fc2ブログ

意外に増えない囲炉裏の灰事情

 引っ越し当時、我が家の囲炉裏は灰がカチンカチンに固まっていて、見るも無惨な状態でした。

2016080701.jpg

 以前のオーナーさんに話を聞くと、10年間ほど火を入れていなかったというのです。これでは灰が硬化してしまってもやむを得ません。

 さて困ったぞ、どこぞで囲炉裏の灰を売っていないかな?…と探していると、あるところにはあるんですね、これが。

 良質の灰はヤフオクに出品されていました。

 私たちが購入したのは、

 ★灰10キロ!木灰!肥料!火鉢!囲炉裏! -福島県田村郡小野町産-(落札価格2500円)
 ★木灰(ダンボ-ルに1箱)火鉢・囲炉裏 -愛媛県松山市枝松産-(落札価格2000円) 

の2種類。どちらもサラサラでキメの細かい白い灰でした。固まってしまった古い灰(の残骸)を捨てたあとに宅配便で届いた2箱の灰をつぎ足し、よく掻き混ぜて囲炉裏を“再起動”しました。

2016080702.jpg

 あれから7年。以来、週1回ぐらいのペースでここで夕飯を調理しています。

 燃料は、ごらんのように薪、木炭です。写真には豆炭も写っていますが、これはダッチオーブンの上に載せて加熱した時の残り。普段は木炭が“主燃料”です。

2016080704.jpg

 不思議なもので、7年にわたって毎週せっせと燃やしつづけているのに、囲炉裏の灰の“嵩(かさ)”にはほとんど変化がありません。

 てっきり薪ストーブのように、定期的に灰掻きをしなけりゃいけないのかと思っていたのですが、実際はメンテナンスフリーだったんですね。

 一部は宙に舞って飛んでいってしまうのかもしれませんが、なぜ灰は増量しないのでしょうか?

 考えてみると謎です。
 
2016080703.jpg




人気ブログランキングへ  にほんブログ村 ライフスタイルブログ 古民家暮らしへ  にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 安曇野情報へ  
ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします。



  



テーマ : 信州
ジャンル : 地域情報

炉端焼きのおいしい季節がやってきました

2016112701.jpg

 冬の囲炉裏部屋は、けっして長居したくない空間です。

 昼間でも室温が零度近くまで下がるし、夕飯時には凍りつくような寒さに包まれて、料理の味もわからなくなる有様です。

 ヒノキ板を張った床は吸い付くように冷たく、せっせと火を炊いても暖気がみんな天井に上っていってしまいます。

 正直、こんなところに片時もいたくない...と、そんな気持ちになってしまうんです。

2016112704.jpg

 でも、4月とともに朝晩の寒さが緩みはじめると、超寒がりのチワワも囲炉裏のまわりをウロウロしはじめます。

 昨夜の食事のおこぼれがないかと鼻を利かしているんですね。

まして味覚の秋は、囲炉裏を賑わす旬の食材がよりどりみどり。

2016112702.jpg

 今年も炉端焼きの季節がやってきました。今夜は何を作ろうかな?

2016112703.jpg



人気ブログランキングへ  にほんブログ村 ライフスタイルブログ 古民家暮らしへ  にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 安曇野情報へ  
ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします。



  



テーマ : 信州
ジャンル : 地域情報

古民家のクリスマスは、松ぼっくりに火をつけてお祝い?

