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床の間の藤壺(ふじつぼ)に究極の御大尽(おだいじん)を見た!

 栗と北斎の町・小布施(おぶせ)を日帰りで見て回りました。

 一帯には様子の良い町家があちらこちらに残っていて、古民家マニアの私たちにはこたえられないスポットでした。

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 なかでもこちらの「翛然楼(ゆうぜんろう)」は、小布施きっての大富豪にして葛飾北斎の大旦那だった高井鴻山(たかい こうざん)の書斎だった建物。小布施町の史跡に指定されています。

 築200年以上経っているはずですが、手入れが行き届いていて全然ガタピシきていません。

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 二階の客間中央には鴻山愛用の趣のある火鉢が置かれています。鴻山はこの部屋で北斎に絵の教えを請い、また幕末には佐久間象山や勝海舟と激論を戦わせたといいます。

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 客間のさらに奥に進むと、ご覧のこぢんまりした奥座敷が現れます。

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 床の間には鴻山の漢詩の掛け軸が掛かっています。掛け軸の上のほうを見るともなしに眺めていたら、おや?…何だ、この凸凹ザラザラした壁面は?

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 天井と床の間との間の細長い壁が、妙に立体的に浮き上がって見えるのです。

 石灰のような白さに、ところどころ薄紫色のものが混じっています。

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 間近で観察してびっくり。な、なんとそれらはすべて藤壺(ふじつぼ)でした。

 左右に渡した板の表面に藤壺がびっしり付着しているじゃありませんか!

 剥がれた跡が残っているので、おそらく完成当時はもっと密に付いていたはずです。

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 江戸時代には接着剤なんてありませんから、たぶん製材した板を海水に浸して藤壺がくっ付くまで気長に待ったのでしょう。

 各地の古民家を趣味で見て回っている私たちですが、藤壺を床の間の壁にあしらった例など見たことがありません。

 しかも海の無い信州でこんなことをしているんですから…究極の贅沢、御大尽(おだいじん)の為せる技としか言いようがありません。

 さすが北斎の大スポンサー高井鴻山。恐れ入りました。

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高井鴻山記念館
https://www.town.obuse.nagano.jp/site/takaikouzan/



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ライオンやシロクマまでいるってヘンじゃない?「四賀化石館」

 安曇野はフォッサマグナの西端、糸魚川静岡構造線といわれる大断層線の真上に位置しています。

 元はだったところが隆起して、ちょうど安曇野あたりで西日本側の陸地とドッキングしました。

 そのため周辺一帯では、1200~1400万年ほど前の貝や海獣の化石が多数、出土しています。

 特に安曇野のお隣、松本市四賀(しが)地区は超レアな古代クジラの全身化石がほぼ完璧な状態で見つかるなど、考古学的に重要なエリアとして知られています。

 発見された化石類は、同地区の松本市四賀化石館にまとめて保存・展示されていると聞いて、先日、見に行ってきました。

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 入場料は大人310円。1階のメイン展示場に入ると、天井から吊り下げられた巨大なヒゲクジラ(現代)の骨格見本がどーんと目に飛び込んできました。

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 白い骨格標本(レプリカ)の真下には、一回り小さいけれど負けず劣らず大きな全身骨格化石が陳列してあります。この地で発掘された世界最古の古代マッコウクジラです。

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 展示パネルによると、1986年に川で釣りをしていた小学5年生の山田智久くんが、動物の歯の化石を発見したのが発端でした。

 当初、専門家もこれが何の化石なのか皆目、見当がつかなかったそうですが、調査によって未知のクジラとわかりました。

 シガマッコウクジラと名付けられたこの古代クジラは、その後の研究で、現代のマッコウクジラとは似ても似つかない獰猛な肉食獣だったことがわかってきます。

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 たしかに言われてみれば下アゴが異様に発達していて、魚や小さな海獣をバリバリ食いちぎりそうな面構えをしています。クジラというよりは恐竜に近い印象です。

 この全身骨格化石を見るだけでも310円を払う価値はあるなと思いました。

 他にも、安曇野市豊科地区で発掘された古代貝や絶滅した海獣アロデスムスの牙の化石など、興味深い展示物が所狭しと並んでいて、興味が尽きませんでした。

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 じっくり見て回り、出口に向かうと、受付のオジサンが「2階も見て行ってください」と声をかけてきました。

 あ、上の階にもまだあるんだ、教えてもらってよかった、と思いながら階段を上がり、入った部屋に仰天。

 な、なんとそこは世界中の動物たちの剥製をランダムに並べた「剥製ルーム」だったのです。

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 シロクマがいます。ライオン、クロヒョウもいます。ワニは口をパックリ開け、壁に張り付いてこちらを威嚇しています。

 一応、それぞれの動物には博物館らしく短い説明テキストが付いていますが、一体全体こりゃ何なんだ?

