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今どき、囲炉裏のある古民家は珍しい

信州のとある古民家に残っていた囲炉裏です
信州のとある古民家に残っていた囲炉裏です

 古民家というと、真っ先に連想するのが囲炉裏ですよね。高い天井から自在鉤がぶら下がり、その先に南武の鉄瓶をかけてチンチンと熱い湯を沸かす……「まんが日本昔ばなし」そのままの、懐かしい光景が思い浮かびます。

 でも、信州の古民家をあちこち訪ね歩いた私たちの経験では、今どき囲炉裏のある伝統建築は少数派です。大多数の家では囲炉裏を潰し、その上に板や畳を敷いて普通の和室として使っています。

 考えてみればこれは当然の成り行きで、古民家といえども煮炊きは都市ガスやプロパンガスでするようになっているのです。家の一角に台所を設けてガスコンロを置き、水道を引いて炊事するのが当たり前。囲炉裏で食事を作る時代はとっくの昔に終わりを告げました。

 まれに囲炉裏が残っている家もありますが、その場合も台所は家の別の場所にちゃんとあり、日常の調理はそちらで済ましているようです。調理と暖房を兼ねて囲炉裏をフル活用しているお宅というのは、かなりレアな存在ではないでしょうか。

 売り出し中の古民家物件をチェックしても、“囲炉裏なし”が大半を占めていることがわかります。ただ、かつて囲炉裏のあった部屋の床板や畳を剥がせば、その下に穴が開いていて再建可能な場合も多いようです。

 どうしても囲炉裏が欲しいときは、不動産屋さんを通じて床下に「埋まって」いないか、確認してみることをおすすめします。

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昔むかし、古民家ブームがあったと…

バブル経済全盛期、古民家は右から左に売れたそうです
バブル経済全盛期、古民家は右から左に売れたそうです

 「古民家ブーム」が時代を席巻したのは、いまから20年ほど前、バブル経済の終わり頃でした。

 カネ余りの世相を反映して、キャッシュを握りしめた都会モンが田舎へ田舎へと押し駆け、空き家になった古民家を凄い勢いで買いあさったといいます。

 ブームの波は安曇野にも押し寄せました。当時を知る不動産屋さんの話では、山間部に建つ廃屋同然の民家も、数千万円の売値を付けて店先にチラシを貼っておけば、1ヶ月とたたないうちに売れたそうです。

 買い手は首都圏や名古屋周辺の人で、自営業者が多かったようです。

 とにかく右から左に売れていくので、不動産屋さんも近隣を回って積極的に古民家探しをしたといいます。当時は今より状態のいい建物が残っていたため、「高価格でも確実に売れるから」と渋る地権者を説得。結果として優良物件がそれなりに出回ったそうです。

 インターネットがない時代、“もの好き”な都会モンは出物を求めて田園地帯の旧国鉄駅周辺を歩き回り、不動産屋を見つけると一目散に駆け込んで「古民家ない?」と聞いて回ったといいます。

 でも、バブル崩壊とともにブームはあっけなく終わりました。90年代の半ばぐらいまでは、まだ勘違いして高価格で売り出される家もあったようですが、当然ながら買い手は付かず、塩漬け→荒廃の道をたどりました。

 以来、今日まで古民家の価格は下がりっぱなし。現在は当時の半値から数分の1、場合によっては数十分の一で取り引きされています。

 建築史的な価値だとか由来などを一旦脇に置いて冷静に考えれば、古民家と言ったって、要はオンボロ家屋なわけです。二十数年かけてやっと常識的な価格に落ち着いたといえるんじゃないでしょうか。

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大峰高原の大カエデが色づいてきました

今週1週間が見頃でしょう
今週1週間が見頃でしょうか

 安曇野を見下ろす大峰高原の大カエデが、今年も色づいてきました。

 池田町5丁目の交差点からクルマで約15分。樹齢推定200~250年という巨大なカエデの木が草原の真ん中にポツンと立っています。

 昭和22年にこの地に入った開拓団が、あまりに大きくて根こそぎ除去できず、1メートルほど残して切り倒しました。そこから新しい枝が何本も生えて、扇状の見事な形に成長したのだそうです。

 現在の高さはおよそ13メートル。池田町の貴重な観光資源になっています。

 とはいえ、この季節に大カエデを見に来るのは、ほとんどが県内の方々。長野県限定のローカルな“隠れ紅葉名所”といってもいいでしょう。

 写真は23日(土)の午後に撮ったものです。あいにく雲が出てきて葉っぱの鮮やかな輝きは見られませんでしたが、ご覧のとおりギャラリーに周囲を取り巻かれ、鄙には稀な賑わいです。