2015122401.jpg

 ・古民家正月
 ・古民家クリスマス


 イメージ的には、どちらがしっくりくるでしょうか? 言うまでもなく、「古民家と正月」ですよね。

 事実、門松も七五三縄も鏡餅も、古民家に飾るとそれはそれは見栄えがします。

 反対に全然フィットしないのが、クリスマスツリーやイルミネーション。

 数年前のクリスマスに、玄関の引き戸にリースを短時間、飾ってみたことがあります。でも、見ていて胸苦しくなるほどミスマッチで、早々に撤去したのでした。

 それでも毎年、クリスマスっぽい演出をしてみたくなるのが人情というもの。何か良いいアイデアはないかと密かに考えていました。

 そんな時、知人から面白い“飛び道具”が届いたのです。

 “ちょっと技あり”な松ぼっくり

 何が“技あり”かというと、表面に特殊な色素が吹き付けてあって、火中に投じると青~緑色の炎がメラメラと出るんだそうです。

2015122404.jpg

 薪ストーブ用のアクセサリとして売られているものらしく、本来の使い方としては薪ストーブに薪と一緒に入れて火を点し、ガラス窓越しに見て楽しむのだとか。

 我が家では直接、囲炉裏の炭火に載せて着火してみました。

 赤く熾きた炭の上に松ぼっくりを1個、置きます。

 するとたちまち火が移り、松ぼっくりは鮮やかなコバルトブルーの炎に包まれました。

 しかも意外に火持ちがよく、1個で15分間ぐらいは燃え続けます。

2015122402.jpg

2015122403.jpg

 いつもはオレンジ~赤の炎に支配されている囲炉裏が、つかの間、色とりどりの炎で賑やかに輝きました。

 多少、クリスマスのイルミっぽくなったと申しましょうか。

 古風このうえない囲炉裏のまわりに、ほんの少し洋風?な気配が漂った瞬間でした。


人気ブログランキングへ  にほんブログ村 ライフスタイルブログ 古民家暮らしへ  にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 安曇野情報へ  
ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします。



  



テーマ : 信州
ジャンル : 地域情報

ベトナム製のあぐら椅子は囲炉裏に最適です!

 昔の人は、囲炉裏に向かう時、板の間にじかに座っていたようです。

 私たちも真似してみましたが、板の間はゴツゴツしていて痛いし、お尻が冷えるしで、どうにもいけません。

 松本の雑貨屋さんに藁で作った丸座布団があったので、それを買ってしばらく敷いていました。

 中に少々、アンコが入っているので座り心地はそこそこ。ですが長時間、あぐらを掻いていると股関節がギシギシしてきて、これまたしんどくて仕方ありません。

 要は体が硬いんでしょうが、囲炉裏端でダラダラするにはもうちょっと楽な姿勢がいいなぁ、と思っていました。

2014020801.jpg


 先日、ネットで「シーグラスを使った、ハンドメイドの温もり伝わる素朴な椅子。あぐら椅子」というものを見つけ、ものは試しと2脚、買ってみました。

 パイン材の天板に4本脚が生えています。天板には、いかにもアジアン家具という感じでシーグラス(水草の藁ですね)が巻いてあります。

 幅44センチ、奥行き33センチ、高さ10センチ。思ったより小さくて、お尻に敷くとすっぽりはまって見えなくなる感じです。

2014020802.jpg

2014020803.jpg


 座ってみて納得! わずか10センチでも体が浮いた分、股関節の締め付けがゆるくなり、圧倒的に楽なんですね。

 これなら長時間、座り続けても大丈夫そうです。やっと心置きなく囲炉裏に向かえるようになりました。

 お値段は4,980円。大きさの割に少々、お高いような気もしますが、すっかり気に入ってさらに2脚、追加注文してしまいました。

2014020804.jpg


 ちなみに、このあぐら椅子はベトナム製です。作りはしっかりしているんですが、2つのうちの片方には、写真のような大きな凹みと塗装ムラがありました。

 古民家で使うので、ぜ~んぜん気になりませんが、一般的にはこれ、返品対象じゃないのかな?…ま、品質管理が大雑把なところもアジアン家具っぽくて“味のうち”かなと思っていますけど。

2014020805.jpg



人気ブログランキングへ  にほんブログ村 ライフスタイルブログ 古民家暮らしへ  にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 安曇野情報へ
ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします。



テーマ : スローライフ
ジャンル : ライフ

牛方宿(うしかたやど)で見かけた二種類の囲炉裏と「箱まくら」

 「『塩の道:千国越えコース』は古民家ざんまい」にも書きましたが、安曇野の北、1時間半ほどに位置する小谷(おたり)村には、昔ながらの信州の家並みが今も残っています。

 先日、私たちはその小谷村が大切に保存・整備している「塩の道:千国越えコース」をウォーキングしました。

 「塩の道」とは、交通が未発達だった明治時代以前、塩を運搬するために利用された産業道路のことで、長野県、新潟県、愛知県など各地に残っています。

 そのひとつで、もっとも有名な塩の道として知られる「千国(ちくに)街道」の一部が、ここ小谷村を南北に抜けているのです。

 日本海から塩や海産物を背負った歩荷(ぼっか)さんや、塩を牛に牽かせて運んだ牛方(うしかた)さんが頻繁に往来した山岳路で、街道沿いには宿場町や寺社、道祖神、牛頭観音(道中死亡した馬や牛の霊を慰める観音様)などが点在しています。