 全然、化石じゃないし、第一、日本とは縁もゆかりもない猛獣たちのオンパレード。

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 昭和の時代、田舎の温泉場なんかにあった秘宝館かと見まごうばかりのカオスな世界が、眼前に繰り広げられていたのでした。

 恐るべし、四賀化石館(の2階)!


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松本市四賀化石館




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シブ~イ企画展が光った安曇野山岳美術館

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 長野県は博物館・美術館の数が日本一多いと言います。

 たしかに信州を旅すると、こんなところにゃおサルやタヌキしかやって来ないだろうな、と思える辺鄙な場所にも、立派なミュージアムが建っていたりします。

 気になって総務省統計局が出している社会教育調査をひもといてみました。

 この表は、美術館を含む博物館と博物館類似施設の数を都道府県別にまとめたものです。

 ご覧ください。本当に長野県が日本一だったんですね。

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 ちなみに、上表は2015(平成27)年度の調査結果ですが、総施設数を2011年度の同じ調査と比較すると、さらに驚くべき事実が判明します。


    2011年度 2015年度
 全国  5,747  5,690
 長野   359   362


 全国的には予算削減などで4年間に57施設も減っているのに、なんと長野県では3施設分が純増していたんです!

 文化事業に熱心な土地柄なんでしょうが、それにしても首都・東京を上回っているんだからハンパじゃありません。正直、少しハリキリ過ぎなんじゃないの?って気がしなくもありませんが。

 そんなミュージアム大好き県・長野にあって、恐らくここ安曇野は軽井沢と並ぶ博物館・美術館の過密地帯じゃないかと思います。

 安曇野市から白馬村にかけての約50キロ圏内に、わかっているだけでも美術館が19も点在しているんです。地元ではこの19施設を結ぶルートを「安曇野アートライン」と呼んで観光促進に力を入れています。

 安曇野に暮らし始めて早9年が経とうという私たちですが、じつは田舎暮らしにかまけて、あまり美術館めぐりらしいことをした記憶がありません。

 先日、たまたまNHKのローカルニュースで「安曇野山岳美術館」の企画展の紹介を見たので、訪ねてみました。

 針葉樹に囲まれた林の一角に建つシックな美術館です。

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 ホームページによると、「北アルプスの麓で山岳絵画のみ展示する」ことを創立の精神として、日本で唯一の山岳画専門美術館として1983年に開館したそうです。

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 “山岳画専門”と謳うあたり、コンセプチュアルではありますが客層を最初から絞り込んだ、かなりマニアックな美術館です。

 平日の昼間ということもあって、入館者は私たちだけ。2つある展示室は山小屋風の梁と漆喰壁を生かした造りでした。

 ちょうど開館35周年を記念した展覧会が開かれていました。題して「~山への想い~ 足立源一郎展・畦地梅太郎展」。

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 足立源一郎は、北アルプスに画材一式を担いで登頂し、現場で油絵を描き続けたという山岳絵画の先駆者。険しい山の尾根にスキーをイーゼル代わりに突き立てて描く、足立画伯の鬼気迫る制作風景の写真が印象的でした。

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 少し小さいほうの展示室には、山の木版画家として知られる畦地 梅太郎(あぜち うめたろう)の代表作が並んでいました。ヒゲ面だけど素敵に可愛い山男たちのポートレイトが、目を引いてやみません。

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 館内には喫茶スペースもあって、ゆっくり過ごすにはもってこいの小さな美術館でした。

 山好きの人にはおすすめかな。

「安曇野山岳美術館」




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漆(うるし)に金箔!安曇野高橋節郎記念美術館で沈金体験!!

 美術館が目白押しの安曇野ですが、恥ずかしながら私たちは野良仕事に追われていて、あまり訪れたことがありません。

 先日、初めて地元の安曇野高橋節郎記念美術館というところに行ってみました。

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 高橋節郎(たかはし せつろう)は、安曇野が生んだ著名な漆芸家(ウルシを素材にした絵画やオブジェなどを創作するアーティスト)。

 こちらは2003年にオープンした、彼の代表作を常設展示する本格的な美術館です。

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 節郎の生家のあった場所に、ガラス面を多く取った現代建築の展示室(本館)が建っています。

 敷地奥の庭には、古民家再生された母屋や蔵などが本館と一体になるように配置されていて、なかなか居心地の良い庭園美術館です。

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 じつは私たちのお目当ては、同館で随時開催している「かんたん沈金体験」講座でした。

