インスタ映えはするけど“なんちゃって感”漂う「安曇野神竹灯(かみあかり)」
穂高神社の境内を竹灯籠のローソクの明かりで彩るイベント「安曇野神竹灯(あづみの・かみあかり)」が、今冬は7日間に拡大して開催されると聞き、初日12月2日(金)に行ってきました。
冬場、客足が遠のく安曇野の観光需要を盛り上げようと、市内の宿泊事業者が音頭を取って始めた催しです。
夜のイベントで泊まり客が増えるのを期待して、10年ほど前にスタートしました。
その目論見は当たったようで、去年は3日間の開催にも関わらず過去最多の2万4000人が訪れました。それなりに定着しつつある冬の行事なんですね。
ただ、師走の夜のイベントですから当然寒いわけで、モノグサな私たちは今まで足を運んだことがありません。
それでも「おいしいキッチンカーが出るらしい」という風の噂を頼りに、温かいものを食べに立ち寄ってみました。
広い境内のあちこちに約1万本の竹灯籠が配置され、そのひとつひとつにローソクの火が灯っています。
竹の中で炎が揺らめくたびに暗闇に微妙な陰影が生じます。なるほどインスタ映えする光景です。
ただ、たしかに“映え”はするんですが、写真を撮ってしまうとその先がありません。寒いしもういいや、帰ろっか、となってしまう茫漠感がついて回ります。
主催者側も、このとりとめのなさには気づいているらしく、境内の「神楽殿」で日替わりのミニ・コンサートを用意するなどエンタメ度を高めようと工夫しています。
そのコンサートですが、初日の開演は午後6時。20人ほどがガラス張りの神楽殿のまわりに三々五々集まってきました。
年配の男性2人が椅子に座ってギターとヴァイオリンを構え、卑弥呼?っぽい衣裳の女性が歌い始めた...のですが、あれ?声が聞こえません。
すぐに中断してマイクチェック。ヴォーカルが通ってリスタートすると、今度はギターがハウリング。ケーブルの調子が悪いらしく、ブーブーとノイズを拾います。
人垣の後ろで冒頭10分ほど見守っていたんですが、どうにも音響が安定せず早々に見るのを切り上げました。
後でライヴ情報をチェックしてびっくり。なんとヴァイオリニストは斎藤ネコさん(ゴンチチや椎名林檎とのコラボで有名)だったんですね。一流の演奏家を迎えながらPAトラブルで躓くとは。ちょっと残念でした。
そうこうするうちに体が芯から冷えてしまい、一目散にキッチンカーのコーナーへ。目に入ったのは松本からやってきたというパニーニの専門店「Hibi Kitchen」でした。
「ベーコン、パプリカ、トマト&チーズ」と「柚子クリーム、サラダチキン」の2種類をその場で調理してもらい、むしゃぶりつきました。うまい!温まる!
やっぱり安曇野の冬の夜は花より団子、神竹灯よりパニーニでした。