 私たちは、小谷村の栂池(つがいけ)高原からJR大糸線の南小谷駅までの約6.8km、およそ3時間の行程をウォーキングしました。

 非常によく整備されていて歩きやすく、途中に牛方が牛と一緒に寝泊まりした「牛方宿(うしかたやど)」や番所跡などの史跡もあって楽しめました。

 特に面白かったのが「牛方宿」です。大人300円の入場料を払い、建物に入ると、いきなり巨大な土間に足を踏み入れることになります。

2013090701.jpg

2013090702.jpg

 土間の左手には牛を留め置くスペースがあり、その真上の中二階に、牛方(うしかた)の寝床(といっても、ただの板の間ですが…)が見上げられます。

 土間の奥は左右に分かれていて、向かって右手が一般客用の座敷、左手が牛方が食事をするための板の間です。

2013090703.jpg
向かって右が一般客用の畳の間。左が牛方用の板の間

 左右両方にそれぞれ囲炉裏が切ってあるのですが、その差は一目瞭然。一般客の囲炉裏は周囲が畳敷きでいかにも暖かそう。方や牛方用の囲炉裏は板敷きで見るからにひんやりしています。

2013090705.jpg
一般客用の囲炉裏

2013090704.jpg
牛方用の囲炉裏


 板の間の隅に小さな棚があって、幅30センチ、高さ10センチほどの木箱が整然と収納されていました。

 手書きの説明によると、これは「箱まくら」。旅の牛方にレンタルした枕だそうです。

2013090706.jpg
これが「箱まくら」

 よく見ると、板の縁には垢や脂のようなものがこびりついています。牛方さんの垢の跡なんだそうです。

 囲炉裏も別なら枕も垢じみたレンタル品…身分制度が厳然として存在した時代とはいえ、牛の背中に塩を載せて山中を行き来した往時の牛方の苦労が偲ばれる展示品です。

 牛方は時として峠道でオオカミに遭遇し、襲撃されることもあったとか。

 そんな時には、牛で周りを固めて身を護ったそうです。牛は外敵に襲われると激しく暴れて抵抗するため、牛の群れの中央に身を置いていれば大丈夫だったんだそうです。

 塩とは、そんな大変な思いをしてまで運ばれる貴重品だったんですね。


牛方宿(うしかたやど)


大きな地図で見る

人気ブログランキングへ  にほんブログ村 ライフスタイルブログ 古民家暮らしへ  にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 安曇野情報へ
ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします。




テーマ : スローライフ
ジャンル : ライフ

囲炉裏とIHヒーターを行き来する南部鉄瓶は“時の旅人”?

2012022501.jpg

 囲炉裏といえば自在鉤、そして自在鉤の先にぶら下げるのは鉄瓶(てつびん)と相場が決まっています。

 私たちも、壊れかけた囲炉裏を再建後、真っ先に探したのが黒光りする鍋と鉄瓶でした。

 鍋は、使い潰すつもりでホームセンターで木蓋付きの安物を購入しました。使い勝手がよくて、毎日のように愛用しています。

 一方、鉄瓶は「やっぱ南部でしょう」ってことで、南部の鉄瓶を探しました。

 ところがところが。“南部鉄瓶”というのは(あたりまえの話ですが)大層立派なブランドでして、小ぶりなものでも平気で2~3万円するんですね。

 ひとつひとつが熟練工の手作りだってことはわかります。砂を固めた鋳型に文様をかたどり、溶かした鉄を流して作っているってことも聞いてます。仕上げに漆を焼き付けて、あの独特の漆黒の色合いを出しているっていうのも、考えてみれば大した手間です。

 しかし、日々、湯を沸かすのに使うヤカンに2万も3万も投じるのはナンだなぁ…と、ついついケチ臭いことを考えてしまいました。

 そんな時に便利なのがヤフオクです。調べてみると、結構いろんな鉄瓶が出品されていることに気がつきました。

 錆だらけでガラクタ同然のものもありますが、根気よくチェックしていくうちに、新古品の「宝珠形 霰鉄瓶」というのを見つけました。

 出陳者のコメントには、「南部盛榮堂製で未使用」と書いてあります。

 オークション開始価格は1000円。見つけたときすでに数日が経っていましたが、他にも鉄瓶が多数、出品されていたせいか入札は低調で、3900円で落札できました。

2012022503.jpg

 届いたのが写真の鉄瓶です。外径は18センチ弱で、底径は9センチあまり。我が家の大きな囲炉裏に吊るすと何だかミニチュアっぽく見えますが、あっという間に湯が沸くので、じつはこれぐらいがちょうど使いやすいサイズなんだと知りました。