 沈金(ちんきん)というのは輪島塗などでよく使われる技法で、漆の塗り物の表面に刃物で文様を彫り、できた溝に金粉を押し込む工芸のことです。

 1~2時間ほどでお手軽に体験できるというので、参加費・大人1100円(美術館への入場料込み)を払って本館の別室で受講させていただきました。

 ビニールカバーを張り巡らしたデスクの上に用意されていたのが、こちらの黒い漆を均一に塗ったプレート(15×12センチ)と、同寸のカーボン紙。

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 プレート表面にカーボン紙を当てて、その上に下絵を描いた紙を1枚載せ、テープで固定します。

 下絵は白い紙に一から自作してもいいのですが、図案集が用意されていたので私たちは「シクラメン」「アルマジロ」選びました。

 下絵の線をボールペンでなぞり、プレートにカーボンを転写します。

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 転写したら小刀でプレート表面の漆をカリカリ削っていきます。あまり力を込めなくても、わりにすんなり刃が通りました。

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 ひと通り削ったところで、表面の溝に綿棒に浸した“工業用漆溶液”を塗っていきます。この溶液は、肌に付いてもかぶれないものだそうです。

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 溝の中に溶液が行き渡ったら、プレート表面に金粉を満遍なく振りかけ、ティッシュで伸ばしていきます。漆の溶液が接着剤の役割を果たして金粉を溝の断面に固定してくれるんですね。

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 残った金粉をティッシュでこすり取ったら完成です。ざっと小一時間で、こんな“沈金プレート”ができあがりました。完成品は紙袋に包んで持ち帰れます。

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 文字どおりの「かんたん沈金体験」でしたが、美術館のコンセプトに合った良質の講座というのが感想です。

 安曇野観光というと、わさび田を見学したりサイクリングしたりといったアウトドア系のアクティビティに目が行きがちですが、エアコンの良く効いた美術館の一室で心静かに沈金に打ち込む--というのも、なかなか悪くない過ごし方だな、と思いました。


安曇野高橋節郎記念美術館




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古民家にネコ、ネコ、ネコ!古裂(こぎれ)いな猫たちの日々

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 「古民家でネコの人形展が開かれている!」というので、安曇野高橋節郎記念美術館というところに行ってみました。

 高橋節郎(たかはし せつろう)は、安曇野出身の著名な漆芸家(ウルシを素材にした絵画やオブジェなどを創作するアーティスト)。

 こちらの美術館は彼の代表作を常設展示する施設です。

 本来、ネコ人形とは何の関係もありません。

 ですが3年前の夏から、毎年、ネコをテーマにしたユニークな作品展が敷地内にある再生古民家(節郎の生家)で開催されるようになりました。

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 出展しているのは、長野県駒ケ根市在住の人形作家、草田美津保さんとそのお弟子さんたち。

 古裂(こぎれ)作りのネコや鳥のぬいぐるみ?が、土間や廊下、和室、庭先に、まるで生活しているみたいな自然な雰囲気の中で展示されています。

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 板の間でじゃれ合うネコ、腰高障子(こしだかしょうじ)に前足を掛けて爪研ぎをするネコ。

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 卓袱台(ちゃぶだい)に乗ったスズメを下から見上げるネコ、畳に横っ腹をこすりつけてゴロニャン状態に浸るネコ。

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 …どのネコたちも本当に生き生きとした表情です。

 圧巻?は、土間の天井の梁にぶら下がったホッケの干物(これもぬいぐるみ)に大ジャンプ?して飛びついた瞬間のネコ。してやったりといった表情が良い味を出しています。

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 作者の草田さんがいらしたので、少し立ち話をさせていただきました。

 駒ヶ根で「とらきち工房」を主宰する草田さん。十数人のお弟子さんと、わいわいやりながらネコ、ネコ、ネコ…ひたすらネコの人形を作っていらっしゃるそうです。

 粘土で土台を作り、ちりめん古布を張り付ける技法だそうです。

 これまでにも各地で作品展を開いてこられましたが、3年前の夏、初めてここ高橋節郎美術館の母屋にあたる古民家で展示したところ、「いちばんしっくりくる!」とお弟子さんたちから大好評だったとか。

 以来、古民家の涼しい土間で避暑しながら、毎年、ネコ人形展を続けていらっしゃるそうです。

 今年の開催は7月27日~8月6日でした。来年も同じ時期に開かれると思いますので、ネコ好きの方はぜひ、足を運んでみてください。

 胸キュンですよ!

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安曇野ちひろ美術館の『聖コージズキンの誘惑展』がスゴイ!

