長持(ながもち)』の美学」にも書きましたが、我が家には江戸時代の収納家具「長持」がふたつ、鎮座ましましています。

 本来は衣類や寝具をしまうための木箱ですが、私たちは雑貨や五月人形などをゴチャゴチャと入れて使っています。間口が広いためどこに何があるか一目瞭然で、結構、重宝しています。

 とはいえ、長い間、放ったらかしになっていたとみえて当初はボロボロで、かなり修理が必要でした。使い始める前に金具を取り替えたり、傷んだ板を修繕したり…その作業の過程で、じつは面白いものを見つけました。

 どちらの長持にも、外側の縁にそれぞれ数カ所、ネズミの歯形が付いていたんです。ネズミは食べ物を探していたというより、巣箱にしようと狙ったんじゃないかなと思います。中に潜り込めたら、子育てにこれほど暖かくて安全な場所はありませんから。

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 歯形は結構、くっきり残っているんですが、気の毒なことに長持の内部に到達した穴はひとつもありません。途中で家人に見つかってしまったのか、それともあまりにも材質が堅くてギブアップしてしまったのか。

 …「ずいずいずっころばし♪」さながらの世界が、かつてこの家で繰り広げられていたんだなぁと思うと、なんだか微笑ましい感じがします。

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ムダの極み「長持(ながもち)」の美学

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 我が家には「長持(ながもち)」がふたつあります。

 …といっても、みなさんピンとこないんじゃないかと思います。私たちも、この家に引っ越してくるまで、そんなもの写真でしか見たことがありませんでした。というより、そもそも名前すら知りませんでした。

 長持というのは、寝具や衣類を収納するための長方形の木箱のことです。

 サイズは一般に、横幅八尺五寸(約174センチ)前後、奥行きと高さは二尺五寸(約75センチ)ぐらいで、我が家のものも大体その大きさです。

 江戸時代の代表的な花嫁道具だったらしく、嫁入り行列には欠かせない存在でした。

 婚礼の日には、左右の両側面にある金具に棹(さお)を通して、男衆が前後から担いで歩いたそうです。

 我が家の長持も、遠い昔、そうやって花嫁さんとともにこの家に輿入れしてきたのでしょう。

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この金具に棹(さお)を通して担いだそうです

 ただ、明治以降、箪笥が普及して徐々に使われなくなったようです。

 この家を購入した時、古箪笥の類はひとつも残っていませんでした。

 ところが、長持だけがふたつ、がらんとした板の間に置き去りにされていたのです。たぶん箪笥と違って利用価値がなく、処分できずにうち捨てられてしまったのでしょう。

 実際のところ上蓋(うわぶた)がはずれ、蝶番(ちょうつがい)などの金具が腐り落ちて、使用に耐える状態ではありませんでした。

 試しに表面にこびりついた埃と泥を拭ってみると、意外にも漆塗りの美しい輝きが蘇ってきました。

 おやおや?、と思ってさらに磨きをかけ、金具も修繕して蓋を開け閉めできるように直してみました。

 写真が修復後の長持1号です。赤みがかった表面が、薄暗い部屋の中で何ともいえない色艶を放っています。

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 内部もきれいに磨いて、トイレットペーパーや乾電池、電球などの買い置きをしまっておく場所にしました。

 ただ、いかにも図体がデカイ。デカ過ぎます。置き場に迷った末に、あえてリビングの一角に配置してみることにしました。

 場所塞ぎではありますが、重量感があって部屋が引き締まりました。おかげで、がらんとだだっ広いリビングに落ち着きが生まれたような気がします。

 一方、長持2号は2階に置いて、五月人形など季節物の収納用に使っています。こちらも新たな役割を得て、少し“張り”といいましょうか、風格のようなものが出てきた感じです。

 スペースユーティリティという点からすると、長持はデカい割に物が入らず、今日の住宅事情にはまったく合いません。箪笥に負けるべくして負けてしまったのが、よ~くわかります。収納という尺度で評価するならば、まさに“過去の遺物”です。

 しかし、ムダなスペースがふんだんにある古民家には、かえってこういう古道具がしっくりくるんですね。末長く大切に使おうと思っています。


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食害で鳥獣保護区をもっとも削減したのは長野県

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2013年1月7日付朝日新聞

 全国の自治体が「鳥獣保護区」を相次いで削減していることが、朝日新聞の調査でわかったそうです。

 鳥獣保護区を持つ47都道府県の中で、シカやイノシシによる農作物への被害を理由に保護区を削減したのは30道府県。

 なかでも長野県1万9000ヘクタールともっとも削減面積が多く、第2位の岐阜県8400ヘクタール、第3位の栃木県7700ヘクタールに大差をつける大幅な見直しをしていました。

 保護区の削減が目立ったのが山沿いの集落近くだそうで、ハンターの減少や山村の過疎化によって農地の被害が甚だしいエリアが中心になっているようです。

 たしかに、ここ安曇野周辺の山間の集落でも、電気柵を設置していない畑はほぼ100%、野生動物に食い荒らされてしまうのが現実です。

 10年前には姿を見せなかったサル、イノシシ、シカ、キツネが毎日のようにやって来ては、ここぞとばかり畑の生りものを食べ散らかしていきます。

 集落の人口が減ったところに、獣たちがどっと押し寄せてきたのです。

 一方では猟友会の会員の高齢化も深刻です。法令に基づいてシカやイノシシを間引こうにも、鉄砲を撃てるオジサンの頭数が年々、減っています。

 我が家の周辺を見渡すかぎり、人間の住処(すみか)が少しずつ、でも確実に野生動物のテリトリーへと置き換えられてきているように感じます。

 自然保護は大切ですが、シカやイノシシが無闇に増加するのも生態系のバランス上、危ういことだと思います。

 今、地元ではプロのハンターの育成を待ち望む声が高まっています。

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ご近所の育苗ハウスに侵入を試みるおサル
こんな光景が日常化しています。



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プロフィール

あづみ

Author:あづみ


都会から安曇野の古民家に親子3人で移住しました。夏涼しく、冬は想像を絶する寒さですが、ハラを括って暮らせば何とかなるものです。

その後、縁あって畑付きの田舎家をゲット。現在は山中の古民家と里の家とを行き来する日々です。

安曇野に興味のある方、また古民家に暮らしたいと思っていらっしゃる方、よろしかったらお立ち寄りください。

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