 意外だったのは、キッチンのIHクッキングヒーターでも使えたことです。使えるどころか、IHと鉄瓶の相性は非常に良いことにびっくりしました。

2012022502.jpg

 クッキングヒーターの上に水をたっぷり入れた鉄瓶を載せて最強モードでスイッチを入れると、ものの2分で注ぎ口から熱湯が噴き出します。

 嬉しいことに鉄瓶の蔓(つる)は中か空洞になっているらしく、熱が伝わらないので素手で握っても大丈夫なんですね。

 鉄瓶で沸かしたお湯には鉄分が溶け込むそうで、とてもまろやかな口あたりになります。緑茶、紅茶、烏龍茶、コーヒー、そして焼酎のお湯割りが、ぐんとおいしくなったような気がします。

 というわけで、我が家の「宝珠形 霰鉄瓶」は、目下、囲炉裏とIHヒーターという新旧両極端の調理器具の間を、あたかも“時の旅人”のように行ったり来たりの大活躍です。

人気ブログランキングへ  にほんブログ村 ライフスタイルブログ 古民家暮らしへ  にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 安曇野情報へ
ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします。


テーマ : スローライフ
ジャンル : ライフ

殺風景な板の間に、透明ガラスの壁掛け花瓶が花を添えました

 囲炉裏のある板の間が殺風景なので、花でも飾ろうかと思い、ネットで手頃な花瓶を探しました。

 壁掛けタイプの商品を順番にチェックしてみたのですが、西洋風のデコラティブなものが多くて古民家には不釣合いな感じです。おまけにお値段も4000~5000円台と割高感があります。

 暇を見てちょこちょこ探すうちに、シンプルな透明ガラスの壁掛け花瓶を発見。800円ちょっとという価格にも惹かれて購入しました。

2012011401.jpg

2012011402.jpg


 さっそく柱に掛けて花を活けてみました。花瓶全体が透明なので、遠目には切花が宙に浮いているように見えます。花の姿が際立つユニークな花瓶です。

2012011403.jpg


人気ブログランキングへ  にほんブログ村 ライフスタイルブログ 古民家暮らしへ  にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 安曇野情報へ
ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします。

テーマ : スローライフ
ジャンル : ライフ

これが囲炉裏の三種の神器?

2011121201.jpg
左から牛革手袋、炉縁箒、火吹き竹


 囲炉裏を日常的に使うようになってから、これは便利!と日々痛感するのが、

 火吹き竹
 牛革手袋
 炉縁箒(ろぶちほうき)

 の3点です。

 火吹き竹は必需品ですね。熾(おこ)したばかりの火種にフゥフゥ息を吹き込んでいると、軽い酸欠状態になって一瞬、視界が真っ白に掻き消えることがあります。

 次の瞬間、視界が元に戻るのと同時にボッと火柱が立って、元気な炎が広がります。この一瞬がこたえられません。

 自作の火吹き竹を誤って燃やしてしまい、今使っているのはホームセンターで買ってきた二代目です。激安の中国製ですが、性能上は問題ありません。

 牛革手袋はバーベキュー用品で、以前は野外で使っていました。囲炉裏鍋や鉄瓶を自在鉤に掛けるのに、とても重宝しています。

 一方、炉縁箒(ろぶちほうき)というのは小型の和箒のことで、普段から囲炉裏の縁に置いてあります。以前、木曽を旅した時、土産物屋さんで見つけて買いました。

 囲炉裏というのは意外に灰が周囲に飛び散るもので、そこに飲み物の滴や鍋物の汁なんかがしたたると、ドロッとした黒い固まりになってしまいます。

 灰が周囲に飛んだ時には、このミニ箒ですかさずササッと掃いて余った灰を囲炉裏の中に戻しておきます。いつも清潔に保っておけるので助かります。

2011121202.jpg

人気ブログランキングへ  にほんブログ村 ライフスタイルブログ 古民家暮らしへ  にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 安曇野情報へ
ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします。



テーマ : スローライフ
ジャンル : ライフ

「五徳」は徳が高い? それとも呪いの冠なの?

 自在鉤と並んで囲炉裏になくてはならないのが「五徳(ごとく)」です。多くは3本脚ですが、4本脚のものもあります。

 我が家では、年代物の頑丈な五徳のほか、もともと長火鉢に使われていた小ぶりな五徳と、ひょうたん型のユーモラスな形をした4本脚のものを3つ、使い分けています。

2011083101.jpg
我が家の五徳たち

 自在鉤に鍋を吊って、隣で湯を沸かす時などに五徳は重宝します。焼き物を作る時には2つ並行に置いて金網を渡し、魚やステーキを焼くのに使ったりもします。

 先ほど脚は3~4本と書きましたが、5本のものは見たことがありません。たぶん存在しないんじゃなかと思います。

 なのに「五徳」という名前がついているのは、なぜでしょうか?