 草原の一角に駐車場(というか、一応、線引きされた駐車スペース)があるのですが、松本ナンバーや長野ナンバーの乗用車で埋め尽くされていました。ここが満車になるのは、大カエデが見頃を迎える10月中旬~下旬の週末だけ。びっくりするぐらいの人出です。

 町役場が仮設テントを建てて観光案内所を開いていました。結構な人だかりで盛況でした。

 猛暑の影響があったのか、昨年に比べると紅葉は1週間ぐらい遅れているような気がします。今週1週間が見頃でしょう。

町の仮設観光案内所
仮設の観光案内所が開かれていました

 →地図はこちら!

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古民家専門サイトの物件は回転が速い

 「古民家、どこで探す?」の項でも書きましたが、古民家探しには専門サイトを利用するのがいちばんの近道だと思います。

 というのも、一般に町の不動産屋さんは、古民家なんて特殊な物件をそんなに熱心に仲介したがらないからです。

 考えて見れば当然です。耐火、耐震、耐熱、耐寒…どれを取っても古民家は現代建築に比べて大きく見劣りがします。建築基準法などの法令に100%則っているかと正面から問われたら、どんな悪徳不動産屋だって胸を張って「イエス」とは言えないでしょう。

 おまけに中古というより太古物件なわけですから、売買価格だっておおむね安い…ってことは不動産屋さんに入る仲介手数料も安いのです。取り扱いが面倒でリスキーなわりに一向に儲からない物件なんですね。

 一方、古民家専門サイトは各地の古民家をデータベース化していて、私のような“もの好き”が手を挙げてから動き出します。ITの手法でコストを抑え、ムダな経費を省いています。

 専門サイトにやってくる買い手は大概“もの好き”ですから、古民家に対して21世紀の耐震基準を要求したりはしません。ある程度、わけがわかっているというか、融通の利くお客さんが集まってくるのです。

 したがって、(優良な)古民家専門サイトでは物件の回転が速い。町の不動産屋さんに比べて古民家情報が豊富なのは当然として、つぎつぎに新しい物件が登場し、意外にもそれなりのペースで売れていきます。

 我が家の例で説明しますと、前のオーナーさんは当初、地元の駅前にある不動産屋に売買を委託しました。ところが、待てど暮らせど問い合わせがありません。不動産屋のオヤジに相談すると「価格が高いんだろう」と言われ、二度にわたって値下げしました。それでも一向に電話がかかってきません。丸4年間待っても、まともな問い合わせはただの一件もなかったそうです。

 思い余った前オーナーさんは、インターネット上に古民家専門サイトがあることを知り、半信半疑で運営会社(ネットに特化した不動産業者)に連絡を入れて物件登録をしました。直後から運営会社に問い合わせが入り始め、担当営業者はたびたび客を連れて現地案内に出向いたといいます。

 7ヶ月間に現地を見学したネットの客は20人以上。うち2人は契約寸前まで行ったそうです。ただローン審査が通らず、辞退しました。

7ヶ月間に現・我が家を見学したネットの客は20人以上。うち2人は契約寸前まで行ったそうです。
7ヶ月間に現・我が家を見学したネットの客は20人以上。
うち2人は契約寸前まで行ったそうです。


 私たちがサイト上から申し込んで見学に出かけると、現地に現れた営業マンはまさに立て板に水。なぜここまで流麗に物件説明をできるのかと訝しく思いましたが、いろいろな人を相手に週一の割合で間取りやら周辺環境やらの説明を繰り返すうちに、ウグイス嬢も顔負けの話芸を確立してしまったらしいのです。

 山の中の太古物件を買ってしまった私たちも、たしかに“もの好き”ですが、私たち以前にここを見に来た“もの好き”が20人以上もいたというのが、大きな驚きでした。

 古民家とインターネットの相性が意外にも良い、ということを実感した瞬間でした。

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古民家専門サイトの正しい“見方”

 「古民家、どこで探す?」の項でも書きましたが、古民家専門サイトは更新頻度の高いページを複数選んで「お気に入り」にブックマーク。1週間に一度ぐらいの頻度でチェックしてみるのがいいと思います。