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 大好きな絵本作家・スズキコージさんの個展が安曇野ちひろ美術館で開かれていると聞いて、家族で出かけました。

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 安曇野ちひろ美術館は、言わずと知れた故いわさきちひろの偉業を紹介するミュージアム。公益財団法人いわさきちひろ記念事業団というお堅い財団が運営しています。

 今回は、その企画展コーナーにおいて『聖コージズキンの誘惑展』と銘打ち、スズキコージさんの絵本の原画や大小さまざまなオブジェ、巨大画などをかなり大規模に展示・紹介しています。

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 繊細で可憐なちひろの原画が並ぶ常設展示コーナーを抜けて、別棟の企画展示室に足を踏み入れると、そこはいきなりラテンアメリカ・テイストの極彩色の世界でした。

 天井際まで張り巡らされた巨大な細密画、中南米の大統領?スタイルの等身大スズキコージ人形、木彫りの動物たちのオーケストラ…いろんなものが、ガヤガヤ賑やかに出迎えてくれます。

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 圧倒的な色彩と躍動する構図。ユーモラスでナンセンスな物語。生命の輝きを脳天気に描いているようでいて、じつは死のニオイが足下から漂ってくる不気味さ。

「ガルシア=マルケスの世界を絵で描いたら、きっとこんなふうになるんだろうな…」

 広々した展示室を見てまわりながら、改めて天才スズキコージさんの奥深さに気付かされました。

 考えてみれば同じ絵本作家といっても、いわさきちひろとスズキコージは水と油。まさに対極の存在です。

 それをものともせず、こんなに立派な展覧会を企画した安曇野ちひろ美術館の懐の深さには、敬服するばかりです。

 『聖コージズキンの誘惑展』は11月30日まで。安曇野ちひろ美術館に行ったら、ぜひ覗いてみてください。オーソドックスなちひろファンは卒倒しかねない、かなり刺激的な内容ですが…。


【安曇野ちひろ美術館】



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「新美南吉の青春展」へ行ってきました

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 先日、当ブログで新美南吉のことを書いたら、ご愛読いただいている田舎人さんから、

「北アルプス展望美術館で新美南吉の展示をしてますよ。
見に行ってください。」

 と教えていただきまました。

 灯台下暗し。地元の美術館でそんな素敵な展覧会が開かれていようとは、ついぞ知りませんでした。

 頭を掻き掻き、「新美南吉の青春展」へ出かけた次第です。

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 北アルプス展望美術館">北アルプス展望美術館は、北アルプスを正面に仰ぎ、安曇野一円を見下ろす小高い山の中腹に建っています。

 常設展示のほか、ときどき面白そうな展覧会を催しているのは知っていましたが、足を運んだのは今回が初めてです。

 大人800円の入場料を払って特別展示室に入ると、新美南吉が29年の短い生涯に残した生原稿や手紙類、童話が掲載された雑誌や初版本、そして肖像写真や愛用していた着物などが展示されていました。

 新美南吉は愛知県知多半島の出身です。安曇野とは直接関係ない人なんですが、いくつかの作品に信州の影響があるんだそうで、そこら辺を説明したコーナーもちゃんと設けられていました。

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 休日にもかかわらず観客はまばらで、展示物も“腹八分目”といった内容ではありました。

 生原稿の脇に置かれた説明書きが別のものだったり、とあるパネルの説明文が前半は「~である」調ではじまり、途中から「~ですます」調に変わってしまったりと、少々、詰めの甘さが目立ちました。

 とはいえ、新美南吉の生涯と作品について、ある程度、理解が深まるようには作られていたと思います。

 私たちの目を引いたのは、次の2枚の写真です。

 1枚目は昭和6年、18歳当時のカンカン帽のポートレイト。

 精一杯おしゃれをしていますが、痩せぎすで不健康そうによじれた体が印象的です。

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 もう1枚は、昭和10年11月、英語劇「リア王」を演じた南吉の女装姿。

 妖艶といいましょうか、凄みと幸薄さが混じり合った忘れがたい写真です。

 まさか新美南吉の女装写真を見られるとは思わなかったので、面食らいつつも来てみて良かったナと思ったのでした。

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北アルプス展望美術館">北アルプス展望美術館


大きな地図で見る

新美南吉の青春展

【会 期】2013年9月21日(土)~11月24日(日)
【時 間】午前9時~午後5時(入館は4時30分まで)


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プロフィール

あづみ

Author:あづみ


都会から安曇野の古民家に親子3人で移住しました。夏涼しく、冬は想像を絶する寒さですが、ハラを括って暮らせば何とかなるものです。

その後、縁あって畑付きの田舎家をゲット。現在は山中の古民家と里の家とを行き来する日々です。

安曇野に興味のある方、また古民家に暮らしたいと思っていらっしゃる方、よろしかったらお立ち寄りください。

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