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色紙を差し替えて楽しむ床の間の掛け軸

 我が家の客間には「本床(ほんどこ)」と呼ばれる立派な床の間があります。どっしりとしていて格調高いのですが、何も飾らないでおくと漆喰壁が白々とし過ぎて、いかにも殺風景です。

 掛け軸でも掛けたら体裁が整うのでしょうが、あいにくそちら方面に疎いので、どこでどう探せばいいかわかりません。

 どうしたものかと思案していたら、親戚が「こんなのどぉ?」と、“色紙用の掛け軸”なるものをプレゼントしてくれました。

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 掛け軸の真ん中付近に透明の糸(テグス)が4本、張ってあり、そこに色紙の縁を引っ掛けるような仕組みです。

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 色紙のサイズは、ごく一般的な24.2センチ×27.2センチのもの--ラーメン屋の壁なんかに貼ってある有名人のサイン入り色紙と同じ大きさ--に対応しています。

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 しかし、絵なしの掛け軸だけではどうしようもないので、親戚に色紙の手配も頼むと、しばらくして季節の花鳥を描いた可憐な色紙が数枚、届きました。

 京都の画家が手摺りで作っている版画なんだそうですが、素人目には筆で描いたように見えます。微妙な陰影が表現されていて、結構、見栄えがいいものです。

 嬉しくなって、自分でも花鳥図を少しずつ買い足しました。

 今では四季折々の色紙が揃い、外の風景に合わせて季節ごとに入れ替えて楽しんでいます。

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 色紙を変えるだけで床の間の空気が少しだけ和みます。

 ささやかな楽しみですが、安曇野の四季の移り変わりをこんなふうに再確認するのもいいもんだなと思っています。

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床の間の下に開いている“四角い穴”の正体は??

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 昔ながらの和室の床の間には、左右のどちら側かに違い棚や引き戸をあしらった「床脇(とこわき)」という空間が隣接しています。

 我が家の場合、床の間の両サイドに床脇が配置されていて、少々、大袈裟な印象があります。

 さて、この床脇と床の間の間の壁をよく見ると、床に接した下の部分が四角くくり抜かれ、素通しになっていることがあります。

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 我が家では、時々、チワワが通り抜けたりするぐらいで、ほとんど何の役にも立っていません。

 かねがね、何のための穴なんだろう? とギモンでした。

 先日、読んでいた本の中に、この穴のことが書いてありました。

 なんと「狆潜り(ちんくぐり)」という立派な名前が付いているんだそうです。

 狆潜り、つまり犬のチンがくぐるぐらいの小さな開口部、という意味でしょう。

 道理でチワワがウロチョロ通り抜けるわけです。

 ですが、本来はチンだのチワワだのの通り道として造られたわけではなく、床脇の奥まで外光を採り入れるための建築上の工夫だったようです。

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 写真をご覧ください。狆潜りを通って表の明かりが差し込んでいるのがおわかりいただけると思います。

 また、それとは別に「狆潜り=朕潜り」だとする異説もあるようです。

 朕とは「朕思ふに…」のチン。天皇やお殿様などのやんごとなきお方が自分のことを言うときに使う一人称です。

 もともと床の間は武家屋敷で誕生し、時代が下って一般家屋にも普及したそうです。戦国武将が敵の不意打ちに遭って逃げる際に、ここをくぐり抜けたとも言われているんだとか。

 戦乱の世の名残りというわけですね。なるほどなぁ。


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書院造りのガラス細工は究極の職人技

 かつて私たちの家に住んでいた人たちは、名主や庄屋など地元の有力者だったそうです。さらに遡ると落ち武者が山間部に逃げ延びて定着した“元・武士”だったとも聞いています。

 時代が下り、明治元年に一旦、解体されて安曇野に移築されたこの家は、養蚕とタバコの葉の生産農家に買い取られて一世を風靡します。

 しかし、戦後、養蚕業の凋落とタバコ葉の生産縮小で集落は勢いをなくし、若者は里へ下ってしまいました。

 残されたのは、主をなくしたバカでかい古民家ばかり。ご縁があって私たちが住み暮らすことになりましたが、家のあちこちに往時の“栄華”の残滓が見られます。

 たとえば、この書院造りの和室。本床(ほんどこ)といわれる本格的な床の間の脇に、庭に面して細工を施した障子が設けてあります。

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 この障子の一面を、建築用語では「書院」というそうです。

 「書院」には出窓形式の「付書院(つけしょいん)」と、出っ張りのない「平書院(ひらしょいん)」がありますが、我が家のものは平書院です。

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 さて、この平書院をよく眺めると、組子(くみこ)とも呼ばれる細かな木の格子で組まれていて、障子紙の代わりにガラスがはめてあります。

 昔は紙だったのでしょうが、後の時代にガラスに入れ替えたのでしょう。

 そのガラス(擦りガラス)の表面に、左右一対の風景画が彫られているんです。

 絵を指の腹で触ると、わずかに凸凹しているので、後から削って描いたものだとわかります。正確には、絵柄の部分を透明に残して周囲を研磨し、擦りガラスに仕上げたものでしょう。

 左右の絵を見比べると、若干ですが絵の形が違います。型紙を当てて回りを削る際に、ズレが生じて仕上がりが変わってきたんじゃないかと思います。

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 子供の頃、格式のあるお家などに伺うと、こんな絵入りのガラスが建具に使われていた記憶もありますが、最近はとんとお目にかかりません。今ではもう、ほとんど作られていないんじゃないでしょうか。

 こんな手間暇のかかるものをわざわざ使うなんて、昔の人は粋だったんだなぁ…と、つくづく感心させられます。

 美術品的な価値はありませんが、割ってしまったら、おそらく二度と同じものは手に入らない貴重なガラス絵。大切に使い続けたいと思います。



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床の間の飾りを冬仕様に変えました

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 床の間の飾りを冬仕様に変えました。

 去年、大町駅前の土産物店「いーずら大町特産館」で買った、大小ふたつの女の子の人形です。

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 厚紙の表面に和紙を貼り合わせ、そこに淡い色調の絵の具で綿入れにくるまった幼女の姿を描いています。

 やさしい色づかいと和紙の風合いが気に入り、購入しました。中に鈴が入っていて、大きいほうの人形は、軽く振るとボロンボロン…思いのほか低い虚ろな音がします。

 冬ごもりの季節です。

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プロフィール

あづみ

Author:あづみ


都会から安曇野の古民家に親子3人で移住しました。夏涼しく、冬は想像を絶する寒さですが、ハラを括って暮らせば何とかなるものです。

その後、縁あって畑付きの田舎家をゲット。現在は山中の古民家と里の家とを行き来する日々です。

安曇野に興味のある方、また古民家に暮らしたいと思っていらっしゃる方、よろしかったらお立ち寄りください。

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