 「五徳」というのは、儒教の「五常の徳」の略称で「仁」「義」「礼」「知」「信」の五つの徳を指します。その「五徳」が、どうしてほとんど3本脚でまれに4本脚ってこともあるが5本ってことはない調理器具の名前に転じたのでしょう?

 いろいろ調べてみましたが、民俗学の世界でも「よくわからないこと」のひとつらしいのです。

 五徳と命名される以前は「かなわ(鉄輪)」と呼ばれていたそうで、これならすっきりします。

 さらにフシギなのは、徳の高い名前を付けられたはずの五徳が、あろうことかあの「丑の刻参り(うしのこくまいり)」では、ロウソクを立てて頭上に被る“恐怖の冠”として使われることです。

 鎌倉時代にはすでにこのスタイルが定着し、宇治の橋姫という異常に嫉妬深い公卿の娘が、鞍馬山の麓の貴船神社に籠って鉄輪を頭上に戴き、3本の脚に松明を灯して両端に火をつけた松明を口にくわえて恋敵を呪い、ついに生きながら鬼になったという話が伝わっています。

2011083102.jpg
妖怪画の巨匠・鳥山石燕が描いた
「丑時参(うしのときまいり)」
(『今昔画図続百鬼』1779年より)


 正邪いずれにしても、五徳には何らかの“パワー”が潜んでいるのでしょう。疎かには扱えませんね。

人気ブログランキングへ  にほんブログ村 ライフスタイルブログ 古民家暮らしへ  にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 安曇野情報へ
ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします。

テーマ : スローライフ
ジャンル : ライフ

木曽で出会った素敵な囲炉裏たち

 少し前の話になりますが、ゴールデンウイークに旅した木曽の妻籠宿(つまごじゅく)周辺で、ちょっとステキな囲炉裏と出会いました。

 ひとつは、大妻籠(おおつまご)の「諸人御宿 丸屋(まるや)」さんの囲炉裏。

2010611-01.jpg
「諸人御宿 丸屋(まるや)」さんの囲炉裏

 こちらは寛政元(1789)年から営んでいる老舗の旅籠で、今も民宿として旅人を受け入れています。私たちも一泊しましたが、築150年以上の古民家をたいへんきれいに使い続けていらっしゃいます。

 玄関の潜り戸を潜ると土間と囲炉裏部屋が控えています。囲炉裏にくべた薪がパチパチと音を立てて小さな炎を上げています。

 囲炉裏の周囲は畳敷きで、その場にペタンと座っても冷えないのがいいなぁと思いました。

 もうひとつは、妻籠と馬籠峠(まごめとうげ)の間の山中の一石栃(いっこくとち)というところに残る立場茶屋(たてばちゃや)の囲炉裏です。

2010611-02.jpg
一石栃(いっこくとち)に残る立場茶屋(たてばちゃや)の囲炉裏

 立場茶屋とは街道筋の宿場と宿場の間にある休憩所で、現在はこの建物一軒だけが往時の姿を残しています。

 江戸時代後期の建物といいますから、築150年以上はたっているでしょう。

 妻籠の観光協会が休憩所として管理していて、日中はウォーキング客にお茶やお菓子を無料で振舞ってくれます。

 こちらの囲炉裏は長方形でした。旅人が大人数で火を囲めるように設(しつら)えたものでしょう。

 磨きこまれた板の間は、今も修学旅行生たちの雨天の昼食場所として活用されているそうです。

 で、オマケ…我が家の囲炉裏です。周囲を一段、高くした形状がちょっと珍しいですが、実際に利用してみると食器を並べられるため、使い勝手がいいことがわかりました。

2010611-03.jpg
我が家の囲炉裏(オマケです)

 使い込むほどに味が出てくる不思議な空間です。

人気ブログランキングへ  にほんブログ村 ライフスタイルブログ 古民家暮らしへ  にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 安曇野情報へ
ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします。

テーマ : スローライフ
ジャンル : ライフ

プロフィール

あづみ

Author:あづみ


都会から安曇野の古民家に親子3人で移住しました。夏涼しく、冬は想像を絶する寒さですが、ハラを括って暮らせば何とかなるものです。

その後、縁あって畑付きの田舎家をゲット。現在は山中の古民家と里の家とを行き来する日々です。

安曇野に興味のある方、また古民家に暮らしたいと思っていらっしゃる方、よろしかったらお立ち寄りください。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
ブログランキング
ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします。
人気ブログランキングへ

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 古民家暮らしへ

にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 安曇野情報へ
本文検索キーワード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR