耐震性は、どうなんだろう?

我が家の屋根裏です
ニュージーランドのクライストチャーチを襲った地震では、多数の日本人留学生が瓦礫の下に閉じ込められ、生存が危ぶまれています。
無事を祈るばかりですが、翻って私たちの住む安曇野のことを考えると、心穏やかではなくなります。
安曇野のお年寄りに地震のことを伺うと、
「ここいらはあんまり地震がないところだからねぇ」
と、案外、呑気な答えが返ってきます。実際、松本から塩尻にかけての一帯は“地震が少ない”といわれているようで、まずまず安全地帯なんじゃないか、という楽観的な見方さえあるようです。
でも、地質を描いた地図を広げてよく見ると、安曇野はフォッサマグナの西端。日本列島を南北に縦断する糸魚川静岡構造線上にあたります。無数の断層が縦に横にと延び広がっていて、いつ何時、大地震がやってくるか知れたものではありません。
そこで俄然、心配になるのが我が家のような古民家の耐震性です。なにせ、すこぶるつきのセコハン住宅。グラリと大揺れした途端に、大黒柱や小黒柱がボキボキと折れて茅葺き屋根がドスンと落ちてきたら目も当てられません。
で、調べてみました。--古民家の耐震性って、正直どの程度なんだろう?
結論から言うと「現在の耐震建築基準は現代の建築方式に基づいて算出しているため、古民家の耐震性を知る手がかりにはならない」らしいのです。
わかったことを箇条書きにしてみました。
■「伝統的軸組(じくぐみ)工法」で作られた家は、柔らかさと粘り強さで地震を受け流す。建物全体で揺れを吸収し、耐え切れない時には壁が崩れたり、柱が曲がったりしてエネルギーを吸収する。
■これとは反対に現代の住宅は硬さで地震に対抗する。地震の横方向の力に抵抗する「耐力壁」を設けて地震のエネルギーに持ちこたえる構造になっている。
■伝統的軸組工法で作られた家は、地震に遭うたびに柱や梁などの軸組み部材の接合部や土壁などが破壊・変形して、建物の耐震性能が低下していくが、その都度、傷んだ箇所を補修すれば耐震性は相応に維持できる。
■無理な増築だとか、部分的に「耐力壁」を設けて補強などすると、地震の時、その周辺にエネルギーが集中してバランスが崩れ、一気に家が崩壊する恐れがある。
……なんだか現代のテクノロジーに見放されたような印象もありますが、要は先人の知恵を信じてヘタな手を加えないほうが賢明ってことなのでしょう。
ちなみに、我が家をリフォームしてくれた地元の一級建築士さんは、こんなふうに言っていました。
「こういう家は、地震の時にいきなりベチャッと潰れたりはしないはずですよ。ゆ~らゆら酔っ払ったように揺れて、その間に逃げ出せるって話です。ただし、シロアリに食われたり、腐ったりしていると耐久力がぐんと落ちるので、家の手入れは怠らないようにしてください」
私たちも、腐ったり傷んだりしている部材を見つけたら早め早めに修理しようと思っています。

地震の際には屋根全体がグニャグニャ揺れて
エネルギーを吸収するそうです