 都道府県や住みたい地域で絞り込み、価格や敷地・建物の広さ、田畑や果樹園などが付いているか…など諸条件をチェックしながら、気になる物件を選びます。

 同じ物件が別のサイトに掲載されている場合も多く、サイトによって説明文や諸元表の内容、写真の掲載枚数に違いがありますから、複数のページで情報を拾うようにします。

 定期的にサイトを訪れているうちに、家の傷み具合やボロさ加減、手を加えるべきところなどがおのずとわかってきます。価格の相対評価(相場観のようなもの)も見えてきます。

 「これは」という物件を見つけたときも、慌てる必要はありません。一般の中古住宅と違って、古民家はそうそう売れるものじゃありません。サイト運営会社に連絡を取る前に、もう一度、同じような条件の他物件を探すなどして、価格の妥当性を十分、検討してみるべきです。

 掲載開始から数ヶ月たっても買い手がつかない物件が、ある日ひっそりと値下げしていることも珍しくありません。なにしろこの不況下です。ゆっくり構えて納得のいくまで吟味して、それからメールしても遅くはないと思います。

ある日ひっそりと値下げしていることも…ある日ひっそりと値下げしていることも…

 私たちの場合も、今の家をサイトで見つけてから数カ月間は、ただ眺めているだけでした。いつまでたっても売れないので、もしやこれは写真や説明文に書いていない致命的な不具合があるんじゃないか、それなら値下げ交渉もできるんじゃないかと思い、次第に関心が募ったのでした。

 フタを開けてみれば、サイトに載っている以上の欠点や不具合(最初からちゃんと書いてありました)はなく、不動産屋さんを間に挟んで価格交渉もしましたが値下げも実現しませんでした。それでも、じっくり眺めている間に他のいろいろな物件と比較する機会が増え、この家の良さが相対的に納得できたのです。

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古民家、どこで探す?

専門サイトで探すのがおすすめです。
専門サイトで探すのがおすすめです。

 家探しといえば、普通、不動産屋を回ったり、住宅情報誌や住宅情報サイト、新聞の折り込みチラシなどを利用します。新築も中古も、方法はおおむね一緒でしょう。

 でも、探し物が「古民家」になった途端、難易度はぐーんとアップしてしまいます。中古住宅を紹介するチラシやサイトには「築20年」「築30年」ぐらいの物件はわりに見つかるもんですが、「築65年」「築100年」などというシロモノはそもそも載っていません。中古物件というより太古物件に近いそんな家を、わざわざ大枚はたいて買いたい、なんて奇特な人がいないからでしょう。

 というわけで、古民家探しの方法はおのずから限定されます。私の知る範囲でいえば、およそ次の3パターンじゃないかと思います。

 (1)知り合いの紹介で

 古民家に住んでいる人が維持しきれなくなって売りに出したり、近所の古民家が空いているのを知って教えてくれたり…そんなナマ情報を口コミでキャッチするケースです。

 売り主や口を利いてくれる人が実際の物件をよく知っている場合が多いので、物件それ自体に関しては安心・確実度が高いといえます。

 反面、売り主との間で相対取引をする場合、土地の権利が複雑に分かれていたり、境界線が曖昧だったりして、のちのち所有権をめぐる紛争に巻き込まれたりすることもあるようですから、購入時には書類等をきちんと確認しておくのが大切です。トラブルを避けるために不動産会社を介在させるほうが無難かもしれません。

 もっとも、“古民家の売り出し情報を持っている友人知人”なんてものは、おいそれといやしません。不動産は縁のもの、知り合いの紹介でたまたまいい物件にめぐり逢えたら大ラッキー、ぐらいに考えておいたほうがいいかもしれません。


 (2)不動産屋をめぐる

 従来型のいちばんオーソドックスな方法です。古民家が残っていそうな地域の鉄道を利用して一駅一駅、下車し、駅前の不動産屋を冷やかしていくという“地回り”的探索です。

 旧国鉄駅前の不動産屋さんには、時折、古民家の売り出し情報が寄せられるようです。私の知り合いにも“足で稼いで”ついに理想の古民家を探し当てた、という人が何人かいます。

 ただし、都会モンが憧れる古民家は「冬寒い」「地震が怖い」などの理由で地元の人たちにはおおむね不人気。せっかく出た物件広告も全然注目されないまま、つぎつぎに押し寄せる新物件に埋もれてしまうのが実情のようです。

 「地元の不動産屋で探したほうが割安」というのも幻想です。世間相場を知らず、強気に値付けをしていることもあったりして、とりたててお得なわけでもありません。

 粘り強い性格で、鉄ちゃん気質の持ち主ならば、休日を利用して各地を訪ね歩き、ついにお宝ゲット!ということも可能でしょうが、私のようなナマクラ人間にはなかなか真似のできない方法です。


 (3)専門サイトで探す

 ネット上には、いわゆる住宅情報サイトとは別に、古民家物件だけを集めて紹介する専門サイトがあります。試しに、グーグルのサーチエンジンで「古民家 物件探し」「田舎暮らし 物件」などと入力し、検索してみてください。数万件のページがヒットします。

 出てくるサイトは全国ネットで手広くやっているところから、エリア限定で物件紹介をしているところまで規模はまちまちです。手当たりしだいに見ていくと、物件数が豊富で更新頻度が高いサイトと、まるで古民家のように長い歳月さらしものになったまま、全然情報が新しくなっていないサイトのあることがわかってきます。

 当然、しょっちゅう更新しているサイトを選んで「お気に入り」にブックマーク。1週間に一度ぐらいの頻度でチェックしてみるのがいいと思います。

 私たちは、この方法で約1年、いくつかのサイトを眺め続けて今の家を探し当てました。

 良心的なサイトには画像がふんだんに載っています。それらを眺めているうちに、家の傷み具合やボロさ加減、手を加えるべきところなどがおのずとわかってきます。価格の相対評価(相場感のようなもの)も見えてきます。要は継続的にサイトをチェックするうちに、古民家を見る目が養われていくのです。

 古民家の多くは辺鄙なところに建っています。たった一軒の物件を見に行くにも半日仕事、一日仕事です。専門サイトで舐めるように物件画像を見て、目を肥やしたうえで「これぞ」と思う物件を絞り込んで見学に行くのが賢い方法だと思います。

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古民家って、何なの?

改修前の我が家です。 改修前の我が家です。

 古民家って、なんとも言えずいいイメージの単語ですよね。字面がこぢんまりしていて『まんが日本昔ばなし』っぽいですし、「こみんか」という言葉の響きにもなんだか懐かしさが漂います。私も言葉の魅力にコロリと参ってしまったひとりです。

 ところが古民家の定義となると、これが曖昧模糊としています。

 一般的には戦前に建てられた古い日本建築のことを「古民家」と呼ぶようです。釘を1本も使わずに材木を組み合わせて建てることを、建築用語で「伝統的軸組(じくぐみ)工法」というそうですが、古民家はこの「伝統的軸組工法」で造られています。

 では、釘を1本も使わずに材木を組み合わせて最近、建てた建物も古民家なのか、といえば無論そうではなく、やはりそれなりに古くなければいけません。

 どの程度、古ければただの民家じゃなくて古民家になるのかははっきりしませんが、伝統工法が守られていた昭和20年ぐらいまでの建造物を、世間では「古民家」と呼んでいるようです。

 ところが不動産業界の場合、この定義はさらに曖昧で、見た目が古かったり、築20年ぐらいだけど太い柱と漆喰を使っていて、いかにも古民家っぽく見える建物までひっくるめて古民家と言ってしまうこともあるようです。

 私の知っている不動産屋さんは、築50年以上の民家を「古民家」、それより新しい和風の建物を「田舎家(いなかや)」と呼んで、なんとなく区別しているといいます。

「いつ建ったかわからないけど木造で、ひたすらボロい家ってのもありますよねぇ?」

と水を向けると、その不動産屋さんは、

「ありますよねぇ。そういう物件は、お客様にあんまり過大な期待を持たれても困るんで、私らは『あばら屋』って紹介してます」

 とのことでした。なるほど!

土間の大黒柱です。
土間の大黒柱です。

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築141年じゃなくて、移築後141年でした!

 我が家の築年が登記簿に「明治1年」と記載されていることについては「私たちの家のこと」の項に書きました。明治元年は西暦1868年ですから、購入した時点で141年が経過していた計算になります。

 「築141年か……相当、古いなぁ~♪」

 と無闇に感心していたある日のこと、見知らぬお年寄りがひょっこり訪ねていらっしゃいました。聞けばこの方、20年前に前オーナーにこの家を売った地主さん……つまり、元々の持ち主だったのです。

 前々オーナーの元・地主さんは、家の来歴について興味の尽きないお話をたっぷり聞かせてくれました。機会があればこのブログでも紹介したいと思っていますが、驚いたのは家の築年数についてでした。

 登記簿に「明治1年」と書いてありますが、と尋ねると前々オーナーの元・地主さんは首を振って、

 「いやいや、それはこの土地に家を移築した年のことでしょう」

 と言うのです。じつはこの建物は、それより遥か昔、安曇野からさらに山奥に分け入った山間部に建てられたもので、江戸時代の終わりか明治の初め頃に一旦、バラバラに解体されてこの場所に移ってきたのだそうです。

 「ほら、ごらんなさい。ここにその時の跡が残っているから」

 そう言って元・地主さんは縁側の天井板を指さしました。よく見ると、板の表面に墨字で符号とともに「七号」「八号」……連番が記してあります。解体した家のパーツを復元する際に、大工さんが間違わないよう目印を付けた跡だそうです。

天井板のこの部分に……
天井板のこの部分に……

符号とともに「七号」「八号」……連番が記してあります。
符号とともに「七号」「八号」……連番が記してあります。

 とすると一体全体、建ってからどれぐらい年月を経ているのでしょうか?

 「いやあ、相当古いとは聞いているけどね、何の記録も残っていないからねぇ……」

 元・地主さんは、まず間違いなく150年以上は経過しているだろうと呟いておられました。

 ことによると我が家は、明治元年に「古民家再生」されて今の場所に建て直された物件なのかもしれません。明治元年の時点で、すでに古民家だった可能性すらありそうです。

 伝統的な日本家屋の持ちの良さというか、生命力の強さを痛感した次第です。

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私たちの家のこと

購入当時の我が家です。
購入当時の我が家です。

 私たちは現在、安曇野を見下ろす山中の一軒家に住んでいます。2009年、縁あってこの家と出会い、手に入れました。

 総二階の伝統的な日本家屋で、茅葺きの上に亜鉛メッキ合板の屋根が葺いてあります。登記簿によれば家屋の種類は「養蚕住宅」(!)、築年は「明治1年」(!)と記されています。

 明治期以降、地方の農家の貴重な現金収入源だった“お蚕”を育てる農家だったということです。明治元年は西暦1868年ですから、私たちが購入した時点で141年が経過していました。

 都内在住の土建屋さんが20年前に地主さんから買い取り、別荘として大事に使っていらしたのですが、いろいろあって手放すことになり、10年前から売りに出していました。

 しかし、バブル崩壊後の不景気の波に飲まれて一向に買い手が現れず、10年間、空き家状態だったそうです。

 売り出して10年が経って、ひょんなことから私たちの目に止まり、譲っていただくことになりました。

 普通、10年間も空き家だと、家はボロボロに荒廃しています。雨漏りしてあちこち腐り、床が抜け落ち……どうにもならないあばら屋と化してしまいます。

 ところが幸いなことに、前オーナーは“古民家原理主義者”とでもいうべき一途な方でした。余計なモノを一切、付け加えない代わりに、ヘタってきた箇所にはチョコチョコ手を加え続けていたのです。おかげで、家の状態はそれなりに良好でした。

 経時変化による家全体の傾きや、濡れ縁・雨戸など風雨に晒される場所の崩落などはありましたが、家の躯体に関わる柱や根太(ねだ)類は良く乾燥していて、問題はありませんでした。雨漏りもまったくしていません。シロアリ禍も見られませんでした。

 購入後、傷んだ箇所を大工さんに修繕してもらい、また水回りがなかったのでバス、キッチンを新設したり、障子戸しか付いていない外窓にアルミサッシのガラス窓を取り付けたりして、まずまず快適な住まいに生まれ変わりました。

 以来、この家で“古くて新しい暮らし”を楽しんでいます。親子3人+犬1匹にはちょっと広過ぎる家ですが、がらんとした空間が都会にはない余裕というか余白を生み出しています。ゆっくり生活するにはもってこいの住環境だと感じています。

 これから、この家の内外で見聞きした安曇野の情報を折々、お伝えしたいと思います。

板の間は吹き抜けになっていました。
板の間は吹き抜けになっていました。

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プロフィール

あづみ

Author:あづみ


都会から安曇野の古民家に親子3人で移住しました。夏涼しく、冬は想像を絶する寒さですが、ハラを括って暮らせば何とかなるものです。

その後、縁あって畑付きの田舎家をゲット。現在は山中の古民家と里の家とを行き来する日々です。

安曇野に興味のある方、また古民家に暮らしたいと思っていらっしゃる方、よろしかったらお立ち寄りください。

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